pancreatic acinar cell carcinoma
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[[Wikipathologica-KDP]] *Pancreatic acinar cell carcinoma 膵腺房細胞癌 [#n9e0e69e] //H1301785, H 全膵臓腫瘍の1-2%を占める低頻度の腫瘍。小児腫瘍では15%。 ''腫瘍細胞が膵外分泌酵素を産生する膵腫瘍''と定義され, この&color(blue){''腫瘍細胞が25%(腫瘍の1/4)を超え, 内分泌細胞腫瘍成分またはductal componentが認められないもの''};。 形態的な鑑別診断では膵神経内分泌腫瘍(pancNET), solid pseudopapillary tumor, pancreatblastomaは,通常型 ductal adenocarcinomaよりもacinar cell carcinomaとの鑑別に困難を感じる場合が多い. ~ とくに''mixed acinar-endocrine carcinoma''(neuroendocrine differentiationを示す成分が少なくとも1/3以上を占める) は問題となる。 -いずれの年齢にも発生するが%%%成人に多く平均年齢は''58歳%%%。男女比は3.6:1と男性優位''。 #br -腹痛, 悪心嘔吐, 下痢, 体重減少など非特異的な症状を呈する。''総胆管を閉塞することは少なく&color(#e60033){黄疸症状はまれ};''。 #br -10-15%の患者さん(ほぼ肝転移を有する)に%%%リパーゼの血液内過剰分泌による症候%%%をきたす。 #br -&color(blue){リパーゼ過剰症候群:びまん性皮下脂肪壊死と多発関節炎。好酸球増多を伴うことあり。腫瘍切除により寛解する。}; #br -初診時に最も多い症候は%%%腹部腫瘤触知、肝酵素増加, 貧血%%%。&color(crimson){''血中alpha-fetoproteinが上昇することあり(特に若年者)''}; #br -膵臓のどの部位からも発生するが, %%%膵頭部にやや多い傾向がみられる%%%。 #br -通常、%%%境界明瞭な大型(平均11cm)の腫瘤。出血,壊死, 嚢胞化はしばしば認められる%%%。 #br -脾臓, 十二指腸ほか周囲臓器に浸潤することあり。 まれなACCで&color(red){''膵管系を侵し充実性病変の他, 管内へポリープ様増殖や膵管嚢胞状拡張を来すもの''};が報告されている¬e{Basturk:Basturk O, et al. Intraductal and papillary variants of acinar cell carcinomas: a new addition to the challenging differential diagnosis of intraductal neoplasms. Am J Surg Pathol. 2007 Mar;31(3):363-70.PMID:17325477}; ''病理組織所見''¬e{清水:清水道生ほか 膵癌取り扱いに関する新たな知見と基準 比較的まれではあるが重要な膵疾患 病理と臨床 2016; 34(8): 816-822}; -腫瘍細胞は髄様に増殖し細胞密度は高く, 間質成分は少ない。大型の境界明瞭な結節を作り細胞成分の乏しい線維性隔壁をもつ。 #br -腺癌(common type)にみられるようなdesmoplastic stromaを欠き, 広範な凝固壊死がみられる場合もある。 #br -acinar growth patternが最も多く, 次に充実性増殖を示すsolid patternが多い. trabecular patternや膵管内腫瘍と鑑別を要するintraductal and papillary variantの報告がある(上記の病変¬e{Basturk:Basturk O, et al. Intraductal and papillary variants of acinar cell carcinomas: a new addition to the challenging differential diagnosis of intraductal neoplasms. Am J Surg Pathol. 2007 Mar;31(3):363-70.PMID:17325477};) #br -trabecular patternは, 未熟な腺房がロゼット様構造を示し, 核の偏在した細胞が2つ並んだリボン構造をつくっている。 #br -acinar/glandular, solid, trabecular patternなど種々の構築パターンが同一の腫瘍内に混在することが多い。 #br -高倍率では両染性または好酸性の細胞質に微細顆粒が認められZymogen顆粒の存在を反映している. しっかりしたacinar patternが認められる腫瘍ではzymogen顆粒に富むが, ''ほとんどの例では細胞質の顆粒はめだたない''。