Unicystic ameloblastoma
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[[Wikipathologica-KDP]] * unicystic ameloblastoma [#ac0ec176] 10歳 男児 #ref(pantomo.jpg,around,,60%) #ref(jawCT01.jpg,around,,55%) #clear ***病理組織所見 [#k042c0aa] #br #ref(fig01.jpg,around,80%) #ref(ameloloupe02.jpg,around,40%) シェーマとルーペ像 (画像をクリックすると大きな像が見られます)~ 歯肉上皮とともに嚢胞性病変の壁を認める。 #clear #br 病理組織診断:''unicystic ameloblastoma, luminal subtype'' 嚢胞性病変の壁を裏装する上皮はspongiosisあるいはintraepithelial edemaと棘細胞への分化を示す。7-15層の上皮で, 基底細胞はpalisadingを呈している。上皮脚は平坦で角化は認められない(Fig.01-Fig.04)。嚢胞壁はわずかにmyxoidな成分を伴うdensな膠原線維性間質からなり, その中に小さな胞巣状の歯原性上皮巣が散在している。核分裂像は認められない. 免疫染色では, &color(#e60033){''基底細胞はCD56陽性となる''};。分化した棘細胞は陰性を示す。¬e{:Cairns L, Aparna Naidu A, Robinson CM, et al. CD56 (NCAM) expression in ameloblastomas and other odontogenic lesions. Histopathology 2010; 57(4):544-8. doi: 10.1111/j.1365-2559.2010.03658.x. Epub 2010 Sep 28. PMID: 20875069};¬e{:Kimihide Kusafuka K, et al. CD56 expression is associated with neuroectodermal differentiation in ameloblastomas: an immunohistochemical evaluation in comparison with odontogenic cystic lesions Med Mol Morphol 2011 Jun;44(2):79-85. doi: 10.1007/s00795-010-0510-7. Epub 2011 Jun 30.PMID: 21717310};(下図) #br > #gallery(left,nowrap,noadd){{ amelo01.jpg>HE amelo02.jpg>HE amelo03.jpg>HE amelo04.jpg>HE }} #br ''免疫染色'' > #gallery(left,nowrap,noadd){{ amelo05.jpg>HE amelo06.jpg>HE CD56a.jpg>CD56 CD56b.jpg>CD56 }} #br **''単嚢胞性エナメル上皮腫 unicystic ameloblastoma'' [#e13bc1eb] X-pでは顎骨内に単房性の嚢胞様透過像を示すエナメル上皮腫の亜型。埋没歯をともなうことがあり画像のみでは''含歯性嚢胞や他の嚢胞性病変との鑑別は難しい''。 -エナメル上皮腫の約5%。特に若年者に好発する。&color(red){''%%%平均発症年齢は約15歳%%%で通常型エナメル上皮腫発症平均年齢(35歳)よりも約20歳低い''}; -通常のエナメル上皮腫とは異なり開窓, 萎縮後の摘出処置のみで良好な予後が得られる。 -3型に分けられる --裏装上皮型:かろうじてエナメル上皮腫としての構築がみられる菲薄な上皮層からなる。 --内腔型:内腔側に向かい網状型エナメル上皮腫の乳頭増殖がみられる --壁在型:嚢胞壁が濾胞型ないし網状型エナメル上皮腫の層からなる ''鑑別診断'': keratocystic odontogenic cyst(KCOT) KCOTとしては, parakeratosisなど角化が認められない, 年齢が10歳と若い, 上皮内のedemaや基底細胞層の核所見があわない。&color(blue){またKCOTは一般に埋没歯とは関係しない}; X-pはdentigenous cystを思わせる像だが, 上皮の性状が異なる。 ***謝辞 [#n357e3d8] 病理診断に静岡がんセンター病理診断科 深草公秀先生のご助言をいただきました。