Testicular involvement of T-lymphoblastic lymphoma
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[[Primary testicular lymphoma]] [[To End>#piyo]] *Primary testicular T-LBL ? or Testicular involvement of T-lymphoblastic lymphoma? [#z34aba18] //H2005461 30歳代男性 無痛性精巣腫大で泌尿器科受診. 画像診断では, 左精巣最大径4.5cmの腫瘤で縦隔リンパ節転移が疑われた. 左高位精巣摘除術をうける. Hb 14.6g/dl, RBC 476x10SUP{SIZE(8){4}}/μl, Ht41.5% WBC 6700/μl, Seg 63%, Eo2.1%, Ba 1.3%, Mo5.8%, Ly27.8% blastの増加なし.~ LDH 150 U/l(WNL). #gallery(left,nowrap,noadd){{ testiculartumor.jpg>testicular tumor mediastinum01.jpg mediastinum02.jpg mediastinum03.jpg }} 前縦隔や右心横隔膜角部に不定形, 不均一でべたっとした腫瘤状軟部濃度域を認める. 節外浸潤を伴ったリンパ節転移の可能性を考える.~ 画像: 左精巣腫瘤. 縦隔リンパ節転移疑い. #br ''睾丸腫瘤マクロ, loupe像'' (サムネイル像のクリックで大きな画像がみられます) #gallery(left,nowrap,noadd){{ orchitectomy01.jpg orchiectomy02.jpg testis-cut.jpg testis-loupe02.jpg>HE loupe像 tumor in tunica.jpg>白膜内リンパ増殖像(Bの部分) }} loupe像では, 腫瘍細胞が髄様密に浸潤増殖する部位と, 精細管をスペアするように管間に腫瘍細胞が浸潤する部分(右端図 A)がある. 切り出し図とは天地を逆にした右端図では, 髄様密な部分は白膜内で増殖するリンパ腫瘤(B)であることがわかる. 精巣上体の一部に浸潤がみられる(C) #br ''精巣病理組織所見'' #gallery(left,nowrap,noadd){{ in_testis.jpg>精巣実質 periductule.jpg LEL-like lesion.jpg>lympho-tubular lesion testis-hpf.jpg>精巣実質 x400 }} loupe像Aの領域: 精細管をスペアするように, 小型リンパ球優位, 一部中型のlymphoid cellsがシート状密に浸潤増殖する. tubulesのほとんどにはlymphoid cellsが浸潤していないが, LELに似たようなlympho-tubular lesionが少数認められた. x400高倍率では, 増殖細胞は, 粗く, 凝集したクロマチンをもつ類円形, non-cleavedな核をもつ細胞質の乏しいlymphoid cellsである. 核小体か凝集したクロマチンかわかりにくい. #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ tunica_involvement.jpg>白膜内リンパ増殖 in_tunica.jpg>白膜内リンパ増殖 in_tunica-mpf.jpg>白膜内リンパ増殖 x200 in_tunica-hpf.jpg>白膜内リンパ増殖 x400 }} 白膜には密に腫瘍性リンパ球が浸潤増殖し, 肥厚, 一部は上図loupe像のように, 腫瘤を形成している. 浸潤リンパ球は精巣実質内よりも, やや大きく, 多稜形, くびれのある核をもち, クロマチンは淡明で核小体が明瞭になってきている. #br ''精巣上体, 精巣周囲脂肪織への浸潤, 精巣実質, 白膜の非浸潤部'' #gallery(left,nowrap,noadd){{ epidydimis.jpg>精巣上体への浸潤 non-infiltration.jpg>精巣実質,白膜 非浸潤部 }} ''T-ALL/LBLの細胞所見: ''¬e{Borowitz:Borowitz MJ, Chan JKC, Bene MC, et al. T-lymphoblastic leukaemia/lymphoma. In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, eds. WHO Classification of Tumors. WHO Classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues. rev. 4th ed. Lyon: IARC; 2017. pp209-212.}; &aname(nyao); -細胞形態(smear): &color(#d3381c){核クロマチンが強く凝縮し、明らかな核小体の見えない小リンパ芽球から、クロマチンが細かく分散し, 核小体が比較的明瞭な大きな芽球まで, 細胞像には, かなりの幅が存在する};。