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[[Wikipathologica-KDP]]
#br
#contents
#br
*Aplastic anemia (AA) 再生不良性貧血 [#n9d759c6]
''疾患概念:''
>末梢血で全血球の減少(pancytopenia)と骨髄造血細胞密度低下...
これらの症候を示す疾患のなかから概念が明確な他疾患を除外...
>年間患者発生数は100万人あたり6人(2006年調査), 女性が男性...
20歳代と60-70歳代に発症のピークがある。
>再生不良性貧血には疾患に特異的な核型異常, 遺伝子異常がな...
>再生不良性貧血は「血球減少」という現象により疾患が既定さ...
''症候''
-貧血症状としての労作時息切れ, 動悸, めまい。出血症状とし...
''病因・病態発生''
>後天性, 特発性再生不良性貧血において造血幹細胞が減少する...
#br
-AAの多くは, ''造血幹細胞に対する免疫学的障害により発生す...
#br
-MDSのうち, RCUDやRCMDには芽球増加はなく, 各血球系統の10%...
#br
-これらAAとMDSの鑑別診断と治療において重要なことは, &colo...
#br
>AAの発症にはT細胞が強く関与しており, 現在のところ, 抗原...
>cytotoxic T-cellの関与を示す間接的所見として, &color(red...
#ref(GPIancar.jpg,around,80%)
#br
#br
&aname(piyo);
''GPIアンカータンパク質''
-GPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)と呼ばれる...
-タンパク質のカルボキシル末端アミノ酸にオリゴ糖(グリカン)...
グリカンはグルコサミンによってホスファチジルイノシトール(...
-異なったGPIの違いはカルボキシル末端のアミノ酸, マンノー...
-''発作性夜間血色素尿症(PNH)型赤血球''では, GIP(Glycosylp...
-PNHタイプ血球の検出と定量には、抗CD55および抗CD59モノク...
-''FLAER:''GPIアンカータンパクに特異的に結合するaerolysi...
#br
-CD59, CD55と補体系のページに移動-->[[CD55, CD59>Compleme...
#clear
#br
''AAの遺伝子変異とクローン性造血''
AAでは治療抵抗例だけでなく, 免疫療法奏功例でも, 一部の経...
AAにおいて, 約1/3の症例に経過中白血病やMDSに認められるよ...
-'''''&color(red){PIGA, BCOR, BCORL1, DNMT3A, ASXL1};''''...
#br
-'''''DNMT3A, ASXL1'''''遺伝子変異のあるAA患者さんでは, ...
#br
-'''''PIGA, BCOR, BCORL1'''''変異をもつAAでは変異細胞が徐...
#br
-AA患者さんにおけるこれらの遺伝子変異獲得は健康人と同様に...
#br
骨髄不全の診断, 治療において, AAとMDSの鑑別診断は非常に重...
#br
#br
*診断実践編 [#c53a8ffb]
再生不良性貧血の診断基準¬e{NakaoS:中尾眞二.再生不良性...
1.臨床症状として, 貧血, 出血傾向, ときに発熱を認める.
#br
2.以下の3項目のうち, 少なくとも2つを満たす。
>-1. Hb濃度: 10g/dl未満
>-2. 好中球:1500/μl未満
>-3. 血小板:10万/μl未満
#br
3.汎血球減少の原因となる他の疾患を認めない.
>白血病, MDS, 骨髄線維症, PNH, 巨赤芽球性貧血, 癌骨髄転移...
#br
4.''加わると診断確実性を増す検査所見''
>1)%%%網赤血球増加がない%%%。
>2)骨髄穿刺所見(クロット含む):有核細胞は原則として減少す...
>3)骨髄生検で造血細胞減少がある。--->(参照) [[細胞減少の...
>4)&color(#824880){''血清鉄値上昇と不飽和鉄結合能の低下''...
>5)腰椎椎体のMRIで''(腸骨も)造血組織減少と脂肪組織増加を...
#br
MRIで検索すると胸腰椎や腸骨の大部分が脂肪に置きかわってい...