深謝いたします。 **ameloblastoma エナメル上皮腫((武田泰典 歯原性上皮腫瘍- 歯原性腫瘍ならびに関連病変の病理2 病理と臨床20(8); 839-845, 2002))(なぜ×エナメル芽細胞腫と訳さないの?) [#wfb7f309] 腫瘍実質が歯胚の上皮成分に類似し, 多少とも局所侵襲性に増殖する傾向をしめす''良性腫瘍''でしばしば病変内に大小の嚢胞を形成する。以前は「adamantinoma」と呼ばれていた。(adamantin=エナメル質) &SIZE(10){Adamantinomaの発生に関してはFalksonが琺瑯(ホウロウ)質原基上皮に類似した細胞からなる腫瘍と述べて以来①②③ホーロー質原基の遣残によるという説が強いAdamantinomaという名称はこの説に由来するのであるが一方琺瑯(ホウロウ)質原基上皮に類似してはいるが琺瑯(ホウロウ)質を形成しない点でAmeloblastomaと称した方が良いという人もいる③④. [田中義也Adamantinomaの1例信州醫學雜誌, 10(1): 63-68], 琺瑯(ホウロウ)質=エナメル}; -好発年齢は20-30歳代で, 男性にやや多い傾向にある。本邦では16歳以下の若年者のエナメル上皮腫は全体の約20%に相当し諸外国より著しく多い。 -好発部位は下顎臼歯部から上行枝部で, とくに智歯部に多い。上顎での発生は本邦で5-6%(アメリカは20%が上顎) -発育は一般に緩徐で顎顔面部の膨隆で受診することが多い。病悩期間も半年ないし1年にわたる。 -顎骨は腫瘍の増大により内部から次第に吸収され, 膨隆し, 皮質骨が菲薄化して臨床的に''羊皮紙様感''を呈するようになる。歯の転位や動揺により咀嚼障害を呈することもある。 -X-pでは顎骨膨隆部の多房性~石鹸泡状透過像を呈することが多い。時に単房性のこともある。 -''埋没歯を伴うこともまれではなく'', 埋没歯の半数以上は智歯である。病変部に隣接ないし含まれる歯がある場合, その歯根には種々の程度の吸収像をみることが多い。 ''肉眼所見'' -割面は灰白色で大小の嚢胞を形成していることが多い。 -周囲組織との境界は明瞭なことが多いが腫瘍内に残存骨梁が散在したり, 骨髄内に灰白色の腫瘍が広がったりすることがある。
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[[Wikipathologica-KDP]] * unicystic ameloblastoma [#ac0ec176] 10歳 男児 #ref(pantomo.jpg,around,,60%) #ref(jawCT01.jpg,around,,55%) #clear ***病理組織所見 [#k042c0aa] #br #ref(fig01.jpg,around,80%) #ref(ameloloupe02.jpg,around,40%) シェーマとルーペ像 (画像をクリックすると大きな像が見られます)~ 歯肉上皮とともに嚢胞性病変の壁を認める。 #clear #br 病理組織診断:''unicystic ameloblastoma, luminal subtype'' 嚢胞性病変の壁を裏装する上皮はspongiosisあるいはintraepithelial edemaと棘細胞への分化を示す。7-15層の上皮で, 基底細胞はpalisadingを呈している。上皮脚は平坦で角化は認められない(Fig.01-Fig.04)。嚢胞壁はわずかにmyxoidな成分を伴うdensな膠原線維性間質からなり, その中に小さな胞巣状の歯原性上皮巣が散在している。核分裂像は認められない. 免疫染色では, &color(#e60033){''基底細胞はCD56陽性となる''};。分化した棘細胞は陰性を示す。¬e{:Cairns L, Aparna Naidu A, Robinson CM, et al. CD56 (NCAM) expression in ameloblastomas and other odontogenic lesions. Histopathology 2010; 57(4):544-8. doi: 10.1111/j.1365-2559.2010.03658.x. Epub 2010 Sep 28. PMID: 20875069};¬e{:Kimihide Kusafuka K, et al. CD56 expression is associated with neuroectodermal differentiation in ameloblastomas: an immunohistochemical evaluation