核は丸いものから不規則に入り組んだものまでさまざま. 細胞質空胞が存在することもある。 -T-ALL の芽球は、&color(#c9171e){''より成熟したリンパ球に類似していることがある''};. このような場合、mature(peripheral) T-cell leukaemiaとの鑑別のために免疫表現型の検討が必要となる. -骨髄切片/組織では、リンパ芽球細胞は, 高N:C比、薄い核膜、細かい点状のクロマチンを示し、核小体は目立たない.&br; mitosisの数はB-ALLよりもT-ALLが多いと報告されている. -T-ALL/T-LBLでは、一般にリンパ節構造が完全に消失し、被膜に浸潤していることが確認される。副皮質に部分的に病変が生じ、胚中心が温存されることもある. 時に、線維性骨格の伸展により、濾胞性リンパ腫に類似した多結節性パターンが生じることがある。 -T-LBLでは核小体や細胞質はあまり目立たないが、starry-sky appearanceが見られ、バーキットリンパ腫を模倣することがある。芽球の核は丸いものと畳み込まれたものがある。有糸分裂はしばしば多数存在する。 -胸腺では、胸腺実質の広範な置換と周囲の線維脂肪組織への浸透性浸潤が見られる。 -組織学的にT-LBLで、リンパ腫細胞の中に好酸球が有意に浸潤している症例は、好酸球増加、骨髄性過形成、FGFR1遺伝子に関わる8p11.2型染色体異常が関連している可能性がある. #gallery(left,nowrap,noadd){{ CD3 のコピー.jpg>CD3 CD20 のコピー.jpg>CD20 CD5 のコピー.jpg>CD5 CD7 のコピー.jpg>CD7 }} #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ CD4 のコピー.jpg>CD4 CD8 のコピー.jpg>CD8 CD10 のコピー.jpg>CD10 PD-1 のコピー.jpg>PD-1 }} #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ CD30.JPG>CD30 granzymeB のコピー.jpg>granzyme B CD56 のコピー.jpg>CD56 c-KIT のコピー.jpg>c-KIT(CD117) }} ''Immunophenotype of T-ALL/ LBL''¬e{Borowitz:Borowitz MJ, Chan JKC, Bene MC, et al. T-lymphoblastic leukaemia/lymphoma. In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, eds. WHO Classification of Tumors. WHO Classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues. rev. 4th ed. Lyon: IARC; 2017. pp209-212.}; -TdTは通常陽性. -TdT, CD34に加えて, CD99と CD1a陽性はT-lymphoblastsの前駆細胞の性質を確認するのに役立つ. -CD7, cCD3 は通常陽性となる. -CD1a, CD2, surface CD3 (dim), CD4, CD5, CD8は種々の程度に発現する. -T-ALL はしばしば, CD4とCD8の double positive となる. またCD10が陽性になる --CD4,CD8 double positiveはT-prolymphocytic leukaemiaでも認められる. CD10もPTCL(第一にはAITL)に陽性となることに注意. -cytoplasmic CD3 のみがT-cell lineage特異的なマーカである. -MPO, lysozymeは発現しない. CD13+, CD33+, CD13,CD33 both+ (19-32%). myeloid marker発現はT-ALL/LBLの診断を否定できない. &br; また,myeloid mraker発現があるからといって, T/myeloid mixed phenotype acute leukaemiaと診断してもいけない. -CD79a+ (10%の症例). -まれにc-KIT(CD117)+; FLT3の活性化変異に関連する. //核クロマチンが非常に凝縮し、明らかな核小体がない小さなリンパ芽球から、クロマチンが細かく分散し、核小体が比較的顕著な大きな芽球まで、かなりの大きさの範囲が存在する。 //核は丸いものから不規則なもの、入り組んだものまで様々である。細胞質空胞が存在することもある。 //T-ALL の芽球は、成熟したリンパ球に類似していることがあります。このような場合、成熟(末梢)T細胞白血病との鑑別のために免疫表現型の研究が必要となることがあります。 ''病理組織診断'' 最初の診断: Primary testicular lymphoma; Peripheral T-cell lymphoma, NOS ? 細胞形態に惑わされてしまった. T-LBLの細胞はもっと幼若な形態を示すと思い込んでいた([[Blue bookに成熟細胞の形態があると書いてあった!!>#nyao]])ため, 精巣実質浸潤T-cellをmature T-cellと考えてしまった. 臨床科からはホルマリン固定標本が提出され, FCM, 核型検査が行えていなかった. &color(#c9171e){''CD4, CD8 double positive''};はPTCL,NOSとして一般的ではないが, 腫瘍T-cellのabberant expressionかと考えた. AITLでdouble positveのminor componentがあるらしい¬e{:Kanderi T., et al. Angioimmunoblastic T-cell Lymphoma: An Unusual Case in an Octogenarian Cureus 2020;12(2):e6956. PMID: 32190506};.~ CD10はPD-1, BCL6がうっすらと染まったため, follicular helper T-cellのphenotype?とした. CD8陽性細胞はcytotoxic molecules陰性で幼若な状況と考えず, 異常なCD8と推察した. 画像診断で縦隔病変があるが, リンパ節転移とされ, 胸腺病変でないこともLBLを考えるに至らなかった. 骨髄はinvolvementなしであった. リンパ腫は精巣腫瘍の5%、その中で PTCLはtesticular lymphomaとしては激しくまれ, LBLは報告はあるがかなりなレア度である. #br ''治療経過と修正組織診断'' Pathological DiagnosisよりWHO 4th分類 PTCL-NOS, Ann Arbor分類 Stage3-4Aと診断. 精巣T細胞リンパ腫は非常にまれで確立された治療法はなく, B細胞性精巣原発リンパ腫に準じて CHOP8コース, 髄注4コース, 対側精巣への放射線照射がおこなわれた. 発症より10ヵ月後, PET-CTでCRが確認された. #br 発症1年後(CR確認より2ヵ月後), 左眼球運動障害を発症, CNSについてMRI検査は有意な所見にとぼしかったが, 左上腕, 前腕にリンパ節腫大が認められた.1ヵ月後腫瘤が増大し, 左肘窩リンパ節生検を施行. また髄液検査でリンパ腫細胞が確認された. #br &aname(piyo); ''左肘窩リンパ節生検組織'' #gallery(left,nowrap,noadd){{ arm-HE01.jpg>HE arm-HE02.jpg>x200 HE arm-HE03.jpg>x400 HE arm-HE04.jpg>x400 HE }} #br #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ arm-CD3.jpg>CD3 arm-CD4.jpg>CD4 arm-CD8.jpg>CD8 arm-BCL2.jpg>BCL2 }} #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ arm-TdT.jpg>TdT arm-CD99.jpg>CD99(MIC2) arm-CD34.jpg>CD34 arm-CD117.jpg>CD117(c-KIT) }} #br 左肘窩リンパ節は正常構造を消失. 類円形の繊細なクロマチンをもつ,核小体の明瞭な核をもつN/C比大の細胞が密に増殖している. 精巣の成熟したリンパ球とは核所見が異なる(白膜増殖部には類似の細胞が認められていた). FCMで&color(#d3381c){''TdT陽性細胞が多数''};. 免疫染色ではCD3+, CD4+, CD8+, BCL2+. TdT+, CD99(MIC2)+, CD34-, CD117(c-KIT)-であった. 左肘窩リンパ節の病理診断は T-lymphoblastic lymphoma(T-LBL)になる. 1年後の再発で, 精巣リンパ腫と異なったものが発症するとは考えにくく, 精巣病変にTdT, CD99, CD34, CD117を追加染色した. #gallery(left,nowrap,noadd){{ FCM-CD4-CD8.jpg>FCM FCM-TdT-maru.jpg>FCM-TCRs TdT-testisOK.jpg>TdT- testis CD99-testisOK.jpg>CD99(MIC2)-testis }} FCMは左肘窩リンパ節. TCRはαβは発現していない. γδも15%ほどだけに出現している. TdTが97%陽性を示す. 睾丸病変でTdT, CD99(MIC2)を染色すると強陽性となった. 睾丸のT-LBLは成熟したリンパ球形態をとることがあるので注意が必要. 睾丸腫瘍のうち, リンパ腫は5%にすぎないのでFCMや核型を提出する機会はすくない. FCMデータがあれば, 睾丸組織でT-LBLにたどりついていたと思われる. 反省, 教訓症例.
