Gliomaの診断-WHO2016
Gliomaの診断-WHO 5th classification†
組織発生分類からWHO 4thへ, さらにWHO 5th 2021脳腫瘍分類へ
WHO脳腫瘍分類は1979年以来, 腫瘍の想定される起源細胞への分化所見を調べることにより組織発生分類がおこなわれ,IHCなどによる細胞分化を同定する解析技術の進歩によって改訂をおこなってきた.
その後脳腫瘍研究の進歩により, 腫瘍細胞の組織分化を指標とする組織発生分類だけでは限界があることが明らかになった.
- 全く別系統の腫瘍と考えられていた, AstrocytomaとOligodendrogliomaが共通のIDH変異を有していること.
- 単一と考えられていたGlioblastomaがIDHの変異有無により異なる腫瘍にわけられることが判明.
- 形態よりも分子にもとづいた分類が予後や治療効果予測とよりつよく相関している
2016年WHO 4th分類から, Gliomaと胎児性腫瘍に分子生物学的情報を取り込んだ分子分類が採用された.
2016年以後, 分子病理診断を行うにあたり実臨床で, 提示された診断区分に合致しないgenotypeの腫瘍が存在することなど,いろいろな齟齬が生じ混乱が認められた.
この混乱を検討,解決するために, 国際神経病理学会(International Society of Neuropathology:ISN)により現在まで7回の報告がcIMPACT-NOWとしてなされてきた.
- Update 1: Not Otherwise Specified(NOS)とNot Elsewhere Classified(NEC)*1
- Update 2: Diffuse midline glioma, H3K27M-mutantとdiffuse/anaplastic strocytoma, IDH-mutantの定義*2
- Update 3: IDH野生型びまん性神経膠腫の取り扱い*3
- Update 4: Pediatric-type (小児型) diffuse gliomaの整理*4
- Update 5: IDH変異型星細胞腫の再定義*5
- Update 6: cIMPACT-Utrecht ミーティングに基づく新規entityの整理*6
- Update 7: 上衣腫の分子分類*7
Glioma, WHO 5th 2021分類†