syphilitic pharyngitis
SPS-城南病理
Lues Lymphadenopathy- SPSJOHNAN conference(232SPS)-Case01†
小田原市立病院 病理診断・臨床検査科 長谷川章雄先生
73歳男性
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Disscussion†
- Chairman: 確認なんですが, Warthin-Starry染色は3カ所(1, 2回目のリンパ節, 皮膚生検)すべて陰性ですか?
- Speaker: はい、陰性です。陽性コントロールがないのですが。
- Chairman:臨牀経過や血清検査から梅毒はまちがいないと, リンパ節と口角の皮膚結節にはWarthin-Starry染色は陰性。免疫染色はされてない。菌は組織上では同定されていないということですね。このような経験された方はfloarにおられますか?
- Floar01: 2症例を経験しました。1例は扁桃なんですが 強い炎症があり上皮がびらん状になって、めだつことは形質細胞が大変多かった。免疫染色をするとコントロール以上にトレポネーマが多数染まった。演者の先生もおっしゃるように血管病変は印象に残っていない。教科書にはGummaっていう, 肉芽腫があって形質細胞がでてくると記載がありますが,扁桃には, はっきりした肉芽腫はなくて, 上皮のacantholysisのなかにはいりこむようにtreponemaが増殖していました。
もう一例は胃粘膜の生検で, 粘膜固有層の表層上皮が普通に見られるより数倍厚い, これが特徴のようで,そのなかにtreponemaが増殖していました。
- Chairman:それは臨床の情報があったのですか?
- Floar01: 両方とも臨床の(梅毒を疑う)情報がありました。それがないと鑑別からぬける恐れもあるということで、おかしいなと思うときは臨床と連絡をとることが重要ですね。
- Floar02:この患者さんは外陰部は問題ないんですか?
- Floar03:最初の感染したと思われる時から何年経過したんでしょう?
- Speaker:一番古いのは3年前から危険な性交渉があっったようですが。それからもいろいろあって詳細はわからないんです。
- Floar03:3年前というと晩期梅毒の診断にするということ・・・?
- Speaker:ということになりますね。しかしわからないんですね。性交渉歴を詳しく聞くことはなかなか困難なんですね。記憶もあやふやなようで。ほんとのことはわからない
- Chairman:教科書的には3期だと心臓血管、あと神経に病変がくるということなんですが、
この方ですと口角の病変は結節性の梅毒ということで・・・
- Speaker:ええ, だからもっと早期の可能性があるんじゃないかと私は思っていますけれども・・・
- Chairman:少なくともきれいな肉芽腫はつくっていないんですね。そうすると2期の可能性もあるということですね。
- Speaker:そうですね。かなりあるんじゃないかと思われます。
- Floar04: 皮膚のほうなんですが, リンパ節に比べあまり特徴がないように思うんですが, 浸潤するリンパ球はT細胞性なんでしょうか? それともB細胞が混在するんでしょうか?
- Floar05:この患者さんは基礎疾患をもっているんでしょうか?
- Speaker:ないはずですね。カルテをみかえしましたが。臨床が詳しくしらべてない恐れもあるんですが・・・。
たとえばどんな基礎疾患が?
- Floar05:ウイルス性の肝疾患など, 感染になりやすいような・・・immunocompromised hostになりうるようなものを何かもっている・・・
- Speaker:それはないと思います。基本的な検索と臨床検査で異常はみつかっていないようです。
- Chairman:全国ではだいたい700人前後でているらしいです。2003年を最低に微増しているようです。私たちもこういう症例に遭遇することがあるかもしれません。speakerの先生がおっしゃったようにリンパ節をみたとき臨床診断がないときはむずかしいとおもいます。
被膜の線維化が強いこと, 濾胞過形成,plasma cell 浸潤, 巨細胞がぱらぱらでるというのは特徴のようで, あまり肉芽腫はつくらない、むしろbasicな巨細胞がでるようだと教科書的には記載があるようです。あと血管炎も結構記載があるのですが今回ははみられないようですね。
組織だけでは診断がむずかしいようですが鑑別診断として頭の中にいれて診断する必要があるようです。
Disscussionの内容は編集してあります。
梅毒性咽頭炎の症例†
第?回SPS症例:梅毒性咽頭炎の症例--->症例のページ:をみる