lobular endocervical glandular hyperplasia
PathologyAtlas
Endocervical adenocarcinoma 子宮内頚部腺癌†
頸部腺癌には, 腫瘍発生機序について HPV感染が強く関与する腺癌と, HPV非関連の腺癌が存在している. ワクチン予防の可能性などから、組織分類には, HPVの関与を考慮することも必要となってきた.
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gastric type adenocarcinoma of the cervix uteri 胃型頸部腺癌*1
WHO 2014 頸部腺癌の分類
WHO4th分類, 2014年の頸部腺癌分類では, 組織亜分類のうち, Mucinous adenocarcinoma, endocervical typeが以下の2型
に分類されたことが大きな改訂点である.
1.endocervical adenocarcinoma, usual type (通常型内頸部腺癌/ 通常型腺癌)
2.mucinous carcinoma, gastric type (胃型粘液腺癌)
- この2つに分類された意義は, HPV感染により発生する通常型腺癌に対し, 胃型粘液腺癌はHPV非感染, 非関連の代表的な組織亜型として位置づけられたことにある.
- 胃型粘液腺癌は分葉状頸管腺過形成(LEGH, lobular endocervical glandular hyperplasiaのページへ.)や胃型上皮内癌(gastric type adenocarcinoma in situ, gAIS)との合併例がみられる.
- 胃型形質(幽門腺形質)をもつ頸部腺病変のスペクトラムに含まれる.
- HPV非関連腺癌には胃型頸部腺癌の他, clear cell carcinoma(淡明細胞癌), mesonephric carcinoma(中腎癌), がある.
胃型頸部腺癌は(1) 粘液を含有する淡明/ 淡いエオジン好性の豊かな細胞質, (2)明瞭な細胞境界の2点の形態的特徴で定義される腺癌として2007年に提唱された. *2
- 上記(1), (2)の形態的特徴を呈する子宮頸部腺癌は, 高率に胃型粘液形質(幽門腺型粘液形質)を有し, 予後が不良である.
- HPV非関連性の癌である.
- 核のpleomorphism, 明瞭な核小体, 極性の乱れなどの異型所見が明瞭に認められる.
- びまん性広範囲に浸潤する性質をもち, 「腺筋症」様の浸潤分布を示したり, 胆道や膵腺癌に類似した浸潤様式を呈したりする.
- 脈管侵襲, リンパ節転移, 卵巣転移, 骨盤内臓器浸潤, 腹腔内播種が高率に認められる.
最小偏倚性腺癌Minimal deviation adenocarcinoma--- 以前は「悪性腺腫 adenoma malignum」とよばれた腫瘍
- 異型所見の乏しい細胞内粘液の豊富な細胞が良性にみえる高分化な腺管を形成しびまん性に浸潤増殖をする腫瘍.