悪性黒色腫は, 呼吸上皮, 消化吸収上皮(alimentary), 生殖泌尿上皮に被覆された粘膜に発生するものが存在する. いずれの粘膜もメラノサイトを含んでいる.
一般に粘膜悪性黒色腫は, 皮膚悪性黒色腫よりも予後が不良である. Mucosal melanoma(MuM)はまれな疾患で, 全 melanomaの1%と少ない.
mucosal melanomaの発症部位
MuMは, 一般的には高齢者(中央値 70歳)に発症するが, 口腔発生のMuMはしばしばより若い世代に発生する.
女性に多くみられる. これはMuMが生殖器に発生することによる.
解剖学的な発症部位からも推察は可能であるが, 皮膚メラノーマと異なり紫外線が発症リスクにはならない。
MuMの 20%は多発性である. (皮膚メラノーマが多発性であるのは <5% とまれ)*1
MuMの 40%はamelanoticである. (皮膚メラノーマがamelanoticである頻度は, < 10% )*1
MuMのstaging
原発巣によりstagingが異なることから, head&neck melanomaの簡易化stagingが便宜上, 全粘膜悪性黒色腫に適応されている. *2
Stage I- 臨床的に限局した病変
Stage II - 領域リンパ節 (regional lymph node)病変あり.
Stage III- 遠隔転移病変あり.