酵素の産生を証明する特殊染色が必要になってくる #br -ACCsの核は一様で円形ないし卵円形、クロマチンは微小点状、大きな中心性一個の核小体をもつ。solid patternの増殖ではこの特徴的な核小体が診断に結びつく。 #br -核分裂の程度は様々であるが, ほとんどのACCsは簡単に核分裂像を確認できる。( 平均14/10hpf ) ***acinar cellの病理組織学的同定。 [#w4021686] 1.PAS、消化PAS染色, 粘液染色 >ジアスターゼ消化PAS染色では, zymogen顆粒をしめす微細なPAS陽性顆粒が, 特に細胞先端部に確認できる。しかし, PAS陽性顆粒の出現は症例によって大きな差がみられ、同じ腫瘍内であっても部位による差が大きい。 >ductal adenocarcinomaと異なりムチカルミン染色やアルシャンブルー染色で細胞質内にmucinは認められない。腺房を構成する細胞の先端表面に局在して染まることはある。 2.''免疫染色'' >種々の膵酵素に対する抗体による免疫染色がもちいられるがその感度には大きな差が認められる。酵素はzymogen顆粒に存在し染色パターンは細胞質に点状あるいはびまん性陽性を呈する。 >1. ''trypsin, chymotrypsin'' は95%以上の感度があり, 診断に有用であるがchymotrypsinは感度が悪いとする研究がいくつかある。 >2. lipaseは, すこし感度が低く, 70-85%の症例が陽性となる。 >3. この他, ACCsに陽性と報告されたマーカには, alpha1-antitrypsin, alpha1-antichymotripsin, phospholipase A2, pancreatic secretory trypsin inhibitorなどがある。 >4. アミラーゼはめったに同定されない。 >5. BCL-10 -->下記参照 >''その他の免疫染色'' >CAM5.2, CK(AE1/3), CK8およびCK18は通常陽性となる。一方, CK7, CK19, CK20は陰性が普通。EMAは半数に陽性。 >ductal carcinomaに陽性となる, MUC1, MUC5AC, CEA, CA19-9, DUPAN-2, B72.3, CA125は陰性か, ごく一部に陽性のみ。 >solid-pseudopapillary tumorに陽性のvimentin, CD10, PgRはACCsには陰性である。 >&color(green){SIZE(24){■}};''抗トリプシン抗体''(Santa Cruz Trypsin(D-1):sc-137077): ヒト由来トリプシン-1 N末端近傍の39-140アミノ酸に対する抗体。¬e{:Santa Cruz社抗体カタログ};. 変成や壊死した腫瘍細胞には非特異的に染まってしまうようです。 >&color(purple){SIZE(24){■}};''抗BCL10抗体''¬e{La:La Rosa S, et al.The monoclonal anti-BCL10 antibody (clone 331.1) is a sensitive and specific marker of pancreatic acinar cell carcinoma and pancreatic metaplasia.Virchows Arch. 2009 Feb;454(2):133-42.}; ''は &color(purple){acinar cellのzymogen顆粒};に染色陽性を示す。&color(red){市販抗体購入には抗体クローンに注意が必要です。}; >これはzymogen顆粒に含まれる膵酵素 ''Carboxyl ester hydrolase (CEH), 別名phospholipase A1/ non-specific lipase''のC末端アミノ酸がBCL10タンパクのcarboxyl末端と高い相同性をもっており, 交差反応をおこしているためと考えられる。¬e{La:La Rosa S, et al., The monoclonal anti-BCL10 antibody (clone 331.1) is a sensitive and specific marker of pancreatic acinar cell carcinoma and pancreatic metaplasia. Virchows Arch. 2009 Feb;454(2):133-42. PMID:19066953}; [アミノ酸シークエンスを調べたがhomologyは高くないようですがなぜ?--->3-6個ほどのアミノ酸相同で交差するようです。両者は2つの介在アミノ酸をもって5個のアミノ酸が相同のようです。モノクロナール抗体の特異性なんてこんなもんっすか。] >市販抗BCL10抗体にはBCL10 N末端あるいはC末端のみをエピトープとするものがあり, ~ &color(red){acinar cellのCEHを染色するには抗BCL10抗体のうち, ''C末端に反応するクローンを使用する必要がある''。