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[[MALT lymphoma of the stomach]]

*食道のMALT lymphoma 症例01 [#jc867c29]

食道MALTリンパ腫の一例―免疫グロブリン重鎖(IgH)variable regionのOn going mutation検出

著者:谷岡書彦 (磐田市総合病院 臨床検査科)、中村律子 (浜松医大 第一病理学)、椙村春彦 (浜松医大 第一病理学)~
日本病理学会会誌 巻:93 号:1 ページ:399: 2004年05月10日

''2004年時の考察''

>食道に原発する悪性リンパ腫はまれで,Hosakaらは17例をReviewしている.食道原発MALT リンパ腫はさらに少数であり,われわれの調べ得た限りではHosakaらの報告を含め英文文献では3例の症例報告が認められるのみであった.日本の学会抄録データベースには2004年まで4例のみが記載されていた.(Hosakaらの症例を含む).食道原発MALT lymphomaは全症例,''食道粘膜下腫瘤の肉眼像を示し,被覆上皮は本例のように病変がないものから,びらんを示すケースもある''.
>腫瘍細胞は
-''central nuclei with irregular nuclear membrane and abundant clear cytoplasm''(Shim et al.)
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-''diffuse, small, atypical lymphoid cell- that is , centrocyte-like cell''(Hosaka et al. )と報告されている.

-“diffuse, small, atypical lymphoid cell- that is , centrocyte-like cell ”(Hosaka et al. )と報告されている.

本例では小型リンパ球の混在が多いが,centrocyte-like cellの浸潤増殖があると考えられる.形質細胞への分化は少なく,血管の硝子化像も多くない.萎縮した濾胞があり,CLL, Mantle cell lymphomaなどの鑑別が必要であったが,食道単独の緩徐な経過を示す病変で,表面マーカ,免疫染色(CD20+, CD79a+, CD5-, CD10-, CD23-, BCL6-, cyclinD1- )の結果からMALT lymphomaと診断した.

>PCRでimmunoglobulin heavy chainの再構成が検出され,PCR products から得られた6つのクローンのDirect Sequencingによりintraclonal diversityが認められた.このon going mutationの現象は,胃のMALTリンパ腫,Burkitt's lymphoma, MGUSなどにも認められ腫瘍の増殖に持続する抗原刺激が関与すると考えられている.食道MALTリンパ腫にもOn going mutaionが存在することが示唆されたが,刺激抗原は不明である.本例は胃にH. pylori関連胃炎があるが病変は上~中部食道でその関与は低いかもしれない.いくつかのVirus についてその感染をPCRで検索したが陰性であった.本例のAPI2-MALT1 fusion geneは陰性.Karyotypeも正常男性型でHosaka らの症例と同様であった.食道MALT リンパ腫の発生機序についてさらに症例の蓄積と検索が必要である.

>Primary Esophageal MALT lymphomaのcase report ( English literatures )~
1.Nishiyama et al. Ann Nucl Med 1999; 13: 419 - 421~
2.Hosaka et al. Gut 2002; 51: 281- 284~
3.Shim CS et al. J Korean Med Sci 2003; 18 120 - 124
//IWT-H022262 StT-69M
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**CASE  marginal zone lymphoma, MALT type of the esophagus [#y08e9dab]

IWT-case ''69歳男性''

8年前より健診で食道腫瘤を指摘されていた(当時1cm), 徐々にサイズが増大し縦径6cmとなる。症状はない。
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>
#gallery(left,nowrap,noadd){{

MALTesophagusXP.jpg>X-p esophagus
MALTesophagusEndoscopy.jpg>endoscopy
MALTesophagusEUS.jpg>EUS
}}
-サムネイル画像をクリックすると大きな画像が見られます。

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***''病理組織所見'' [#e80d7f25]
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#gallery(left,nowrap,noadd){{

MALTesophagusMacro.jpg>切除生検マクロ所見
MALTesophagusLoupe.jpg>loupe像
}}

診断のため腫瘤口側を切除生検した.

>loupe像では上皮下に密な細胞増殖がありvague nodularな病変を形成している. 壊死, 出血や線維化は認められない。--> Virtual Slideを見る.(準備中)
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#gallery(left,nowrap,noadd){{

MALTesoLPF01.jpg>HE
MALTesoHPF01.jpg>HE hpf
MALTesoHPF03.jpg>HE hpf
MALTesoSubE.jpg>HE hpf
}}

扁平上皮へのリンパ球浸潤はごくわずか|

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