in comparison with odontogenic cystic lesions Med Mol Morphol 2011 Jun;44(2):79-85. doi: 10.1007/s00795-010-0510-7. Epub 2011 Jun 30.PMID: 21717310};(下図) #br > #gallery(left,nowrap,noadd){{ amelo01.jpg>HE amelo02.jpg>HE amelo03.jpg>HE amelo04.jpg>HE }} #br ''免疫染色'' > #gallery(left,nowrap,noadd){{ amelo05.jpg>HE amelo06.jpg>HE CD56a.jpg>CD56 CD56b.jpg>CD56 }} #br **''単嚢胞性エナメル上皮腫 unicystic ameloblastoma'' [#e13bc1eb] X-pでは顎骨内に単房性の嚢胞様透過像を示すエナメル上皮腫の亜型。埋没歯をともなうことがあり画像のみでは''含歯性嚢胞や他の嚢胞性病変との鑑別は難しい''。 -エナメル上皮腫の約5%。特に若年者に好発する。&color(red){''%%%平均発症年齢は約15歳%%%で通常型エナメル上皮腫発症平均年齢(35歳)よりも約20歳低い''}; -通常のエナメル上皮腫とは異なり開窓, 萎縮後の摘出処置のみで良好な予後が得られる。 -3型に分けられる --裏装上皮型:かろうじてエナメル上皮腫としての構築がみられる菲薄な上皮層からなる。 --内腔型:内腔側に向かい網状型エナメル上皮腫の乳頭増殖がみられる --壁在型:嚢胞壁が濾胞型ないし網状型エナメル上皮腫の層からなる ''鑑別診断'': keratocystic odontogenic cyst(KCOT) KCOTとしては, parakeratosisなど角化が認められない, 年齢が10歳と若い, 上皮内のedemaや基底細胞層の核所見があわない。&color(blue){またKCOTは一般に埋没歯とは関係しない}; X-pはdentigenous cystを思わせる像だが, 上皮の性状が異なる。 ***謝辞 [#n357e3d8] 病理診断に静岡がんセンター病理診断科 深草公秀先生のご助言をいただきました。深謝いたします。 **ameloblastoma エナメル上皮腫((武田泰典 歯原性上皮腫瘍- 歯原性腫瘍ならびに関連病変の病理2 病理と臨床20(8); 839-845, 2002))(なぜ×エナメル芽細胞腫と訳さないの?) [#wfb7f309] 腫瘍実質が歯胚の上皮成分に類似し, 多少とも局所侵襲性に増殖する傾向をしめす''良性腫瘍''でしばしば病変内に大小の嚢胞を形成する。以前は「adamantinoma」と呼ばれていた。(adamantin=エナメル質) &SIZE(10){Adamantinomaの発生に関してはFalksonが琺瑯(ホウロウ)質原基上皮に類似した細胞からなる腫瘍と述べて以来①②③ホーロー質原基の遣残によるという説が強いAdamantinomaという名称はこの説に由来するのであるが一方琺瑯(ホウロウ)質原基上皮に類似してはいるが琺瑯(ホウロウ)質を形成しない点でAmeloblastomaと称した方が良いという人もいる③④. [田中義也Adamantinomaの1例信州醫學雜誌, 10(1): 63-68], 琺瑯(ホウロウ)質=エナメル}; -好発年齢は20-30歳代で, 男性にやや多い傾向にある。本邦では16歳以下の若年者のエナメル上皮腫は全体の約20%に相当し諸外国より著しく多い。 -好発部位は下顎臼歯部から上行枝部で, とくに智歯部に多い。上顎での発生は本邦で5-6%(アメリカは20%が上顎) -発育は一般に緩徐で顎顔面部の膨隆で受診することが多い。病悩期間も半年ないし1年にわたる。 -顎骨は腫瘍の増大により内部から次第に吸収され, 膨隆し, 皮質骨が菲薄化して臨床的に''羊皮紙様感''を呈するようになる。歯の転位や動揺により咀嚼障害を呈することもある。 -X-pでは顎骨膨隆部の多房性~石鹸泡状透過像を呈することが多い。時に単房性のこともある。 -''埋没歯を伴うこともまれではなく'', 埋没歯の半数以上は智歯である。病変部に隣接ないし含まれる歯がある場合, その歯根には種々の程度の吸収像をみることが多い。 ''肉眼所見'' -割面は灰白色で大小の嚢胞を形成していることが多い。 -周囲組織との境界は明瞭なことが多いが腫瘍内に残存骨梁が散在したり, 骨髄内に灰白色の腫瘍が広がったりすることがある。
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