};購入時/使用時に注意が必要。 文献ではSanta Cruz社のclone 331.3を使っている。[論文タイトルの331.3と文中の331.1は331.3が正しいようです。Santa CruzのHPで確認] 膵CEHと同じタンパクが血管内皮に存在する。また授乳期乳腺では human milk bile salt-activated lipaseとして存在する。抗BCL10 C末端抗体で授乳期乳腺はfocalに染色される¬e{La:La Rosa S, et al., The monoclonal anti-BCL10 antibody (clone 331.1) is a sensitive and specific marker of pancreatic acinar cell carcinoma and pancreatic metaplasia. Virchows Arch. 2009 Feb;454(2):133-42. PMID:19066953};. positive controlは正常膵腺房がよい。 >protein atlasページには2つの[[抗CEH抗体(Sigma-Aldrich社販売):http://www.proteinatlas.org/ENSG00000170835/antibody]]が記載されています。 こちらを購入するという手もあります。 3.電顕によるZymogen顆粒の確認。 >electron-dens granules は 数, 形, サイズ, 分布に非常に差が大きい。典型的な顆粒は125-1000nmで丸く, 管腔に面した細胞質先端に多くなっている。 #br ''抗BCL-10抗体(santa cruz 331.3)''~ 1:200, proteinaseK処理で背景の過染色なくきれいに染まります。(クリックで大きい画像が見られます) #gallery(left,nowrap){{ BCL10_01.jpg>管内増殖型ACC x200 BCL10_02.jpg>x400 BCL10_03margin.jpg>管内膵管上皮は陰性 }} **分子/細胞遺伝学 [#o1eea69a] 1. ''ACCでは高頻度のgenetic copy number variationが報告されている''。¬e{:Rigaud G, et al. Allelotype of pancreatic acinar cell carcinoma. Int J Cancer. 2000 Dec 1;88(5):772-7.PMID:11072247};¬e{:Taruscio D, et al. Pancreatic acinar carcinoma shows a distinct pattern of chromosomal imbalances by comparative genomic hybridization. Genes Chromosomes Cancer. 2000 Jul;28(3):294-9.PMID:10862035}; >&color(blue){1p, 4q, 11q, 13q, 15q, 16p, 16qおよび17p のalleric loss};と&color(red){1q, 12p および Xq};のgainがが60%以上のACCに報告されている 2. 以下の腫瘍抑制遺伝子の増幅amplificationは, ドライバー変異よりも, &color(crimson){ACCのゲノム不安定性を反映しているようで二次的変化と考えられる};。¬e{:de Wilde RF, et al. Analysis of LKB1 mutations and other molecular alterations in pancreatic acinar cell carcinoma. Mod Pathol. 2011 Sep;24(9):1229-36. doi: 10.1038/modpathol.2011.83. Epub 2011 May 13.PMID:21572398}; >''20q13.3のGATA5''のgain (5/5cases, 100%) >''19p13.3のLKB1''のgain (4/5cases, 80%) >''13q (BRCA2, RB1のlocus)''のgain (1/5, 20%) **予後¬e{清水:清水道生ほか 膵癌取り扱いに関する新たな知見と基準 比較的まれではあるが重要な膵疾患 病理と臨床 2016; 34(8): 816-822}; [#p3d4dcb6] 膵ACCは所属リンパ節, 肝, 肺などに広範囲に転移をきたすが, 切除症例の検討では膵管癌の生存中央値median survivalが24ヶ月に対して, ''ACCは61ヶ月''と明らかに予後に開きが認められる。¬e{:Matos JM, et al. Pancreatic acinar cell carcinoma: a multi-institutional study. J Gastrointest Surg. 2009 Aug;13(8):1495-502.};
