#author("2025-05-18T11:56:50+09:00","","")
#author("2025-05-18T11:59:46+09:00","","")
[[Spleen]]

#contents

*脾臓組織の発生 [#afe96417]

脾臓はほぼすべてが&color(#e2041b){''中胚葉mesodermから発生する''};. 脾臓の最終的な形成は, 造血細胞と間質細胞間のクロストークおよび, 脾特有の脈管形成確立に依存している&note{1:Chadburn A. The spleen: anatomy and anatomical function. Semin Hematol. 2000;37:13-21.};&note{2:Mebius RE, Kraal G. Structure and function of the spleen. Nat Rev Immunol. 2005;5:606-616.};&note{4:Reijmers RM, Vondenhoff MF, Roozendaal R, et al. Impaired lymphoid organ development in mice lacking the heparan sulfate modifying enzyme glucuronyl C5-epimerase. J Immunol. 2010;184:3656-3664.};&note{5:Brendolan A, Rosado MM, Carsetti R, Selleri L, Dear TN. Development and function of the mammalian spleen. Bioessays. 2007;29:166-177.};

脾原基は背側膵芽付近の背側腸(胃)間膜漿膜下に間葉系細胞の増殖巣として開始され, &color(green){''転写因子BAPX1,HOX11,TCF21およびWT1の活性に依存している''};。~
その後,独立した小葉が形成され,最終的には融合して未熟な血管構造を含む多葉性の塊となって, やがて近位置にある門脈と連絡する.~
融合に至らなかった迷入小葉は副脾組織の発生源であり,集団の10-30%に存在する&note{7:Rudowski WJ. Accessory spleens: clinical significance with particular reference tothe recurrence of idiopathic thrombocytopenic purpura. World J Surg. 1985;9:422-430.};脾臓の近傍,特に脾門部に位置することが多いが,骨盤を含む遠隔部位も報告されている. 

副脾は疾患によって脾臓本体と同様の影響を受けることがある.&note{7:Rudowski WJ. Accessory spleens: clinical significance with particular reference tothe recurrence of idiopathic thrombocytopenic purpura. World J Surg. 1985;9:422-430.};&note{8:O’Malley DP, George TI, Orazi A, Abbondanzo SL. Benign and Reactive Conditions ofLymph Node and Spleen. 2009. ARP Press.};

''脾生殖腺融合''

まれに,臓器が互いに近接しているこの胎生期に脾臓性腺融合が起こることがある。生殖腺は脾臓と融合する場合(連続型)と,副脾組織または異所性脾臓組織と融合する場合(不連続型)がある。


''血管発生と脾臓内造血''

網状細胞と線維が発達中の細動脈の周囲に徐々に,鞘を形成し,第9週までに内皮に覆われた明確な管腔を持つ血管になる。造血は血管系と密接に関連して起こり,胎児肝臓に加えて胎児脾臓も初期造血の部位であるようである&note{11:Crane GM, Jeffery E, Morrison SJ. Adult haematopoietic stem cell niches. Nat Rev Immunol. 2017;17:573-590.};&note{12:Crosby WH. Hematopoiesis in the human spleen. Arch Intern Med. 1983;143:1321-1322.};&note{13:Tavassoli M. Embryonic and fetal hemopoiesis: an overview. Blood Cells. 1991;17:269-281. discussion 282-266.};.このことは動物モデルで最もよく研究されており,ヒトについては議論の余地があるが,ヒトの発生中の脾臓では妊娠中期に造血前駆細胞が確認され,その数は骨髄造血が確立する妊娠5ヵ月以降減少する&note{1:Chadburn A. The spleen: anatomy and anatomical function. Semin Hematol. 2000;37:13-21.};&note{12:Crosby WH. Hematopoiesis in the human spleen. Arch Intern Med. 1983;143:1321-1322.};

''脾臓内のリンパ球出現''