#br
1,2でAAを疑い, 3で他疾患を除外, 4により診断をさらに確実...
再生不良性貧血の診断は基本的に除外診断であるが, 一部にMD...
#br
''病理所見''¬e{:Iwasaki T, et al.Characterization of m...
>末梢血:
>赤血球大小不同, 奇形赤血球, 白血球pseudo-Pelger異常, 顆...
>AAでは, 赤血球大小不同をみることはあるが%%特異的形態異常...
>
-AAを含む, 自己免疫性造血不全(autoimmune hematopoietic fa...
#br
-汎血球減少患者において, 穿刺された&color(#e60033){骨髄に...
#br
-免疫抑制療法で寛解するAIHFでは, 血球形態異常はしばしば認...
#br
-AIHFの無効造血, 骨髄細胞の異形成所見は寛解が得られた患者...
#br
-&color(#e2041b){''明らかに10%を超えるカテゴリーAの異形成...
>
>骨髄塗抹・組織標本
-AAは細胞密度低下により重度低形成をしめす. ''巨核球は見つ...
#br
-有核細胞数減少, 特に成熟顆粒球, 赤芽球, 巨核球は著明に減...
#br
-&color(blue){''mast cellの増加も特徴のひとつ''};であるが...
#br
-基本的に3系統造血細胞に異形成はみられないが, &color(#e60...
#br
-低形成MDSでは, 低形成の程度はAAに比して軽度であり赤芽球,...
#br
-p53染色: 少数であっても, &color(#e2041b){''明確な陽性細...
#br
-CD34: 陽性細胞が1%未満の場合は有意ではない. MDSの所見が...
#br
-CD42b: 巨核球, 血小板がそまる. microMgkは&color(red){顆...
#br
-HbF: 新生児期に赤血球で強く発現し, 少数の赤芽球にも散在...
>AAの診断基準として,&color(red){巨核球が全くみられない, ...
#br
''非典型的な血液骨髄所見を示す非定型的AA''
末梢血ではAAを疑うが, 骨髄穿刺/生検で骨髄が低形成をしめ...
-AAであっても胸骨骨髄は比較的細胞髄が維持されやすい。
-腸骨骨髄であっても造血巣が島状に遺残することがあり, たま...
-造血細胞密度の分布をただしく評価するためには骨髄生検が適...
#br
核型異常を呈するAA
-AAは基本的に正常核型.
-&color(red){病状の進行に伴う極度な造血細胞減少がおこると...
-この場合もAAの病像を呈すれば,核型異常を伴うAAとみなすの...
-典型的なAAでも''4-11%に核型異常が検出''される. trisomy8...
-これに対して, 有意な 7番染色体の欠失性変異を検出する場合...
#br
''多様な病理所見を呈するMDS''
低形成MDS
-MDSのおよそ数十%は低形成の定義(年齢70歳未満で骨髄細胞密...
-いずれかの造血細胞系に10%をこえる異形成があれば, AAを除...
-低形成MDSでは異常クローンの無効造血に加えて, AAに類似す...
#br
異形成の乏しいMDS
-典型的な異形成所見に乏しい場合にはMDSの診断に苦慮する. ...
-MDSにふさわしい核型異常であれば, 異形成所見が弱くても, M...
**AAとMDSの鑑別診断 [#id690e0c]
AAの骨髄細胞は絶対数は減少しているが, ''個々の細胞の表面...
-&color(red){MDSでは, 表面抗原のabberant expression};がし...
-MDSの異常phenotypeをFCMで検出するための国際的標準化が提...
-骨髄組織免疫染色では,&color(red){p53および HbF陽性度が高...
''PNH型血球''
-GPIアンカー型タンパク質欠損血球= PNH型血球, の標的表面分...
-PNH形質の赤血球や顆粒球は''健常者においてもごく少数存在...
-再生不良性貧血患者においてPNHタイプ血球の増加がしばしば...
-高感度FCM法によれば¬e{Wang:Wang H, et al., Clinical s...