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[[Wikipathologica-KDP]] *Pancreatic acinar cell carcinoma 膵腺房細胞癌 [#n9e0e69e] //H1301785, H 全膵臓腫瘍の1-2%を占める低頻度の腫瘍。小児腫瘍では15%。 ''腫瘍細胞が膵外分泌酵素を産生する膵腫瘍''と定義され, この&color(blue){''腫瘍細胞が25%(腫瘍の1/4)を超え, 内分泌細胞腫瘍成分またはductal componentが認められないもの''};。 形態的な鑑別診断では膵神経内分泌腫瘍(pancNET), solid pseudopapillary tumor, pancreatblastomaは,通常型 ductal adenocarcinomaよりもacinar cell carcinomaとの鑑別に困難を感じる場合が多い. ~ とくに''mixed acinar-endocrine carcinoma''(neuroendocrine differentiationを示す成分が少なくとも1/3以上を占める) は問題となる。 -いずれの年齢にも発生するが%%%成人に多く平均年齢は''58歳%%%。男女比は3.6:1と男性優位''。 #br -腹痛, 悪心嘔吐, 下痢, 体重減少など非特異的な症状を呈する。''総胆管を閉塞することは少なく&color(#e60033){黄疸症状はまれ};''。 #br -10-15%の患者さん(ほぼ肝転移を有する)に%%%リパーゼの血液内過剰分泌による症候%%%をきたす。 #br -&color(blue){リパーゼ過剰症候群:びまん性皮下脂肪壊死と多発関節炎。好酸球増多を伴うことあり。腫瘍切除により寛解する。}; #br -初診時に最も多い症候は%%%腹部腫瘤触知、肝酵素増加, 貧血%%%。&color(crimson){''血中alpha-fetoproteinが上昇することあり(特に若年者)''}; #br -膵臓のどの部位からも発生するが, %%%膵頭部にやや多い傾向がみられる%%%。 #br -通常、%%%境界明瞭な大型(平均11cm)の腫瘤。出血,壊死, 嚢胞化はしばしば認められる%%%。 #br -脾臓, 十二指腸ほか周囲臓器に浸潤することあり。 まれなACCで&color(red){''膵管系を侵し充実性病変の他, 管内へポリープ様増殖や膵管嚢胞状拡張を来すもの''};が報告されている¬e{Basturk:Basturk O, et al. Intraductal and papillary variants of acinar cell carcinomas: a new addition to the challenging differential diagnosis of intraductal neoplasms. Am J Surg Pathol. 2007 Mar;31(3):363-70.PMID:17325477}; ''病理組織所見''¬e{清水:清水道生ほか 膵癌取り扱いに関する新たな知見と基準 比較的まれではあるが重要な膵疾患 病理と臨床 2016; 34(8): 816-822}; -腫瘍細胞は髄様に増殖し細胞密度は高く, 間質成分は少ない。大型の境界明瞭な結節を作り細胞成分の乏しい線維性隔壁をもつ。 #br -腺癌(common type)にみられるようなdesmoplastic stromaを欠き, 広範な凝固壊死がみられる場合もある。 #br -acinar growth patternが最も多く, 次に充実性増殖を示すsolid patternが多い. trabecular patternや膵管内腫瘍と鑑別を要するintraductal and papillary variantの報告がある(上記の病変¬e{Basturk:Basturk O, et al. Intraductal and papillary variants of acinar cell carcinomas: a new addition to the challenging differential diagnosis of intraductal neoplasms. Am J Surg Pathol. 2007 Mar;31(3):363-70.PMID:17325477};) #br -trabecular patternは, 未熟な腺房がロゼット様構造を示し, 核の偏在した細胞が2つ並んだリボン構造をつくっている。 #br -acinar/glandular, solid, trabecular patternなど種々の構築パターンが同一の腫瘍内に混在することが多い。 #br -高倍率では両染性または好酸性の細胞質に微細顆粒が認められZymogen顆粒の存在を反映している. しっかりしたacinar patternが認められる腫瘍ではzymogen顆粒に富むが, ''ほとんどの例では細胞質の顆粒はめだたない''。酵素の産生を証明する特殊染色が必要になってくる #br -ACCsの核は一様で円形ないし卵円形、クロマチンは微小点状、大きな中心性一個の核小体をもつ。