Follicle and Follicular lymphoma
IWT-case 68歳男性 鼠径部リンパ節の腫大
HE組織像
x400で濾胞細胞は, centrocyteのほか, centroblast(核小体が核辺縁部に複数存在)および
核中心部に大きめの核小体をもつimmunoblast-like cellが存在している. immunoblastsも大型細胞に含めて >15/hpf でgradeは3A (含めていいんだよね)
免疫染色
濾胞内の細胞はCD20+, CD10+, BCL6+の濾胞中心細胞であるがBCL2は陰性。陽性になっているのは follicular T-cellと考えられる. 胚中心外にCD10陽性細胞がこぼれ出るように多数認められる異常所見はFLに特徴的所見.
prototypeと同様濾胞内細胞のMIB-1 LIは低値をしめしているようである. (陽性はT-cell)
核型とFCM
48,XY,+X,add(1)(p36.1),add(1)(q32),add(2)(p11.2),add(2)(q11.2),add(4)(q21),add(15)(q11.2),-20,+mar1,+mar2[2]
/49,idem,+7[11]/46,XY[5]--- 1p36.1の異常が認められる. FLの最も多い付加的異常である1p36の欠損とは違った染色体異常のようです. t(14;18)(q32;q21)転座は認められない.
FCMではB細胞の増加を認めlambda>>kappaのdeviationが認められている.
chromosome 1p36の異常
TNFRSF14(TNF receptor superfamily member 14) NCBI Gene ID: 8764
IWT-case 76 歳女性
腰痛, 左大腿部痛が出現. 症状一時改善した. 1ヶ月後増悪, 左腸骨骨融解像を指摘される.
癌の骨転移を疑われ, CTガイド下生検を施行したが診断可能な細胞が採取できなかった. 鼠径リンパ節腫大があり,リンパ節生検が行われた.
鼠径リンパ節病理標本(初発時リンパ節標本)
鼠径リンパ節生検組織では, びまん性に中~大型のcentroblasticまたはimmunoblastic cellsが密に増殖しCD21染色を行っても明らかな濾胞形成は認められない.
diffuse patternの増殖を示すリンパ腫病変と考える.
免疫染色
びまん性に増殖する中~大型異型リンパ球は, CD19+, CD10+, BCL2+, BCL6は+だが, controlに比べて発現がよわい傾向がある.
増殖細胞はMIB-1陰性が多い. びまん性に増殖リンパ球がCD23陽性を示す. CD21は陰性(上, loupe像)
Flow cytometry と karyotype核型異常
FCMではkappa, lambda表面抗原が再検しても陰性であった。
46,XX,t(9;13)(p22;q14),t(9;15)(p13;q15),t(14;18)(q32;q21)[20] --- t(14;18)転座のほか2つの未知な転座が検出されている.
2017年12月に左頚部リンパ節腫大を自覚して受診. (初発より約8年6ヶ月後 84year-old)
follicular growthパターンを示す病変. 拡大像ではcentrocytic/ centroblastic cellの増殖がみられ, grade3Aのfollicular lymphomaを考える. 大型多型細胞が少数認められる.
すべてがcentroblasts/ immunoblastからなる濾胞はみられなかった.
免疫染色
増殖リンパ球はCD20+, CD10+, BCL6+, BCL2+. CD10陽性細胞は濾胞外にも認められる. 異常所見.
BCL6は陽性コントロールと比較しても同程度に陽性を示している。初発のdiffuse lymphoma cellのように弱陽性ではない. MIB-1陽性細胞が集簇して認められる. labeling indexは濾胞全体では低値である.
CD23は再発の濾胞性増殖の腫瘍細胞でもびまん性に陽性となった.
FCMと核型
karyotype異常を認める.
karyotype A:47,XX,+X,-8,add(10)(q22),t(14;18)(q32;q21),+mar1. karyotype B:47,idem,-16,+mar2. karyotype C: 46,XX
FCMではCD20+, CD19+, CD10+, B-cellが増加している. 初発時と同じくkappa, lambdaは染色されていない.
47,idem,-16,+mar2のクローンの染色体が細く、増殖が速いと考えられる. MIB-1+の集簇する細胞と関連している?
WHO2016で定義された病理形態的にも遺伝学的にも特殊なFLの一型
Diffuse follicular lymphoma variant*7