ヒトでは,最初のリンパ球と単球/マクロファージは,早ければ妊娠12-13週目に出現し,主に動脈周囲リンパ鞘(PALS)に局在する.マクロファージは胎生期には脾索内にも見られるが,これは他の常在組織マクロファージと同様に卵黄嚢前駆体由来と思われる&note{15:Gomez Perdiguero E, Klapproth K, Schulz C, et al. Tissue-resident macrophages originate from yolk-sac-derived erythro-myeloid progenitors. Nature. 2015;518:547-551.};。これとは対照的に,特殊化した辺縁帯マクロファージ集団は,循環している単球に由来する可能性がある。

初期の脾リンパ球は相対的にB細胞優位で、最初の抗体産生は妊娠第3期から始まる。濾胞樹状細胞のmeshworkは産褥期まで現れず,胚中心は出生後約2-4週ですぐに出現する. 濾胞樹状細胞によって産生されるケモカインであるCXCL13は,B細胞のchemotaxis(化学走性)に必要である。B細胞はCXCL13の受容体であるCXCR5を発現し,CXCR5が濾胞への遊走を誘導している&note{16:Bronte V, Pittet MJ. The spleen in local and systemic regulation of immunity.Immunity. 2013;39:806-818.};。

辺縁帯B細胞による脂質およびケモカイン受容体の発現は,CXCL13の誘引に打ち勝って濾胞からの脱出を可能にすると考えられる&note{17:Cinamon G, Matloubian M, Lesneski MJ, et al. Sphingosine 1-phosphate receptor 1 promotes B cell localization in the splenic marginal zone. Nat Immunol. 2004;5:713-720.};。特に,sphingosine1-phosphate(スフィンゴシン1リン酸)に対するレセプターが必要であり,このレセプターは胸腺やリンパ節からのT細胞の脱出も制御している。このシャトリングにより,血液循環から毛包への抗原の送達が促進される可能性がある&note{19:Arnon TI, et al. Visualization of splenic marginal zone B-cell shuttling and follicular B-cell egress. Nature. 2013;493:684-688.};
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*脾臓の構造 [#a3e5cf61]

脾臓は&color(blue){''リンパ系器官''};としてリンパ節、リンパ管, 扁桃と同様、''二次(末梢)リンパ系器官''に属し免疫機能を担う臓器である。~
リンパ管やリンパ循環と連絡を持つ他のリンパ装置やリンパ節と違っているのは&color(red){''門脈系血液循環中に介在し''};,古くなったり異常であったりする[[赤血球]]や異物を捕食、処理する''血液のフィルタ-''の役割も担なう。

脾臓の構造は細網組織を骨格とする枠組みの中に白脾髄, 辺縁帯, 赤脾髄が形成され,その構造と機能が特異な微小循環系と密接に関わっている.

***脾臓の位置と形 [#ub405773]
#ref(spleenpos.jpg,around,right,100%)
#ref(spleenbothside.png,around,right)
脾臓は1人一個で大人では左胸郭下第9-第11肋骨の高さにあり,胃の左後側で左腎と横隔膜の間に存在している。正常の脾臓はおとなでは触診できない。

脾臓の肉眼像(右図): 暗いあずき色の柔らかな臓器で, 大人の脾臓の重さは90から120g. &color(red){''200gをこえる脾臓は病的といえる''};。20歳から40歳までがもっとも大きく,年をとるとともに萎縮してゆく。大きくなって触れる脾臓を&color(red){''脾腫''};と呼ぶ.
(→[[脾腫をきたす疾患>Splenomegaly 脾腫をきたす疾患]])

脾臓の肉眼像(横隔膜面(左)臓側面(右)両側から見たところ)。成人の平均サイズは10cm×7cmで厚さは3cmほど。
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***脾臓の構造, 組織所見 [#r07009c7]

脾臓の割面を肉眼で見ると暗赤色の赤脾髄中に白色点状の白脾髄が散在している~
赤脾髄は脾洞と脾索から構成され赤血球を多く含む。白脾髄はリンパ小節でリンパ球の集蔟巣である。

赤色髄の構造はウィーンの外科医ビルロートTheodor Billroth(1826-94)によって明らかにされた. リンパ球の集合からなるリンパ組織である白色髄はM.マルピーギによって発見され,それにちなんでマルピーギ小体ともよばれる。

**&color(red){●};赤脾髄の構造 [#pc968c1f]
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#ref(spleen-red pulp-EMok.jpg,around,60%)
#ref(spleenZu03.jpg,around,left,85%)

赤脾髄red pulpは脾索(Billrothの索)と静脈洞から構成される. 