-PNH型血球陽性 MDSの特徴
>&color(red){病型はRA, 血小板減少が著明, 異形成には乏しく...
>HLA-DR15(DRB1*1501)保有率が高い
>予後は良好である.
-PNH型血球陽性MDSは&color(red){クローン性腫瘍性性格が希薄...
''染色体分析・クロナリティ解析''
-骨髄染色体異常は一般にクローン性造血を意味することから,...
#br
-FISH法を用いると, monosomy7やtrisomy 8などのaneuploidy検...
#br
-single nucleotide polymorphism array (SNP-array)をG-band...
#br
-初診時から持続性にクローン性変化が認められる場合はMDSの...
#br
-AA経過中にポリクロナールからモノクロナールへ変化した症例...
#br
''血液病理学的観点からの鑑別-低形成MDSとAAの鑑別手順''&no...
-&color(crimson){末梢血芽球が出現していればAAを除外};する
#br
-&color(crimson){pseudo-Perger核または, 脱顆粒好中球が10...
#br
--&color(crimson){骨髄で好中球系, 巨核球系に異形成があれ...
#br
-''赤芽球系の異形成のみの場合, かなり明瞭でなければAAは否...
#br
-骨髄生検で少なくとも3ヶ所以上, 幼若細胞集簇がある場合(ab...
#br
-芽球比率5%は鑑別上重要な閾値であるが, 低形成骨髄の場合, ...
#br
-karyotypeでchromosome 5やchromosome 7異常があれば重要で...
#br
-PNH型血球の存在は鑑別というより病態(免疫学的背景や異常)...
#br
***骨髄低形成, 細胞異形成(形態異常), 染色体異常を示さない...
''非重症のAAと異形成所見の軽度な, 低リスクMDS''は, その鑑...
''免疫病態の有無判定は, 第一に, 血球減少のパターンから推...
-&color(red){''血小板減少の程度が強いと免疫の関与を疑う''...
#br
-&color(red){''%%%血小板数が正常近くに保たれていながら, ...
#br
-血小板, Mgkの絶対数変化を調べるのは困難な場合が多い. そ...
#br
-''血漿TPO高値(≧320pg/mL )''であれば&color(#e2041b){''(巨...
#br
-血漿TPO高値(Mgk減少)には薬剤性やウイルスの関与も含まれる...
#br
*AA治療編 [#kc726c0f]
#br
#ref(AAsevere.jpg,around,100%)
#br
再生不良性貧血の治療は, 造血回復をめざす治療と輸血, サイ...
造血回復治療
-免疫抑制療法:抗胸腺細胞グロブリン(antithymocyte globuli...
-同種造血幹細胞移植; 造血能の完全回復(治癒)がみこめるが, ...
-タンパク同化ホルモン; 上記2つの治療に比べ認容性は優るが...
再生不良性貧血治療では, 有効性と安全性を考慮し, 個々の症...
#clear
''やや重症~最重症, 輸血依存性AA症例の治療''
1.&color(red){''40歳未満で, HLA一致同胞ドナーが得られる...
-HLA一致同胞ドナーが得られる場合,診断後すみやかに骨髄移植...
#br
-免疫抑制療法の既治療例や罹患期間の長い例では移植の成績が...
#br
-AAの骨髄移植治療において&color(red){幹細胞ソースは末梢血...
#br
-末梢血幹細胞を用いるのは, 1)donarの骨髄採取が困難, 2)don...
#br
2.&color(red){最重症型で感染症を合併し, G-CSFの投与でも好...
-前処置はCyA+ATGあるいは, CyA+ATG+フルダラビン. 輸血量が...
-全身照射を行わない場合は妊孕性は保たれる.
#br
-GVHD予防のCyA投与は9ヶ月間持続し, 3ヶ月以上かけて漸減中...
3. &color(red){HLA一致同胞ドナーがえられない場合,あるいは...
-免疫抑制療法の奏功率は60-80%,5年生存率は75-85%である.&no...