solid patternの増殖ではこの特徴的な核小体が診断に結びつく。 #br -核分裂の程度は様々であるが, ほとんどのACCsは簡単に核分裂像を確認できる。( 平均14/10hpf ) ***acinar cellの病理組織学的同定。 [#w4021686] 1.PAS、消化PAS染色, 粘液染色 >ジアスターゼ消化PAS染色では, zymogen顆粒をしめす微細なPAS陽性顆粒が, 特に細胞先端部に確認できる。しかし, PAS陽性顆粒の出現は症例によって大きな差がみられ、同じ腫瘍内であっても部位による差が大きい。 >ductal adenocarcinomaと異なりムチカルミン染色やアルシャンブルー染色で細胞質内にmucinは認められない。腺房を構成する細胞の先端表面に局在して染まることはある。 2.''免疫染色'' >種々の膵酵素に対する抗体による免疫染色がもちいられるがその感度には大きな差が認められる。酵素はzymogen顆粒に存在し染色パターンは細胞質に点状あるいはびまん性陽性を呈する。 >1. ''trypsin, chymotrypsin'' は95%以上の感度があり, 診断に有用であるがchymotrypsinは感度が悪いとする研究がいくつかある。 >2. lipaseは, すこし感度が低く, 70-85%の症例が陽性となる。 >3. この他, ACCsに陽性と報告されたマーカには, alpha1-antitrypsin, alpha1-antichymotripsin, phospholipase A2, pancreatic secretory trypsin inhibitorなどがある。 >4. アミラーゼはめったに同定されない。 >5. BCL-10 -->下記参照 >''その他の免疫染色'' >CAM5.2, CK(AE1/3), CK8およびCK18は通常陽性となる。一方, CK7, CK19, CK20は陰性が普通。EMAは半数に陽性。 >ductal carcinomaに陽性となる, MUC1, MUC5AC, CEA, CA19-9, DUPAN-2, B72.3, CA125は陰性か, ごく一部に陽性のみ。 >solid-pseudopapillary tumorに陽性のvimentin, CD10, PgRはACCsには陰性である。 >&color(green){SIZE(24){■}};''抗トリプシン抗体''(Santa Cruz Trypsin(D-1):sc-137077): ヒト由来トリプシン-1 N末端近傍の39-140アミノ酸に対する抗体。¬e{:Santa Cruz社抗体カタログ};. 変成や壊死した腫瘍細胞には非特異的に染まってしまうようです。 >&color(purple){SIZE(24){■}};''抗BCL10抗体''¬e{La:La Rosa S, et al.The monoclonal anti-BCL10 antibody (clone 331.1) is a sensitive and specific marker of pancreatic acinar cell carcinoma and pancreatic metaplasia.Virchows Arch. 2009 Feb;454(2):133-42.}; ''は &color(purple){acinar cellのzymogen顆粒};に染色陽性を示す。&color(red){市販抗体購入には抗体クローンに注意が必要です。}; >これはzymogen顆粒に含まれる膵酵素 ''Carboxyl ester hydrolase (CEH), 別名phospholipase A1/ non-specific lipase''のC末端アミノ酸がBCL10タンパクのcarboxyl末端と高い相同性をもっており, 交差反応をおこしているためと考えられる。¬e{La:La Rosa S, et al., The monoclonal anti-BCL10 antibody (clone 331.1) is a sensitive and specific marker of pancreatic acinar cell carcinoma and pancreatic metaplasia. Virchows Arch. 2009 Feb;454(2):133-42. PMID:19066953}; [アミノ酸シークエンスを調べたがhomologyは高くないようですがなぜ?--->3-6個ほどのアミノ酸相同で交差するようです。両者は2つの介在アミノ酸をもって5個のアミノ酸が相同のようです。モノクロナール抗体の特異性なんてこんなもんっすか。] >市販抗BCL10抗体にはBCL10 N末端あるいはC末端のみをエピトープとするものがあり, ~ &color(red){acinar cellのCEHを染色するには抗BCL10抗体のうち, ''C末端に反応するクローンを使用する必要がある''。};購入時/使用時に注意が必要。 文献ではSanta Cruz社のclone 331.3を使っている。