脾索; 静脈洞と静脈洞の間の領域で,相互に連結した細胞質突起を持つマクロファージの網目状構造を示す。マクロファージは,活発な貪食細胞の機能的および免疫学的特徴を示す。これらの細胞は,筋線維芽細胞やアドレナリン作動性神経線維を伴う網状線維を含む網状細胞の骨組み(細網組織)に支えられている。 細網組織は脾臓の最末梢血管流床であり, 筆網動脈末端から開放性に血球が流入する.

脾索細網組織には筆網動脈からの赤血球, 白血球, 血小板が充満し, マクロファージも多数混在している.

門脈性血管の始まりである静脈洞は特有な構造を有している. 静脈洞内皮細胞は形態より杆状細胞(リトラル細胞)とよばれ静脈洞の長軸方向に平行に配列している. ところどころ横突起を出し, 隣接する杆状内皮細胞と結合している.

静脈洞はちょうど「桶」のような構造をしており, 桶の板にあたる内皮細胞の外側を輪状線維(リングと呼ばれる)が桶の箍(たが)のように束ねている. (静脈洞透過電顕参照).

洞の外側には基底膜があるが横突起と横突起の間にはslitあるいはstomataとよばれる細長い間隙があって脾索と静脈洞を連絡している. 脾索内の赤血球はや白血球はこの間隙を抜けて静脈洞内に移動する.

洞の''内皮''は弱い貪食能を持つ。&color(blue){特発性門脈圧亢進症};では''内皮の貪食能が異常に高くなる''。脾洞と脾洞の間にある比較的幅のせまい脾索には''細網細胞''がネットワークをつくっており、その中にリンパ球、形質細胞、マクロファージが存在している。脾臓構造のイラスト参照(下)

動脈から脾臓に入ってくる血液は筆毛動脈→莢毛細血管→脾索毛細血管を通り、脾索やリンパ小節の細網細胞ネットワークに開放されいったん血管を出る(開放性血管)。その後脾洞の隙間から洞内に入り脾静脈に帰る。
脾臓の血液が閉鎖的循環か開放性の循環かは長い間論争されていたが, 現在は構造上、開放性であることがわかっている。

''赤脾髄HE像-- 脾洞、脾索の拡大像''

#ref(splenicsinus04.png,around,60%)
#ref(spleenRp03b.png,around,60%)
左図:赤脾髄の拡大像 1. 脾洞 2.脾索 が見られる。灌流固定で赤血球を除いている。~
右図:赤血球の残った部分。脾洞に入り込む赤血球が見える。~

赤脾髄に見られる T 細胞は,主に CD8 陽性の小リンパ球であり,動脈周囲リンパ鞘にはほとんど見られず,胚中心にはほとんど存在しない.ガンマデルタ T 細胞も通常,赤脾髄に存在します&note{11:Colovai A.I., Giatzikis C., Ho E.K., et. al.: Flow cytometric analysis of normal and reactive spleen. Mod Pathol 2004; 17: pp. 918-927.};. 
&color(#c9171e){''赤脾髄に見られる T 細胞は,主に CD8 陽性の小リンパ球''};であり,&color(#0000ff){''動脈周囲リンパ鞘にはほとんど見られず,胚中心にはほとんど存在しない''};.&color(#c9171e){''ガンマデルタ(γδ) T 細胞も通常,赤脾髄に存在する''};&note{11:Colovai A.I., Giatzikis C., Ho E.K., et. al.: Flow cytometric analysis of normal and reactive spleen. Mod Pathol 2004; 17: pp. 918-927.};. 