#br
-晩期合併症リスクは11年後の時点でMDSあるいはAMLが8%, 発作...
''ATG:antithymocyte globulin.''
-Matheらの骨髄移植にATG単独前処置をおこない自己造血が回復...
-抗リンパ球グロブリンともよばれ, ヒト胎児胸腺細胞や胸部手...
-AAにはCyclosporinA(CyA)との併用が単独投与よりも無イベン...
-日本においては, [[サイモグロブリン:https://e-mr.sanofi.c...
-アレルギー性副作用(投与ごく初期の悪寒, 発熱, 発疹, 血圧...
-cyclosporinAの経口投与は5mg/kg/dayで開始, 血中CyAトラフ...
-ATG投与後3ヶ月で効果が認められない場合, タンパク同化ホル...
#br
>''トラフ値''(トラフ濃度, 定常状態最低血中濃度, trough) ...
>薬物を&color(red){反復投与したときの定常状態における最低...
血中濃度の経時的推移の中で、変動の小さい時点であり、血中...
終了行:
[[Wikipathologica-KDP]]
#br
#contents
#br
*Aplastic anemia (AA) 再生不良性貧血 [#n9d759c6]
''疾患概念:''
>末梢血で全血球の減少(pancytopenia)と骨髄造血細胞密度低下...
これらの症候を示す疾患のなかから概念が明確な他疾患を除外...
>年間患者発生数は100万人あたり6人(2006年調査), 女性が男性...
20歳代と60-70歳代に発症のピークがある。
>再生不良性貧血には疾患に特異的な核型異常, 遺伝子異常がな...
>再生不良性貧血は「血球減少」という現象により疾患が既定さ...
''症候''
-貧血症状としての労作時息切れ, 動悸, めまい。出血症状とし...
''病因・病態発生''
>後天性, 特発性再生不良性貧血において造血幹細胞が減少する...
#br
-AAの多くは, ''造血幹細胞に対する免疫学的障害により発生す...
#br
-MDSのうち, RCUDやRCMDには芽球増加はなく, 各血球系統の10%...
#br
-これらAAとMDSの鑑別診断と治療において重要なことは, &colo...
#br
>AAの発症にはT細胞が強く関与しており, 現在のところ, 抗原...
>cytotoxic T-cellの関与を示す間接的所見として, &color(red...
#ref(GPIancar.jpg,around,80%)
#br
#br
&aname(piyo);
''GPIアンカータンパク質''
-GPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)と呼ばれる...
-タンパク質のカルボキシル末端アミノ酸にオリゴ糖(グリカン)...
グリカンはグルコサミンによってホスファチジルイノシトール(...
-異なったGPIの違いはカルボキシル末端のアミノ酸, マンノー...
-''発作性夜間血色素尿症(PNH)型赤血球''では, GIP(Glycosylp...
-PNHタイプ血球の検出と定量には、抗CD55および抗CD59モノク...
-''FLAER:''GPIアンカータンパクに特異的に結合するaerolysi...
#br
-CD59, CD55と補体系のページに移動-->[[CD55, CD59>Compleme...
#clear
#br
''AAの遺伝子変異とクローン性造血''
AAでは治療抵抗例だけでなく, 免疫療法奏功例でも, 一部の経...
AAにおいて, 約1/3の症例に経過中白血病やMDSに認められるよ...
-'''''&color(red){PIGA, BCOR, BCORL1, DNMT3A, ASXL1};''''...
#br
-'''''DNMT3A, ASXL1'''''遺伝子変異のあるAA患者さんでは, ...
#br
-'''''PIGA, BCOR, BCORL1'''''変異をもつAAでは変異細胞が徐...
#br
-AA患者さんにおけるこれらの遺伝子変異獲得は健康人と同様に...
#br
骨髄不全の診断, 治療において, AAとMDSの鑑別診断は非常に重...
#br
#br
*診断実践編 [#c53a8ffb]
再生不良性貧血の診断基準¬e{NakaoS:中尾眞二.再生不良性...
