Lynch Syndrome
DNA damage and repair DNAの障害と修復機構†
DNA障害のパターンと修復†
概要
DNA障害と修復機構のタイプ*1
- 酸化されたグアニンなど異常塩基は塩基除去修復により塩基部分がデオキシリボースから切断される.
- 隣接した塩基同士が結合する, DNAの嵩高い構造変化が起こる場合は, 損傷塩基を含むオリゴヌクレオチドがヌクレオチド除去修復により除去される. このとき除去されずに残った損傷によるDNA複製停止と続いて起こる細胞死を防ぐためにバイパスDNA合成が機能する.
- DNA二重鎖切断は, 原核生物から真核生物に共通してみられる相同組み換え修復とヒトを含む高等真核生物に顕著な非相同末端再結合の2つの機構により再結合される。
- DNA複製の際に, 間違った塩基取り込みによる誤塩基対はミスマッチ修復により解消される。
- これらの修復機構の一部は細胞内においてそれぞれの損傷修復の補完的な役割をになっており相互に関連していると考えられる. その例として, 相同組み換え修復, バイパスDNA合成とヌクレオチド除去修復が複雑に組み合わさったDNAクロスリンク修復にみることができる。
渋谷正史ほか編集 がん生物学イラストレイテッド2011;151-160, 羊土社 東京