免疫グロブリンを含む B 細胞の分布は,リンパ節で見られるものとほぼ同じである. マントルゾーン B 細胞は,免疫グロブリン(Ig)M および IgD を共発現し,表面に免疫グロブリンを保有する. 辺縁帯 B 細胞は主に IgM を発現し,IgD を発現するのはごく少数。&br;
IgG の発現はこれらの領域では見られず,赤脾髄に散在する細胞に限定されており,そこではまれに IgA を含む細胞も見つかる。

赤脾髄には,単球マクロファージ系の細胞が多数存在しますが,白脾髄ではごくわずかしか見られない。

ナチュラルキラー(NK)細胞は,赤脾髄全体に散在しています。赤脾髄には,赤脾髄循環を一時的に通過する顆粒球,単球,リンパ球も存在します。

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クリックすると大きな画像が見られます。

**白脾髄の構造 [#w6203d06]
#ref(spleenA011.jpg,around,right,80%)
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白脾髄, 辺縁帯/周辺帯は脾臓のリンパ装置として機能する. 開放性末梢血管流床を介して伝達される免疫情報はこれらのリンパ装置で処理され効率よく免疫反応がおこる.

白脾髄 white pulpは中心動脈周囲に形成されているリンパ組織で, 動脈周囲リンパ鞘 periarteriolar lymphoid sheath(PALS)とリンパ濾胞(lymph follicles)の異なる2つの領域が識別される.

&color(red){脾動脈};は''脾柱''という結合組織を通って実質内に入るところから毛細血管に至るところまで、その周囲に&color(blue){''リンパ鞘''};(&color(blue){リンパ鞘=PALS/ peri-arterial lymphatic sheathの略)};が形成され、所々に''リンパ濾胞''が発達している. 濾胞内には''胚中心''が見られることが多い。胚中心の周りには暗調にそまる小型のリンパ球が''マントル層''を作って取り囲む。リンパ鞘もリンパ節の構造と同じく粗で不規則な細網線維からできたネットワークが骨格となっている。~
&color(blue){リンパ鞘はT細胞領域};で&color(green){リンパ濾胞はB細胞由来};です。PALSのT-cellsは''CD4+ cell > CD8+ T-cells''


''PALS, 動脈周囲リンパ鞘 periarteriolar lymphoid sheath''

-PALSはTリンパ球が中心動脈を鞘状に取り囲む領域で, ''リンパ節のparacortex(副皮質)に相当し胸腺依存性である''.  &color(#e60033){''Tリンパ球はCD4:CD8 = 3~5: 1とCD4陽性Tリンパ球が優位に存在する.''};

-Tリンパ球間にはinterdigitating cells(IDC)が介在し, 抗原提示に加えて, Tリンパ球の分化, 成熟に関与している.


''リンパ濾胞''

-リンパ濾胞は, PALS側方に連続して発達した結節状のリンパ組織. しばしば胚中心形成があり, リンパ節の二次リンパ小節に相当する, B細胞領域である.

-胚中心には, Bリンパ球に抗原提示を行う濾胞樹状細胞follicular dendritic cells(FDC)により形成されたmeshworkがあり, 中にcentrocyteやcentroblastsが認められる. リンパ球間にはtindible body macrophagesも散見される.

-胚中心を取り囲む小型Bリンパ球より構成される領域は暗殻で暗殻B細胞は, CD21+, BCL2+, CD10-, sIgM+, sIgD+, alkaline phosphatase-である.

-なお, 白脾髄には中心動脈から分岐した濾胞動脈が見られる. その循環系は閉鎖性である.


''辺縁帯/周辺帯 Marginal zone''

-辺縁帯/周辺帯は白脾髄と赤脾髄の間に位置し白脾髄を帯状に取り囲む領域で細網細胞により白脾髄と境されている.

-辺縁帯もB細胞領域であるが, sIgM+, sIgD-, alkaline phosphatase+で, 暗殻B細胞とは性状が異なっている. 