1.臨床症状として, 貧血, 出血傾向, ときに発熱を認める.
#br
2.以下の3項目のうち, 少なくとも2つを満たす。
>-1. Hb濃度: 10g/dl未満
>-2. 好中球:1500/μl未満
>-3. 血小板:10万/μl未満
#br
3.汎血球減少の原因となる他の疾患を認めない.
>白血病, MDS, 骨髄線維症, PNH, 巨赤芽球性貧血, 癌骨髄転移...
#br
4.''加わると診断確実性を増す検査所見''
>1)%%%網赤血球増加がない%%%。
>2)骨髄穿刺所見(クロット含む):有核細胞は原則として減少す...
>3)骨髄生検で造血細胞減少がある。--->(参照) [[細胞減少の...
>4)&color(#824880){''血清鉄値上昇と不飽和鉄結合能の低下''...
>5)腰椎椎体のMRIで''(腸骨も)造血組織減少と脂肪組織増加を...
#br
MRIで検索すると胸腰椎や腸骨の大部分が脂肪に置きかわってい...
#br
1,2でAAを疑い, 3で他疾患を除外, 4により診断をさらに確実...
再生不良性貧血の診断は基本的に除外診断であるが, 一部にMD...
#br
''病理所見''¬e{:Iwasaki T, et al.Characterization of m...
>末梢血:
>赤血球大小不同, 奇形赤血球, 白血球pseudo-Pelger異常, 顆...
>AAでは, 赤血球大小不同をみることはあるが%%特異的形態異常...
>
-AAを含む, 自己免疫性造血不全(autoimmune hematopoietic fa...
#br
-汎血球減少患者において, 穿刺された&color(#e60033){骨髄に...
#br
-免疫抑制療法で寛解するAIHFでは, 血球形態異常はしばしば認...
#br
-AIHFの無効造血, 骨髄細胞の異形成所見は寛解が得られた患者...
#br
-&color(#e2041b){''明らかに10%を超えるカテゴリーAの異形成...
>
>骨髄塗抹・組織標本
-AAは細胞密度低下により重度低形成をしめす. ''巨核球は見つ...
#br
-有核細胞数減少, 特に成熟顆粒球, 赤芽球, 巨核球は著明に減...
#br
-&color(blue){''mast cellの増加も特徴のひとつ''};であるが...
#br
-基本的に3系統造血細胞に異形成はみられないが, &color(#e60...
#br
-低形成MDSでは, 低形成の程度はAAに比して軽度であり赤芽球,...
#br
-p53染色: 少数であっても, &color(#e2041b){''明確な陽性細...
#br
-CD34: 陽性細胞が1%未満の場合は有意ではない. MDSの所見が...
#br
-CD42b: 巨核球, 血小板がそまる. microMgkは&color(red){顆...
#br
-HbF: 新生児期に赤血球で強く発現し, 少数の赤芽球にも散在...
>AAの診断基準として,&color(red){巨核球が全くみられない, ...
#br
''非典型的な血液骨髄所見を示す非定型的AA''
末梢血ではAAを疑うが, 骨髄穿刺/生検で骨髄が低形成をしめ...
-AAであっても胸骨骨髄は比較的細胞髄が維持されやすい。
-腸骨骨髄であっても造血巣が島状に遺残することがあり, たま...
-造血細胞密度の分布をただしく評価するためには骨髄生検が適...
#br
核型異常を呈するAA
-AAは基本的に正常核型.
-&color(red){病状の進行に伴う極度な造血細胞減少がおこると...
-この場合もAAの病像を呈すれば,核型異常を伴うAAとみなすの...
-典型的なAAでも''4-11%に核型異常が検出''される. trisomy8...
-これに対して, 有意な 7番染色体の欠失性変異を検出する場合...
#br
''多様な病理所見を呈するMDS''
低形成MDS
-MDSのおよそ数十%は低形成の定義(年齢70歳未満で骨髄細胞密...
-いずれかの造血細胞系に10%をこえる異形成があれば, AAを除...
