Langerhans cell histiocytosis
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[[Langerhans cell sarcoma]] *Langerhans cell histiocytosis [#ra1533dd] ***''Langerhans cell histiocytosis症例01''[#e297b527] 0歳女児 皮膚に1mm大の丘疹が多発, びらんを伴っている.肝脾腫あり #gallery(left,nowrap,noadd){{ LCHmacro.jpg>腹部皮膚皮疹 LHCHmacro02.jpg>皮疹拡大像 }} #clear #br ***皮膚組織所見 [#s3ba92a1] #gallery(left,nowrap,noadd){{ LCH01.jpg LangerhansHE01.png LCHhigh.jpg LangerhansCD1a.png>CD1a LangerhansS100.png>S100 }} ***症例01のVirtual slide [#u67efc76] [[ヴァーチャルスライドを見る:http://210.225.236.18:8080/NDPServe.dll?ViewItem?ItemID=100]]''←''右クリックで新しいウインドウで見ると便利です。 病理組織診断:''Langerhans cell histiocytosis, multifocal multisysem disease'' **Langerhans cell histiocytosis [#ecf66436] ***現在のLangerhans細胞組織球症 LCHの分類 [#pf2713d2] 現在はhistiocytosis Xの病名で呼ばずに, LCHと診断して, ''1. uniforcal disease, 2. multifocal unisystem disease, 3. multifocal multisystem disease''の3病型に分ける。2.はHand-Schueller-Christian病に相当し3.はLetterer-Siwe病にあたる。 ||CENTER:病型|CENTER:好発年齢|CENTER:頻度|CENTER:初発臓器|CENTER:臨床症状| |CENTER:1|CENTER:Unifocal disease|CENTER:5歳~|CENTER:65%|CENTER:骨が90%, その他リンパ節, 肺、皮膚など|CENTER:腫瘤, 骨痛, 無症状も多い| |CENTER:2|CENTER:Multifocal unisystem disease|CENTER:3歳未満|CENTER:30%|CENTER:骨が60%以上, その他リンパ節, 肺, 皮膚など|CENTER:腫瘤, 骨痛, 尿崩症, 低身長| |CENTER:3|CENTER:Multifocal multisystem disease|CENTER:1歳未満|CENTER:5%|CENTER:多臓器, 骨, 皮膚, 肝, 脾, リンパ節|CENTER:皮疹, 発熱, 肝脾腫, リンパ節腫大| ''multifocal unisystem disease(= Hand-Schueller-Christian病)''~ ほとんどの症例が骨に多発病変を形成し50%は頭蓋骨へ浸潤をきたして眼球突出, 尿崩症, 歯牙欠損などを呈する。 ''multifocal multisystem disease(=Letterer-Siwe病) ''~ 多臓器に浸潤し発熱,pancytopeniaなど全身症状が強い Lieberman,P.H.et al, Am J Surg Pathol 20:519-552, 1996 ***Langerhans cell histiocytosisの歴史--histiocytosis X [#g3778794] 1953年, Lichtensteinは異なった疾患とされていたLetterer-Siwe病, Hand-Schueller-Christian病, 骨の好酸球性肉芽腫症の3疾患を組織球増殖性疾患とみなし, 単一の疾患の異なった病相であるとの観点から統括してhistiocytosis Xとした(X はいずれも原因が不明であるという意味)。 ***histiocytosis X [#c86fa468] --Letterer-Siwe病 --Hand-Schueller-Christian病 --好酸球性肉芽腫症 ( eosinophilic granuloma) 3疾患とも典型例では好発年齢,臨床症状,経過, 病理組織像が著しく異なる。