-辺縁帯には目の細かな網目状細網性構築が形成され, ヒトではこの細網性構築内に筆毛動脈末端が開放性に終わっている. ラットなど齧歯類では白脾髄と辺縁帯を境する細網細胞に接して辺縁洞がみられるがヒトではこのような構造は認められない.
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#gallery(left,nowrap){{

spllow01b.png
SpleenBarea04.jpg
SpleenBarea01.jpg
}}

辺縁帯 Marginal zone&note{:Piris MA, Arribas A, Mollejo M, Marginal zone lymphoma Seminars in Diagnostic Pathology 2011; 28: 135-145. };

正常な辺縁帯は脾臓で最初に報告され,正常な辺縁帯の細胞構成と機能に関する情報のほとんどは,マウスで行われた研究に由来する。

脾臓の辺縁帯は通常,よく発達した濾胞周囲領域であり,そろった/一様な核と一定量の透明な細胞質を持つ中型のリンパ球からなり,芽球が散在している。

脾臓の辺縁帯細胞は&color(#e60033){CD20+,CD79a+,IgM+,CD21+,アルカリホスファターゼ陽性};であるが, &color(#0000ff){CD23-,Bcl6-,IgD陰性または弱IgD+};である&note{:Weill JC, Weller S, Reynaud CA,  Human marginal zone B cells. Annu Rev Immunol 27:267-285, 2009};

最近,&color(#c9171e){''IRTA1とMNDA''};が辺縁帯細胞の選択的マーカーとして報告された.&note{:Falini B, Tiacci E, Pucciarini A, et al., Expression of the IRTA1receptor identifies intraepithelial and subepithelial marginal zone Bcells of the mucosa-associated lymphoid tissue (MALT). Blood 102:3684-3692, 20033.};&note{:Kanellis G, Roncador G, Arribas A, et al: Identification of MNDA asa new marker for nodal marginal zone lymphoma. Leukemia 23:1847-1857, 2009};

''胚中心が多数出現''しているときはなんらかの''抗原刺激''を受けたと考えられる.

''慢性感染症''がある人の脾臓や''特発性血小板減少性紫斑病''の人の脾臓では&color(blue){''胚中心''};が特に発達している. 一方で''自己免疫性溶血性貧血''では胚中心は少なく、''先天性球状赤血球症''ではほとんど見られない.

脾臓の辺縁帯の大きさと免疫表現型は,年齢や特定の病態によって変化する可能性がある。マージナルゾーンB細胞は,正常なリンパ節や扁桃腺(主に粘膜排出リンパ組織)でも報告されており,その免疫表現型や局在分布は脾臓のものと類似している。

変異IgVH遺伝子の解析により,&color(#e2041b){''marginal zone cellsのほとんどがメモリーB細胞である''};ことが証明されている&note{:Weill JC, Weller S, Reynaud CA,  Human marginal zone B cells. Annu Rev Immunol 27:267-285, 2009};。

脾臓のマージナルゾーンB細胞は,循環する免疫複合体を脾臓の濾胞に輸送し,濾胞樹状細胞の表面に沈着させる重要な役割を担っていることが報告されており,これはリンパ濾胞を取り囲むMZ B細胞の規則的な分布と一致している。

関連する亜集団は、いわゆる単球様B細胞monocytoid B-cellsである。これらの細胞はトキソプラズマ症や他の反応性リンパ節炎で報告されており,辺縁帯細胞で観察されるのと類似した類洞性分布を示すが,単球性B細胞は明瞭でより豊富な細胞質を有し,辺縁帯B細胞との表現型の違いが広く認識されている(最も特徴的なのはbcl2の発現がないことである)。

モノサイトイドB細胞の腫瘍性カウンターパートの存在は,これらの細胞に帰属する機能的役割と同様に,まだ解明されていないが,一部の結節性辺縁帯リンパ腫または粘膜関連リンパ組織(MALT)型の辺縁帯リンパ腫が浸潤したリンパ節では,モノサイトイドB細胞と顕著な類似性を有する細胞のクラスターを示す。辺縁帯細胞とは異なり,メモリーB細胞は単球様B細胞のごく一部である。

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