1)「血管マーカーCD31は皮膚腫瘍の組織球と組織球様細胞でも陽性である」 The vascular marker CD31 also highlights histiocytes and histiocyte-like cells within cutaneous tumors. Vanchinathan V, et al. Am J Clin Pathol. 2015 Feb;143(2):177-85 【目的】血管肉腫の診断に役立つCD31は、軟部組織腫瘍中の組織球も陽性であり、診断を誤ることがある。CD31が皮膚の組織球症でどのくらい陽性となるかを検討した。 【方法】8例の類上皮細胞組織球症(ECHs)、12例の黄色肉芽腫(XGs)、9例のLCH、8例の網状組織球症、11例の黄色腫、29例の非定型線維黄色腫、9例の顆粒細胞腫瘍、4例の好酸球増加を伴う血管リンパ過形成、9例の皮内Spitz母斑、9例の血管肉腫について、CD31とCD34、CD163、第VIII因子に対する抗体で陽性率を調べた。【結果】CD31は、XGs の3/12例、LCHの4/9例、網状組織球症の1/8例、黄色腫の1/11例、非定型線維黄色腫の10/29例、好酸球増加を伴う血管リンパ過形成の4/4例、血管肉腫の9/9例、顆粒性細胞腫瘍の0/9例、ECHsの0/8例で陽性であった。CD34と第VIII因子は、すべての非血管性の症例で陰性であった。 【結論】CD31は、皮膚組織球症の病変部の細胞で陽性で血管性腫瘍と類似するが、抗体パネルを用いることによって誤診を防ぐことができる。