Wikipathologica-KDP
Myelodysplastic syndromes - WHO 5th classification†
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MDS診断のアルゴリズム†
名古屋第一赤十字病院 伊藤雅文先生 第5回東京骨髄病理研究会講演から。
骨髄クロット標本におけるMDS診断のポイント†
MDSは境界病変が多くアルゴリズムのとおりにはいかない症例も多い。それでも80%, あるいは90%ほどの症例は診断できるとおもわれる。(伊藤雅文)
MDSが疑われる患者さんの骨髄組織標本を前にして評価するべきこと
- 1. Cellularityは 低形成なのか正ないし過形成なのか。クロットを対物レンズ2-4倍の低倍で観察する。
- 2. 低形成であればパターンは Patchyか diffuseか
- 6. 微小巨核球(micro Mgk)があるか? 通常染色では無理-->免疫染色をおこなう(CD42b)
- 7. 芽球はあるか? CD34染色を併用。c-KIT染色も追加するほうがよい.(単球系, 赤芽球系, 巨核球系の芽球の場合, CD34陰性のこともある-谷岡 追加)
このうち, 1-5までを順番にBMクロット(ASD/Giemsa染色が必須)標本においてきちんと評価できれば80%(実は90%も可能)の症例は診断が可能。
6, 7は免疫染色を追加して判断する。1-5にあてはまらない症例は特殊な症例。それはもっと別のアプローチをすればよい。
===> ASD/ Giemsa染色の方法(磐田市立総合病院の染色)
■ CellularityがNormo~hyperの場合。(多くの症例はこちらに入る)
- 1. Myeloid-richかErythroid-richかを判定する。
- 2. 赤芽球島が存在するかどうかを見分ける。赤芽球島がしっかりあればHigh-gradeはまずない。
- 3. Myeloid-rich → 赤芽球島(+) → Low-grade MDS
- 4. Myeloid-rich → 赤芽球島(-) → micro MgK(+)なら High-grade, (-)なら Low-garde
- 5. Erythroid-rich → 赤芽球島(+) → Low-grade MDS/ RARS
- 6. Erythoid-rich → 赤芽球島がみあたらない → High-grade MDS/ AML-M6
■ Cellularityが Hypocellularの場合。
骨髄が低形成の場合, 細胞の存在パターンが大切となる。diffuseかpatchyかを判定することからアルゴリズムが始まる。
- Hypo-Patchy → Myeloidがあるかないか?(ASDで見る) → Myeloid(-)~few → MgK(+)/ microMgK(+) → low-grade MDS(この流れにHigh-gradeはほぼない)
- Hypo-Patchy → Myeloid(-)~few → Mgk(-)/microMgk(-) → AA / 二次性造血障害 AAの診断には, CD8を染めてCD8+ T細胞の有無を調べる
- Hypo-Patchy → Myelodi多い → Mgk(+)/microMgk(-) → secondary (SLEなどの二次造血障害). 骨髄脂肪変性などを見る。
- Hypo-Patchy → Myeloid+/多い → Mgk+/ microMgk+ → low-grade MDS
■ hypocellular marrowの細胞分布パターン
細胞存在パターン;左:hypo-diffuse 右:hypo-patchy
Hypo-diffuseは存在すれば「病気」の異常な状態とみなしてよい。Hypo-patchyは高齢者骨髄に似る所見
■ 低形成性白血病の独立性(伊藤雅文Dr)
- 低形成骨髄病変で芽球が急性白血病の定義を満たす場合低形成性白血病(HypoAML)として非定型的白血病に分類される
- WHO分類ではその独立性を認めていないが、病理形態的に均一な組織像を呈する