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[[Primary testicular lymphoma]] [[To End>#piyo]] *Primary testicular T-LBL ? or Testicular involvement of T-lymphoblastic lymphoma? [#z34aba18] //H2005461 30歳代男性 無痛性精巣腫大で泌尿器科受診. 画像診断では, 左精巣最大径4.5cmの腫瘤で縦隔リンパ節転移が疑われた. 左高位精巣摘除術をうける. Hb 14.6g/dl, RBC 476x10SUP{SIZE(8){4}}/μl, Ht41.5% WBC 6700/μl, Seg 63%, Eo2.1%, Ba 1.3%, Mo5.8%, Ly27.8% blastの増加なし.~ LDH 150 U/l(WNL). #gallery(left,nowrap,noadd){{ testiculartumor.jpg>testicular tumor mediastinum01.jpg mediastinum02.jpg mediastinum03.jpg }} 前縦隔や右心横隔膜角部に不定形, 不均一でべたっとした腫瘤状軟部濃度域を認める. 節外浸潤を伴ったリンパ節転移の可能性を考える.~ 画像: 左精巣腫瘤. 縦隔リンパ節転移疑い. #br ''睾丸腫瘤マクロ, loupe像'' (サムネイル像のクリックで大きな画像がみられます) #gallery(left,nowrap,noadd){{ orchitectomy01.jpg orchiectomy02.jpg testis-cut.jpg testis-loupe02.jpg>HE loupe像 tumor in tunica.jpg>白膜内リンパ増殖像(Bの部分) }} loupe像では, 腫瘍細胞が髄様密に浸潤増殖する部位と, 精細管をスペアするように管間に腫瘍細胞が浸潤する部分(右端図 A)がある. 切り出し図とは天地を逆にした右端図では, 髄様密な部分は白膜内で増殖するリンパ腫瘤(B)であることがわかる. 精巣上体の一部に浸潤がみられる(C) #br ''精巣病理組織所見'' #gallery(left,nowrap,noadd){{ in_testis.jpg>精巣実質 periductule.jpg LEL-like lesion.jpg>lympho-tubular lesion testis-hpf.jpg>精巣実質 x400 }} loupe像Aの領域: 精細管をスペアするように, 小型リンパ球優位, 一部中型のlymphoid cellsがシート状密に浸潤増殖する. tubulesのほとんどにはlymphoid cellsが浸潤していないが, LELに似たようなlympho-tubular lesionが少数認められた. x400高倍率では, 増殖細胞は, 粗く, 凝集したクロマチンをもつ類円形, non-cleavedな核をもつ細胞質の乏しいlymphoid cellsである. 核小体か凝集したクロマチンかわかりにくい. #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ tunica_involvement.jpg>白膜内リンパ増殖 in_tunica.jpg>白膜内リンパ増殖 in_tunica-mpf.jpg>白膜内リンパ増殖 x200 in_tunica-hpf.jpg>白膜内リンパ増殖 x400 }} 白膜には密に腫瘍性リンパ球が浸潤増殖し, 肥厚, 一部は上図loupe像のように, 腫瘤を形成している. 浸潤リンパ球は精巣実質内よりも, やや大きく, 多稜形, くびれのある核をもち, クロマチンは淡明で核小体が明瞭になってきている. #br ''精巣上体, 精巣周囲脂肪織への浸潤, 精巣実質, 白膜の非浸潤部'' #gallery(left,nowrap,noadd){{ epidydimis.jpg>精巣上体への浸潤 non-infiltration.jpg>精巣実質,白膜 非浸潤部 }} ''T-ALL/LBLの細胞所見: ''¬e{Borowitz:Borowitz MJ, Chan JKC, Bene MC, et al. T-lymphoblastic leukaemia/lymphoma. In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, eds. WHO Classification of Tumors. WHO Classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues. rev. 4th ed. Lyon: IARC; 2017. pp209-212.}; &aname(nyao); -細胞形態(smear): &color(#d3381c){核クロマチンが強く凝縮し、明らかな核小体の見えない小リンパ芽球から、クロマチンが細かく分散し, 核小体が比較的明瞭な大きな芽球まで, 細胞像には, かなりの幅が存在する};。