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Marginal zoneの拡大増生/増殖 正常/非腫瘍性での増殖は脾臓ではある. 節外性臓器ではまれにあるが, リンパ節ではまずおこらない(Dr.中村直哉, No53網内系学会)

Splenic marginal zone lymphoma 脾臓(原発)marginal zone lymphoma

種々の程度に脾腫がある.時に骨髄に浸潤し, 白血化もまれではない. 表在リンパ節腫大は通常みられない.

脾生検や脾摘をおこなうことは少なく, 骨髄穿刺/生検あるいは末梢血液像(白血化の場合)により診断を求められることが多い.

免疫組織化学でmarginal zone lymphoma(MZL)に特異的なphenotypeは見つかっていない. リンパ節脾臓のMZLはHE像でのmarginal zone 形成がまず疑いの根拠になる.

SP-MZLは骨髄浸潤は濾胞構造をつくらないことが多く, 診断が困難となる. 形質細胞分化を伴う場合と伴わない場合があり, 形質細胞分化がとくに顕著な場合は, plasma cell myelomaとの鑑別が必要になることもある.

SP-MZLの骨髄浸潤所見

びまん性, 結節性, 間質浸潤性, 洞内増殖性, 傍骨梁(paratrabecular)性, いずれの形もとりうる.

小型B細胞が洞内に増殖する像があれば, まずSP-MZLを考える(脾腫の存在を確かめる). ただしHairly cell leukaemiaもこのパターンをとりうることに注意が必要. また洞内増殖細胞が大型多型のときはIVLに注意する.

骨髄びまん性増殖内に反応性胚中心を認める場合は, SP-MZLの可能性が高い. BCL-2は陰性であり, BLC2陽性B-CLLのproliferation centerとは鑑別が可能である.

細胞は小型から中型, 淡明あるいは, ~中等度の好酸性細胞質をもつ.小さな核小体を有する細胞が多い.

骨髄smearでは, 核偏在性の細胞で, 自然乾燥標本(作ることが大切)では, 毛様突起が観察されることが多い.(Hairly cell leukaemiaも同じ)

immunophenotype

陽性 CD20, CD19他B-cell lineage markers. BCL2

陰性: CD3, CD10, BCL6(感度がよいIHCでは弱陽性になる), cyclinD1, SOX11, EBER-ISH, CD103, CD123

MUM1: 陽性陰性どちらもある. CD5はSP-MZLの~20%に陽性となる. 陽性陰性例のphenotypeの差ははっきりしていない.

FCM: CD19, CD20, CD21, CD22が陽性になる. kappa/lambda LCのいずれかが明らかに偏って陽性となる(軽鎖偏倚あり)

染色体・遺伝子異常

karyotype: +3, +8, +18のtrisomyを示すことが多い. 7q欠失

MALT1遺伝子異常を示すことはない.

KLF2変異/欠損, MAP2K1変異, NOCHT2変異, TP53欠失[del(7q)]が報告されている.

SP-MZL 脾臓の病理所見


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