[論文タイトルの331.3と文中の331.1は331.3が正しいようです。Santa CruzのHPで確認] 膵CEHと同じタンパクが血管内皮に存在する。また授乳期乳腺では human milk bile salt-activated lipaseとして存在する。抗BCL10 C末端抗体で授乳期乳腺はfocalに染色される¬e{La:La Rosa S, et al., The monoclonal anti-BCL10 antibody (clone 331.1) is a sensitive and specific marker of pancreatic acinar cell carcinoma and pancreatic metaplasia. Virchows Arch. 2009 Feb;454(2):133-42. PMID:19066953};. positive controlは正常膵腺房がよい。 >protein atlasページには2つの[[抗CEH抗体(Sigma-Aldrich社販売):http://www.proteinatlas.org/ENSG00000170835/antibody]]が記載されています。 こちらを購入するという手もあります。 3.電顕によるZymogen顆粒の確認。 >electron-dens granules は 数, 形, サイズ, 分布に非常に差が大きい。典型的な顆粒は125-1000nmで丸く, 管腔に面した細胞質先端に多くなっている。 #br ''抗BCL-10抗体(santa cruz 331.3)''~ 1:200, proteinaseK処理で背景の過染色なくきれいに染まります。(クリックで大きい画像が見られます) #gallery(left,nowrap){{ BCL10_01.jpg>管内増殖型ACC x200 BCL10_02.jpg>x400 BCL10_03margin.jpg>管内膵管上皮は陰性 }} **分子/細胞遺伝学 [#o1eea69a] 1. ''ACCでは高頻度のgenetic copy number variationが報告されている''。¬e{:Rigaud G, et al. Allelotype of pancreatic acinar cell carcinoma. Int J Cancer. 2000 Dec 1;88(5):772-7.PMID:11072247};¬e{:Taruscio D, et al. Pancreatic acinar carcinoma shows a distinct pattern of chromosomal imbalances by comparative genomic hybridization. Genes Chromosomes Cancer. 2000 Jul;28(3):294-9.PMID:10862035}; >&color(blue){1p, 4q, 11q, 13q, 15q, 16p, 16qおよび17p のalleric loss};と&color(red){1q, 12p および Xq};のgainがが60%以上のACCに報告されている 2. 以下の腫瘍抑制遺伝子の増幅amplificationは, ドライバー変異よりも, &color(crimson){ACCのゲノム不安定性を反映しているようで二次的変化と考えられる};。¬e{:de Wilde RF, et al. Analysis of LKB1 mutations and other molecular alterations in pancreatic acinar cell carcinoma. Mod Pathol. 2011 Sep;24(9):1229-36. doi: 10.1038/modpathol.2011.83. Epub 2011 May 13.PMID:21572398}; >''20q13.3のGATA5''のgain (5/5cases, 100%) >''19p13.3のLKB1''のgain (4/5cases, 80%) >''13q (BRCA2, RB1のlocus)''のgain (1/5, 20%) **予後¬e{清水:清水道生ほか 膵癌取り扱いに関する新たな知見と基準 比較的まれではあるが重要な膵疾患 病理と臨床 2016; 34(8): 816-822}; [#p3d4dcb6] 膵ACCは所属リンパ節, 肝, 肺などに広範囲に転移をきたすが, 切除症例の検討では膵管癌の生存中央値median survivalが24ヶ月に対して, ''ACCは61ヶ月''と明らかに予後に開きが認められる。¬e{:Matos JM, et al. Pancreatic acinar cell carcinoma: a multi-institutional study. J Gastrointest Surg. 2009 Aug;13(8):1495-502.};
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