1970年代になりこれらの疾患に共通して増殖する細胞はLangerhans細胞であることが明らかになり&color(blue){現在では''Langerhans細胞組織球症Langerhans cell histiocytosis''};と呼ばれる ''Letterer-Siwe病'' -新生児, おそくとも一歳までに発症する -皮疹, 肝脾腫, 系統的リンパ節腫大, 貧血が認められる -多くは急速に進行し, 予後不良で未治療の場合死の転帰をとる -組織ではLangerhans細胞の性状を示す増殖細胞が肝, 脾, 骨髄やリンパ節, 胸腺, 扁桃などのリンパ組織または皮膚にびまん性に増殖する。実質細胞は減少し, 胸腺は萎縮する。 ''Hand-Schueller-Christian病'' -青少年期に発症 -眼球突出, 尿崩症, 地図状頭蓋が3徴候 -遷延性の経過をとり予後は比較的良好 -骨髄に病変が強い -系統的に骨を侵し, 脳下垂体周囲や後眼窩部に多い -皮膚結合組織にも病変がみられる -Langerhans細胞増殖で初発する -ついでコレステロールエステルを多量蓄積した泡沫細胞が出現 -線維芽細胞の増殖が加わり, 黄色肉芽腫病変を形成して組織を破壊する ''骨の好酸球性肉芽腫'' -成人に多く, 高壮年に好発 -多くは単発性に骨を侵し, 骨質を破壊する。 -予後は良好で自然治癒することもある -Langerhans細胞の増殖と好酸球, リンパ球, 形質細胞などの炎症細胞浸潤が見られる **''Langerhans 細胞'' [#p1ac09c0] #ref(Paul_Langerhans.jpg,around,80%) 1868年Paul Langerhans((膵臓のランゲルハンス島を発見したランゲルハンスと同じ人。独の病理医,生物学者))がヒト皮膚表皮内に樹状突起を持つ細胞が存在することを報告した。 現在この細胞は貪食能に乏しく,T細胞に抗原提示をする能力をもつ細胞であることがわかっている。貪食をおもな仕事とする組織球とは異なる細胞群であり,疾患名の「組織球症」はマクロファージ増殖症との混乱をまねく。 &color(red){''Langerhans細胞組織球症は組織球増殖疾患ではなく, T細胞関連樹状細胞増殖症です。''};-->と記載してきたが、これはまだ結論のついていない問題のようだ(2017,7月) #br Langerhans細胞はマクロファージか樹状細胞か? ¬e{:川村龍吉 ランゲルハンス細胞 -マクロファージか樹状細胞か 組織マクロファージ 医学のあゆみ 2016; 259(5): 436-440}; #clear **LCHの細胞像と免疫染色 [#yef5f86e] 増殖細胞は単核性で核は切れ込み,ひだ,捻じれを示す他, 分葉状, グローブ状のこともある。細胞質は好酸性。細胞異型をみることもあるが通常は異型がない。核分裂像は病変によりさまざま。~ [[Langerhans cell histiocytosis]]症例アトラスを見る 増殖細胞は''Birbeck顆粒''をもつが検出頻度は症例,病変により異なり正常Langerhans細胞のものとは超微形態が異なるといわれる。 ''CD1a''~ CD1は2群に分けられる5つのアイソタイプがある。第1群はCD1a, CD1b, CD1cであり, Langerhans cell, リンパ節および皮膚の樹状細胞, mantle zone B細胞, サイトカイン活性化単球などに局在。 これらは全て抗原提示細胞となりうる細胞。~ CD1aはTCR(-)の未熟な胸腺皮質T細胞の抗原. DP, SPの皮質T細胞にみられるが, CD1a陽性では, PHAやIL-2などに反応して増殖することのない未熟な細胞で, これがTCR陽性となり, MHCと接触しpositive選択により成熟するとPHA, IL-2に対する反応性を獲得する代わりにCD1a陰性となる。((Res P et al. Downregulation of CD1 marks acquisition of functionalmaturation of human thymocytes and defines a control point in late stages of human T cell development. J Exp Med., 185: 141-151, 1997)) ''Langerin(CD207)''~ Birbeck顆粒のマーカで, Birbeck顆粒に局在する. 皮膚表皮,粘膜の未熟なdendritic cellであるLangerhans cellに発現する &color(#912cee){■};リンク [[日本ランゲンルハンス細胞組織球症研究グループ:http://www.jlsg.jp/main.html]]--1996年6月に本邦における小児LCHの最適な治療を確立することを目的として、LCHに関心のある全国の小児科医が集まりJapan LCH study group (JLSG)を立ち上げ、グループスタディを開始しています。
