Nodular dermatitis の履歴(No.3)

• 履歴一覧
• 差分 を表示
• 現在との差分 を表示
• ソース を表示
• Nodular dermatitis へ行く。
  • 1 (2024-10-24 (木) 21:09:36)
  • 2 (2024-10-24 (木) 21:32:25)
  • 3 (2024-11-13 (水) 21:30:47)

---

炎症性皮膚疾患のお勉強--実践編

Nodular dermatitis†

Nodular dermatitis

Superficial またはSuperficial and deep perivascular dermatitisのうち, 血管周囲の細胞浸潤が強く, 結節状のひろがりをみせるもの.

leukocyteclastic vasculitis, small vessel typeの中に結節状の細胞浸潤を伴うものがあるので,以下の2種類に分類するのがよいかもしれない.

• nodular dermatitis, non-vasculitic

• nodular dermatitis, vasculitic type; 通常は別のパターン分類名を用いる.

結節状の細胞浸潤がある場合, つぎの鑑別ステップは, 浸潤細胞の種類に注目する.†

1. 好中球を主体とする. neutrophils, predominate.

2. 組織球を主体とする. Histiocytes predominate

3. リンパ球を主体とする. Lymphocytes predominate.　混合性細胞浸潤巣が一般的.

4. 好中球+好酸球+形質細胞

5. 好酸球+ 形質細胞

( 1-3は成書の分類. *1. 4,5はAckerman 2nd Edの分類に記載されている.)

Nodular dermatitisの多くは, ２の組織球主体のもの. 好中球, リンパ球によるもの(1,3)は数が限られる.

組織球主体 Nodular dermatitisは組織型により, Sarcoidal, Tuberculoid, Palisaded, Suppurative, foreign bodyの5タイプにわける.

• Tuberculoid; 比較的境界明瞭な類上皮肉芽腫に種々の程度の, しかし比較的大きなcentral necrosis(乾酪壊死)を示すもの.

• Sarcoidal; 類上皮細胞肉芽腫のうち, ほとんど壊死をともなわず, 随伴するリンパ球浸潤も乏しいもの.中央に軽度のfibrin exudateを認めたり,極小線維化巣がみられることもある.
  肉芽腫一個の大きさは小さく, 密に配列し大きな腫瘤を形成することもある.
  まれに大きな壊死巣を伴い, necrotizing sarcoid granuloma(NSG)と呼ばれる.

• Palisaded granulomaとは, 粘液, フィブリン, 変性膠原線維, 壊死巣, 脂肪や尿酸などを取り囲むように組織球が存在し, 柵状に配列して(palisading)みられるもの.

• foreign body granulomaは異物を含むもの

• suppurative granulomaは, 壊死性のtuberculoid typeやpalisaded type, foreign type granulomaに好中球の浸潤のみられるもので, 細菌, 真菌など感染性のものが多い.

検鏡時肉芽腫をみたら,

1）異物をさがす. 偏光で観察するのもよい. よくできた組織標本に直線状の裂隙が見られる場合は異物があることを疑わせる.

2）真菌を検索する. 顕微鏡の絞りを細くして, 光量を上げて観察するとよい. 確認には, PAS, Grocott染色をおこなう. 抗酸菌はziehl-Neelsen染色を行う.
sarcoid granulomaでsarcoidと考えた場合もこれらの特殊染色を追加して感染症でないことを確認することが大切.

Mixed-cell infiltrate containing atypical lymphocytes(and sometimes histiocytes) Nodular dermatitis pattern C†

Nodular dermatitis pattern C/ pattern 3は 皮膚リンパ腫を中心の鑑別が必要になる.

1) Top-Heavy 細胞浸潤の主座は主に真皮上層.

Pseudolymphoma of various causes (most are idiopathic) 偽リンパ腫

• cutaneous pseudolymphomaは良性反応性リンパ増殖疾患の総称.浸潤リンパ球数の優位性で B細胞性とT細胞性に, リンパ球浸潤形式で 帯状型と結節型に分類される.

• T細胞性は帯状型が主体で, 光線性類細網症actinic reticuloidや薬剤性などが代表. B細胞性は結節型のみ. 皮膚良性リンパ腺腫症, 皮膚リンパ球腫などと同一の範疇のもの.

• B細胞性偽リンパ腫は皮膚原発濾胞辺縁帯リンパ腫(primary cutaneous marginal zone lymphoma, PCMZL)との鑑別が必要である.

• 木村病, 節足動物刺咬反応(arthropod reaction), 慢性光線性皮膚炎(actinic reticuloid)含む.

Discoid lupus erythematosus

Lymphomatoid papulosis: リンパ腫様丘疹症は、再発性で自然消退する丘疹性結節および時に壊死性病変を特徴とする非侵攻性のT細胞リンパ腫.しばしば播種性であり、CD30陽性リンパ腫を示唆する組織学的特徴を有する。
皮膚リンパ腫の約12%を占める。

EBV-positive mucocutaneous ulcer

Malignant lymphoma, T-cell type

2）Bottom-Heavy

Malignant lymphoma, T and B-cell type.

　

左:pseudolymphoma. top heavy; 病変主座が真皮上層にあり, 病変が対称性.
右:primary cutaneous marginal zone lymhoma; 真皮下層, 皮下脂肪織に主座があり(bottom heavy), 非対称性の病変を呈する.