核は丸いものから不規則に入り組んだものまでさまざま. 細胞質空胞が存在することもある。 -T-ALL の芽球は、&color(#c9171e){''より成熟したリンパ球に類似していることがある''};. このような場合、mature(peripheral) T-cell leukaemiaとの鑑別のために免疫表現型の検討が必要となる. -骨髄切片/組織では、リンパ芽球細胞は, 高N:C比、薄い核膜、細かい点状のクロマチンを示し、核小体は目立たない.&br; mitosisの数はB-ALLよりもT-ALLが多いと報告されている. -T-ALL/T-LBLでは、一般にリンパ節構造が完全に消失し、被膜に浸潤していることが確認される。副皮質に部分的に病変が生じ、胚中心が温存されることもある. 時に、線維性骨格の伸展により、濾胞性リンパ腫に類似した多結節性パターンが生じることがある。 -T-LBLでは核小体や細胞質はあまり目立たないが、starry-sky appearanceが見られ、バーキットリンパ腫を模倣することがある。芽球の核は丸いものと畳み込まれたものがある。有糸分裂はしばしば多数存在する。 -胸腺では、胸腺実質の広範な置換と周囲の線維脂肪組織への浸透性浸潤が見られる。 -組織学的にT-LBLで、リンパ腫細胞の中に好酸球が有意に浸潤している症例は、好酸球増加、骨髄性過形成、FGFR1遺伝子に関わる8p11.2型染色体異常が関連している可能性がある. #gallery(left,nowrap,noadd){{ CD3 のコピー.jpg>CD3 CD20 のコピー.jpg>CD20 CD5 のコピー.jpg>CD5 CD7 のコピー.jpg>CD7 }} #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ CD4 のコピー.jpg>CD4 CD8 のコピー.jpg>CD8 CD10 のコピー.jpg>CD10 PD-1 のコピー.jpg>PD-1 }} #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ CD30.JPG>CD30 granzymeB のコピー.jpg>granzyme B CD56 のコピー.jpg>CD56 c-KIT のコピー.jpg>c-KIT(CD117) }} ''Immunophenotype of T-ALL/ LBL''¬e{Borowitz:Borowitz MJ, Chan JKC, Bene MC, et al. T-lymphoblastic leukaemia/lymphoma. In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, eds. WHO Classification of Tumors. WHO Classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues. rev. 4th ed. Lyon: IARC; 2017. pp209-212.}; -TdTは通常陽性. -TdT, CD34に加えて, CD99と CD1a陽性はT-lymphoblastsの前駆細胞の性質を確認するのに役立つ. -CD7, cCD3 は通常陽性となる. -CD1a, CD2, surface CD3 (dim), CD4, CD5, CD8は種々の程度に発現する. -T-ALL はしばしば, CD4とCD8の double positive となる. またCD10が陽性になる --CD4,CD8 double positiveはT-prolymphocytic leukaemiaでも認められる. CD10もPTCL(第一にはAITL)に陽性となることに注意. -cytoplasmic CD3 のみがT-cell lineage特異的なマーカである. -MPO, lysozymeは発現しない. CD13+, CD33+, CD13,CD33 both+ (19-32%). myeloid marker発現はT-ALL/LBLの診断を否定できない. &br; また,myeloid mraker発現があるからといって, T/myeloid mixed phenotype acute leukaemiaと診断してもいけない. -CD79a+ (10%の症例). -まれにc-KIT(CD117)+; FLT3の活性化変異に関連する. //核クロマチンが非常に凝縮し、明らかな核小体がない小さなリンパ芽球から、クロマチンが細かく分散し、核小体が比較的顕著な大きな芽球まで、かなりの大きさの範囲が存在する。 //核は丸いものから不規則なもの、入り組んだものまで様々である。細胞質空胞が存在することもある。 //T-ALL の芽球は、成熟したリンパ球に類似していることがあります。このような場合、成熟(末梢)T細胞白血病との鑑別のために免疫表現型の研究が必要となることがあります。 ''病理組織診断'' 最初の診断: Primary testicular lymphoma; Peripheral T-cell lymphoma, NOS ? 