GIST with PDGFRA D842V mutation
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[[Wikipathologica-KDP]] [[GISTの診断と治療]] *PDGFRA--platelet derived growth factor receptor alpha [#s4121ea4] #br #ref(PDGFRA01.jpg,around,left,80%) ''PDGF受容体 PDGF receptor''¬e{:菅村和夫ほか編 サイトカイン・増殖因子 用語ライブラリー 2005; pp203-204, 羊土社 東京}; 血小板由来増殖因子PDGFの精製に続き, 受容体の検索が行われ, 1982年にチロシンキナーゼであることが判明した.1986年にPDGFβ受容体が, 1989年にPDGFα受容体のcDNAがクローニングされた. ヒト染色体では, ''α受容体遺伝子が4q11-12''に, ''β受容体遺伝子が5q31-32''に位置し, α受容体遺伝子近傍には&color(red){'''''c-Kit'''遺伝子''};が, β受容体遺伝子近傍には&color(red){'''''CSF-1'''(colony stimulating factor-1)受容体遺伝子''};が位置している. これら4種類の類似構造をもつ遺伝子群は, 祖先となる1つの遺伝子より進化したものと考えられている. α, β両受容体タンパク質は共に5個のイムノグロブリンドメインからなる細胞外領域と膜貫通領域をもち, 細胞内領域にはインサートにより二分された構造をもつチロシンキナーゼが存在する. PDGF受容体はリガンドとの結合により二量体化し, 細胞内領域のチロシンキナーゼ活性が上昇して, 受容体チロシン残基に自己リン酸化がもたらされ, 種々の標的SH2タンパク質がここに結合する. PDGF受容体タンパク質の局在は細胞膜とされている.¬e{:https://www.uniprot.org/uniprot/P16234#family_and_domains}; #clear ***GIST(gastrointestinal stromal tumor) with PDGFR mutations [#c13d27f1] #ref(PDGFRA_GIST.jpg,around,right,80%) >PDGFRA変異をもつGISTの頻度は, 全GISTの''5~10%''と多くない. &color(crimson){ほとんどが胃に発生する.}; >組織学的には&color(crimson){類上皮様細胞epithelioid cells の増殖を示し, 間質にしばしば粘液腫変化を伴う};. >''一般的には再発が少なく, 予後は良好である.'' #br >PDGFRA遺伝子の変異は''exon12, exon14, exon18''に変異が存在する(c-kitのexon11, exon13, exon17に相当する) >''最も多い変異はexon18, 特にD842Vが多い''. (c-kit遺伝子のD816Vに相当する.) >2005年のCorless CLらの報告¬e{Corless:Corless CL, et al. PDGFRA mutations in gastrointestinal stromal tumors: frequency, spectrum and in vitro sensitivity to imatinib. J Clin Oncol. 2005 Aug 10;23(23):5357-64.};までに彼らの症例を入れて, 289例のPDGFRA変異GISTの報告があり, ''181(62.6%)例がイマチニブ抵抗性のD842V変異を持っていた''. > -D842V, RD841-842KI, DI842-843IMは&color(red){imatinib抵抗性. ''D842Vはほぼ無効.''}; >しかし, &color(crimson){約1/3のPDGFRA変異陽性症例では,imatinibに効果を示し, 変異のスクリーニングは治療方針決定に有用である};¬e{Corless:Corless CL, et al. PDGFRA mutations in gastrointestinal stromal tumors: frequency, spectrum and in vitro sensitivity to imatinib. J Clin Oncol. 2005 Aug 10;23(23):5357-64.};. > -D842変異でも''D842Yはimatinib効果あり''. #br -その他の''exon18変異, N848K, Y849K, HDSN845-848P''もimatinibに対して感受性があった. #br #br ***Case presentation [#n0ede570] 胃粘膜下腫瘤 //IWT-H1800091 類円形核をもつ多稜形の上皮様細胞がシート状密に増殖している. &color(blue){''増殖細胞は, c-KIT, CD34は陰性.''}; #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ HE01.jpg>HE HE02.jpg>HE c-KIT01.jpg>c-KIT CD34-01.jpg>CD34 }} #gallery(left,nowrap,noadd){{ PDGFRA02.jpg>PDGFRA DOG1.jpg>DOG1 SMA.jpg>SMA }} PDGFRAが腫瘍細胞のゴルジ野にdot状の陽性を示している.本来はPDGFRAは膜に存在しているが, 変異PDGFRAタンパク質はこのような異常パターンを示すといわれている¬e{:Agaimy A, et al Value of epithelioid morphology and PDGFRA immunostaining pattern for prediction of PDGFRA mutated genotype in gastrointestinal stromal tumors (GISTs). Int J Clin Exp Pathol. 2013 Aug 15;6(9):1839-46. PMID:24040448}; DOG1はmutant PDGFRA GISTでもびまん性に陽性となる. #br #br #ref(PDGFRA_D842Vmutation.jpg,around,left,80%) PDGFRA, exon18のsanger法によるdirect sequencing
