Wikipathologica-KDP

チロシンキナーゼ thyrosine kinase

JAK/STATシグナリング

主としてサイトカインにより活性化されるシグナル伝達経路。JAK/STAT経路は1991年にインターフェロンのシグナル伝達経路として初めて報告された。以後多くのサイトカインがこのシステムを利用することがわかっている。

JAKキナーゼ

Janus-Vatican02.jpg

約130kDaの非受容体型チロシンキナーゼで分子内に2つのキナーゼドメインをもつことから双頭神ヤヌス(右図)にちなみJanus kinaseとよばれる。(実際にはひとつのキナーゼドメインは酵素活性をもたない偽キナーゼドメインであった)

JAKは4種類知られており, JAK1, JAK2, Tyk2は広範な組織・細胞に発現しているがJAK3の発現はリンパ球などに限られる。

 
JAK.JPG
 

骨髄増殖疾患に認められるJAK2変異

JAK2V617F allele-specific PCR(Baxterらの方法, Lancet 2005)*2

95℃ Xmin(Hot start Taqの活性化で, Taqにより異なる)

94℃ 30sec
58℃ 30sec
72℃ 45sec 35cycles

72℃ 5min - 4℃ soak

STAT

STAT( = Signal Transducers and Activators of Transcription ) はクラスI/IIサイトカインの信号伝達と転写を司る転写因子。JAKにより活性化される主要な基質。
通常, 細胞質に限局し, サイトカイン受容体の刺激により分単位で素早く活性化され核内に移行し遺伝子の転写制御をおこなう。

STAT.JPG
cytokine-JAK-stat.jpg

*1  Saharinen P. et al., Autoinhibition of Jak2 tyrosine kinase is dependent on specific regions in its pseudokinase domain. Mol Biol Cells. 2003; 14: 1448-1459
*2  Baxter E et al., Acquired mutation of the tyrosine kinase JAK2 in human myeloproliferative disorders. Lancet 2005; 365 March19: 1054-1061

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