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[[Langerhans cell sarcoma]] *Langerhans cell histiocytosis [#ra1533dd] ***''Langerhans cell histiocytosis症例01''[#e297b527] 0歳女児 皮膚に1mm大の丘疹が多発, びらんを伴っている.肝脾腫あり #gallery(left,nowrap,noadd){{ LCHmacro.jpg>腹部皮膚皮疹 LHCHmacro02.jpg>皮疹拡大像 }} #clear #br ***皮膚組織所見 [#s3ba92a1] #gallery(left,nowrap,noadd){{ LCH01.jpg LangerhansHE01.png LCHhigh.jpg LangerhansCD1a.png>CD1a LangerhansS100.png>S100 }} ***症例01のVirtual slide [#u67efc76] [[ヴァーチャルスライドを見る:http://210.225.236.18:8080/NDPServe.dll?ViewItem?ItemID=100]]''←''右クリックで新しいウインドウで見ると便利です。 病理組織診断:''Langerhans cell histiocytosis, multifocal multisysem disease'' **Langerhans cell histiocytosis [#ecf66436] ***現在のLangerhans細胞組織球症 LCHの分類 [#pf2713d2] 現在はhistiocytosis Xの病名で呼ばずに, LCHと診断して, ''1. uniforcal disease, 2. multifocal unisystem disease, 3. multifocal multisystem disease''の3病型に分ける。2.はHand-Schueller-Christian病に相当し3.はLetterer-Siwe病にあたる。 ||CENTER:病型|CENTER:好発年齢|CENTER:頻度|CENTER:初発臓器|CENTER:臨床症状| |CENTER:1|CENTER:Unifocal disease|CENTER:5歳~|CENTER:65%|CENTER:骨が90%, その他リンパ節, 肺、皮膚など|CENTER:腫瘤, 骨痛, 無症状も多い| |CENTER:2|CENTER:Multifocal unisystem disease|CENTER:3歳未満|CENTER:30%|CENTER:骨が60%以上, その他リンパ節, 肺, 皮膚など|CENTER:腫瘤, 骨痛, 尿崩症, 低身長| |CENTER:3|CENTER:Multifocal multisystem disease|CENTER:1歳未満|CENTER:5%|CENTER:多臓器, 骨, 皮膚, 肝, 脾, リンパ節|CENTER:皮疹, 発熱, 肝脾腫, リンパ節腫大| ''multifocal unisystem disease(= Hand-Schueller-Christian病)''~ ほとんどの症例が骨に多発病変を形成し50%は頭蓋骨へ浸潤をきたして眼球突出, 尿崩症, 歯牙欠損などを呈する。 ''multifocal multisystem disease(=Letterer-Siwe病) ''~ 多臓器に浸潤し発熱,pancytopeniaなど全身症状が強い Lieberman,P.H.et al, Am J Surg Pathol 20:519-552, 1996 ***Langerhans cell histiocytosisの歴史--histiocytosis X [#g3778794] 1953年, Lichtensteinは異なった疾患とされていたLetterer-Siwe病, Hand-Schueller-Christian病, 骨の好酸球性肉芽腫症の3疾患を組織球増殖性疾患とみなし, 単一の疾患の異なった病相であるとの観点から統括してhistiocytosis Xとした(X はいずれも原因が不明であるという意味)。 ***histiocytosis X [#c86fa468] --Letterer-Siwe病 --Hand-Schueller-Christian病 --好酸球性肉芽腫症 ( eosinophilic granuloma) 3疾患とも典型例では好発年齢,臨床症状,経過, 病理組織像が著しく異なる。