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[[Wikipathologica-KDP]] [[GISTの診断と治療]] *PDGFRA--platelet derived growth factor receptor alpha [#s4121ea4] #br #ref(PDGFRA01.jpg,around,left,80%) ''PDGF受容体 PDGF receptor''¬e{:菅村和夫ほか編 サイトカイン・増殖因子 用語ライブラリー 2005; pp203-204, 羊土社 東京}; 血小板由来増殖因子PDGFの精製に続き, 受容体の検索が行われ, 1982年にチロシンキナーゼであることが判明した.1986年にPDGFβ受容体が, 1989年にPDGFα受容体のcDNAがクローニングされた. ヒト染色体では, ''α受容体遺伝子が4q11-12''に, ''β受容体遺伝子が5q31-32''に位置し, α受容体遺伝子近傍には&color(red){'''''c-Kit'''遺伝子''};が, β受容体遺伝子近傍には&color(red){'''''CSF-1'''(colony stimulating factor-1)受容体遺伝子''};が位置している. これら4種類の類似構造をもつ遺伝子群は, 祖先となる1つの遺伝子より進化したものと考えられている. α, β両受容体タンパク質は共に5個のイムノグロブリンドメインからなる細胞外領域と膜貫通領域をもち, 細胞内領域にはインサートにより二分された構造をもつチロシンキナーゼが存在する. PDGF受容体はリガンドとの結合により二量体化し, 細胞内領域のチロシンキナーゼ活性が上昇して, 受容体チロシン残基に自己リン酸化がもたらされ, 種々の標的SH2タンパク質がここに結合する. PDGF受容体タンパク質の局在は細胞膜とされている.¬e{:https://www.uniprot.org/uniprot/P16234#family_and_domains}; #clear ***GIST(gastrointestinal stromal tumor) with PDGFR mutations [#c13d27f1] #ref(PDGFRA_GIST.jpg,around,right,80%) >PDGFRA変異をもつGISTの頻度は, 全GISTの''5~10%''と多くない. &color(crimson){ほとんどが胃に発生する.}; >組織学的には&color(crimson){類上皮様細胞epithelioid cells の増殖を示し, 間質にしばしば粘液腫変化を伴う};. >''一般的には再発が少なく, 予後は良好である.'' #br >PDGFRA遺伝子の変異は''exon12, exon14, exon18''に変異が存在する(c-kitのexon11, exon13, exon17に相当する) >''最も多い変異はexon18, 特にD842Vが多い''. (c-kit遺伝子のD816Vに相当する.) >2005年のCorless CLらの報告¬e{Corless:Corless CL, et al. PDGFRA mutations in gastrointestinal stromal tumors: frequency, spectrum and in vitro sensitivity to imatinib. J Clin Oncol. 2005 Aug 10;23(23):5357-64.};までに彼らの症例を入れて, 289例のPDGFRA変異GISTの報告があり, ''181(62.6%)例がイマチニブ抵抗性のD842V変異を持っていた''. > -D842V, RD841-842KI, DI842-843IMは&color(red){imatinib抵抗性. ''D842Vはほぼ無効.''}; >しかし, &color(crimson){約1/3のPDGFRA変異陽性症例では,imatinibに効果を示し, 変異のスクリーニングは治療方針決定に有用である};¬e{Corless:Corless CL, et al. PDGFRA mutations in gastrointestinal stromal tumors: frequency, spectrum and in vitro sensitivity to imatinib. J Clin Oncol. 2005 Aug 10;23(23):5357-64.};. > -D842変異でも''D842Yはimatinib効果あり''. #br -その他の''exon18変異, N848K, Y849K, HDSN845-848P''もimatinibに対して感受性があった. #br #br ***Case presentation [#n0ede570] 胃粘膜下腫瘤 //IWT-H1800091 類円形核をもつ多稜形の上皮様細胞がシート状密に増殖している. &color(blue){''増殖細胞は, c-KIT, CD34は陰性.''}; #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ HE01.jpg>HE HE02.jpg>HE c-KIT01.jpg>c-KIT CD34-01.jpg>CD34 }} #gallery(left,nowrap,noadd){{ PDGFRA02.jpg>PDGFRA DOG1.jpg>DOG1 SMA.jpg>SMA }} PDGFRAが腫瘍細胞のゴルジ野にdot状の陽性を示している.本来はPDGFRAは膜に存在しているが, 変異PDGFRAタンパク質はこのような異常パターンを示すといわれている¬e{:Agaimy A, et al Value of epithelioid morphology and PDGFRA immunostaining pattern for prediction of PDGFRA mutated genotype in gastrointestinal stromal tumors (GISTs). Int J Clin Exp Pathol. 2013 Aug 15;6(9):1839-46. PMID:24040448}; DOG1はmutant PDGFRA GISTでもびまん性に陽性となる. #br #br #ref(PDGFRA_D842Vmutation.jpg,around,left,80%) PDGFRA, exon18のsanger法によるdirect sequencing
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