細胞形態に惑わされてしまった. T-LBLの細胞はもっと幼若な形態を示すと思い込んでいた([[Blue bookに成熟細胞の形態があると書いてあった!!>#nyao]])ため, 精巣実質浸潤T-cellをmature T-cellと考えてしまった. 臨床科からはホルマリン固定標本が提出され, FCM, 核型検査が行えていなかった. &color(#c9171e){''CD4, CD8 double positive''};はPTCL,NOSとして一般的ではないが, 腫瘍T-cellのabberant expressionかと考えた. AITLでdouble positveのminor componentがあるらしい¬e{:Kanderi T., et al. Angioimmunoblastic T-cell Lymphoma: An Unusual Case in an Octogenarian Cureus 2020;12(2):e6956. PMID: 32190506};.~ CD10はPD-1, BCL6がうっすらと染まったため, follicular helper T-cellのphenotype?とした. CD8陽性細胞はcytotoxic molecules陰性で幼若な状況と考えず, 異常なCD8と推察した. 画像診断で縦隔病変があるが, リンパ節転移とされ, 胸腺病変でないこともLBLを考えるに至らなかった. 骨髄はinvolvementなしであった. リンパ腫は精巣腫瘍の5%、その中で PTCLはtesticular lymphomaとしては激しくまれ, LBLは報告はあるがかなりなレア度である. #br ''治療経過と修正組織診断'' Pathological DiagnosisよりWHO 4th分類 PTCL-NOS, Ann Arbor分類 Stage3-4Aと診断. 精巣T細胞リンパ腫は非常にまれで確立された治療法はなく, B細胞性精巣原発リンパ腫に準じて CHOP8コース, 髄注4コース, 対側精巣への放射線照射がおこなわれた. 発症より10ヵ月後, PET-CTでCRが確認された. #br 発症1年後(CR確認より2ヵ月後), 左眼球運動障害を発症, CNSについてMRI検査は有意な所見にとぼしかったが, 左上腕, 前腕にリンパ節腫大が認められた.1ヵ月後腫瘤が増大し, 左肘窩リンパ節生検を施行. また髄液検査でリンパ腫細胞が確認された. #br &aname(piyo); ''左肘窩リンパ節生検組織'' #gallery(left,nowrap,noadd){{ arm-HE01.jpg>HE arm-HE02.jpg>x200 HE arm-HE03.jpg>x400 HE arm-HE04.jpg>x400 HE }} #br #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ arm-CD3.jpg>CD3 arm-CD4.jpg>CD4 arm-CD8.jpg>CD8 arm-BCL2.jpg>BCL2 }} #br #gallery(left,nowrap,noadd){{ arm-TdT.jpg>TdT arm-CD99.jpg>CD99(MIC2) arm-CD34.jpg>CD34 arm-CD117.jpg>CD117(c-KIT) }} #br 左肘窩リンパ節は正常構造を消失. 類円形の繊細なクロマチンをもつ,核小体の明瞭な核をもつN/C比大の細胞が密に増殖している. 精巣の成熟したリンパ球とは核所見が異なる(白膜増殖部には類似の細胞が認められていた). FCMで&color(#d3381c){''TdT陽性細胞が多数''};. 免疫染色ではCD3+, CD4+, CD8+, BCL2+. TdT+, CD99(MIC2)+, CD34-, CD117(c-KIT)-であった. 左肘窩リンパ節の病理診断は T-lymphoblastic lymphoma(T-LBL)になる. 1年後の再発で, 精巣リンパ腫と異なったものが発症するとは考えにくく, 精巣病変にTdT, CD99, CD34, CD117を追加染色した. #gallery(left,nowrap,noadd){{ FCM-CD4-CD8.jpg>FCM FCM-TdT-maru.jpg>FCM-TCRs TdT-testisOK.jpg>TdT- testis CD99-testisOK.jpg>CD99(MIC2)-testis }} FCMは左肘窩リンパ節. TCRはαβは発現していない. γδも15%ほどだけに出現している. TdTが97%陽性を示す. 睾丸病変でTdT, CD99(MIC2)を染色すると強陽性となった. 睾丸のT-LBLは成熟したリンパ球形態をとることがあるので注意が必要. 睾丸腫瘍のうち, リンパ腫は5%にすぎないのでFCMや核型を提出する機会はすくない. FCMデータがあれば, 睾丸組織でT-LBLにたどりついていたと思われる. 反省, 教訓症例.
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