1970年代になりこれらの疾患に共通して増殖する細胞はLangerhans細胞であることが明らかになり&color(blue){現在では''Langerhans細胞組織球症Langerhans cell histiocytosis''};と呼ばれる ''Letterer-Siwe病'' -新生児, おそくとも一歳までに発症する -皮疹, 肝脾腫, 系統的リンパ節腫大, 貧血が認められる -多くは急速に進行し, 予後不良で未治療の場合死の転帰をとる -組織ではLangerhans細胞の性状を示す増殖細胞が肝, 脾, 骨髄やリンパ節, 胸腺, 扁桃などのリンパ組織または皮膚にびまん性に増殖する。実質細胞は減少し, 胸腺は萎縮する。 ''Hand-Schueller-Christian病'' -青少年期に発症 -眼球突出, 尿崩症, 地図状頭蓋が3徴候 -遷延性の経過をとり予後は比較的良好 -骨髄に病変が強い -系統的に骨を侵し, 脳下垂体周囲や後眼窩部に多い -皮膚結合組織にも病変がみられる -Langerhans細胞増殖で初発する -ついでコレステロールエステルを多量蓄積した泡沫細胞が出現 -線維芽細胞の増殖が加わり, 黄色肉芽腫病変を形成して組織を破壊する ''骨の好酸球性肉芽腫'' -成人に多く, 高壮年に好発 -多くは単発性に骨を侵し, 骨質を破壊する。 -予後は良好で自然治癒することもある -Langerhans細胞の増殖と好酸球, リンパ球, 形質細胞などの炎症細胞浸潤が見られる **''Langerhans 細胞'' [#p1ac09c0] #ref(Paul_Langerhans.jpg,around,80%) 1868年Paul Langerhans((膵臓のランゲルハンス島を発見したランゲルハンスと同じ人。独の病理医,生物学者))がヒト皮膚表皮内に樹状突起を持つ細胞が存在することを報告した。 現在この細胞は貪食能に乏しく,T細胞に抗原提示をする能力をもつ細胞であることがわかっている。貪食をおもな仕事とする組織球とは異なる細胞群であり,疾患名の「組織球症」はマクロファージ増殖症との混乱をまねく。 &color(red){''Langerhans細胞組織球症は組織球増殖疾患ではなく, T細胞関連樹状細胞増殖症です。''};-->と記載してきたが、これはまだ結論のついていない問題のようだ(2017,7月) #br Langerhans細胞はマクロファージか樹状細胞か? ¬e{:川村龍吉 ランゲルハンス細胞 -マクロファージか樹状細胞か 組織マクロファージ 医学のあゆみ 2016; 259(5): 436-440}; #clear **LCHの細胞像と免疫染色 [#yef5f86e] 増殖細胞は単核性で核は切れ込み,ひだ,捻じれを示す他, 分葉状, グローブ状のこともある。細胞質は好酸性。細胞異型をみることもあるが通常は異型がない。核分裂像は病変によりさまざま。~ [[Langerhans cell histiocytosis]]症例アトラスを見る 増殖細胞は''Birbeck顆粒''をもつが検出頻度は症例,病変により異なり正常Langerhans細胞のものとは超微形態が異なるといわれる。 ''CD1a''~ CD1は2群に分けられる5つのアイソタイプがある。第1群はCD1a, CD1b, CD1cであり, Langerhans cell, リンパ節および皮膚の樹状細胞, mantle zone B細胞, サイトカイン活性化単球などに局在。 これらは全て抗原提示細胞となりうる細胞。~ CD1aはTCR(-)の未熟な胸腺皮質T細胞の抗原. DP, SPの皮質T細胞にみられるが, CD1a陽性では, PHAやIL-2などに反応して増殖することのない未熟な細胞で, これがTCR陽性となり, MHCと接触しpositive選択により成熟するとPHA, IL-2に対する反応性を獲得する代わりにCD1a陰性となる。((Res P et al. Downregulation of CD1 marks acquisition of functionalmaturation of human thymocytes and defines a control point in late stages of human T cell development. J Exp Med., 185: 141-151, 1997)) ''Langerin(CD207)''~ Birbeck顆粒のマーカで, Birbeck顆粒に局在する. 皮膚表皮,粘膜の未熟なdendritic cellであるLangerhans cellに発現する &color(#912cee){■};リンク [[日本ランゲンルハンス細胞組織球症研究グループ:http://www.jlsg.jp/main.html]]--1996年6月に本邦における小児LCHの最適な治療を確立することを目的として、LCHに関心のある全国の小児科医が集まりJapan LCH study group (JLSG)を立ち上げ、グループスタディを開始しています。
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