-低形成MDSでは異常クローンの無効造血に加えて, AAに類似す...
#br
異形成の乏しいMDS
-典型的な異形成所見に乏しい場合にはMDSの診断に苦慮する. ...
-MDSにふさわしい核型異常であれば, 異形成所見が弱くても, M...
**AAとMDSの鑑別診断 [#id690e0c]
AAの骨髄細胞は絶対数は減少しているが, ''個々の細胞の表面...
-&color(red){MDSでは, 表面抗原のabberant expression};がし...
-MDSの異常phenotypeをFCMで検出するための国際的標準化が提...
-骨髄組織免疫染色では,&color(red){p53および HbF陽性度が高...
''PNH型血球''
-GPIアンカー型タンパク質欠損血球= PNH型血球, の標的表面分...
-PNH形質の赤血球や顆粒球は''健常者においてもごく少数存在...
-再生不良性貧血患者においてPNHタイプ血球の増加がしばしば...
-高感度FCM法によれば¬e{Wang:Wang H, et al., Clinical s...
-PNH型血球陽性 MDSの特徴
>&color(red){病型はRA, 血小板減少が著明, 異形成には乏しく...
>HLA-DR15(DRB1*1501)保有率が高い
>予後は良好である.
-PNH型血球陽性MDSは&color(red){クローン性腫瘍性性格が希薄...
''染色体分析・クロナリティ解析''
-骨髄染色体異常は一般にクローン性造血を意味することから,...
#br
-FISH法を用いると, monosomy7やtrisomy 8などのaneuploidy検...
#br
-single nucleotide polymorphism array (SNP-array)をG-band...
#br
-初診時から持続性にクローン性変化が認められる場合はMDSの...
#br
-AA経過中にポリクロナールからモノクロナールへ変化した症例...
#br
''血液病理学的観点からの鑑別-低形成MDSとAAの鑑別手順''&no...
-&color(crimson){末梢血芽球が出現していればAAを除外};する
#br
-&color(crimson){pseudo-Perger核または, 脱顆粒好中球が10...
#br
--&color(crimson){骨髄で好中球系, 巨核球系に異形成があれ...
#br
-''赤芽球系の異形成のみの場合, かなり明瞭でなければAAは否...
#br
-骨髄生検で少なくとも3ヶ所以上, 幼若細胞集簇がある場合(ab...
#br
-芽球比率5%は鑑別上重要な閾値であるが, 低形成骨髄の場合, ...
#br
-karyotypeでchromosome 5やchromosome 7異常があれば重要で...
#br
-PNH型血球の存在は鑑別というより病態(免疫学的背景や異常)...
#br
***骨髄低形成, 細胞異形成(形態異常), 染色体異常を示さない...
''非重症のAAと異形成所見の軽度な, 低リスクMDS''は, その鑑...
''免疫病態の有無判定は, 第一に, 血球減少のパターンから推...
-&color(red){''血小板減少の程度が強いと免疫の関与を疑う''...
#br
-&color(red){''%%%血小板数が正常近くに保たれていながら, ...
#br
-血小板, Mgkの絶対数変化を調べるのは困難な場合が多い. そ...
#br
-''血漿TPO高値(≧320pg/mL )''であれば&color(#e2041b){''(巨...
#br
-血漿TPO高値(Mgk減少)には薬剤性やウイルスの関与も含まれる...
#br
*AA治療編 [#kc726c0f]
#br
#ref(AAsevere.jpg,around,100%)
#br
再生不良性貧血の治療は, 造血回復をめざす治療と輸血, サイ...
造血回復治療
-免疫抑制療法:抗胸腺細胞グロブリン(antithymocyte globuli...
-同種造血幹細胞移植; 造血能の完全回復(治癒)がみこめるが, ...
-タンパク同化ホルモン; 上記2つの治療に比べ認容性は優るが...
再生不良性貧血治療では, 有効性と安全性を考慮し, 個々の症...
#clear
''やや重症~最重症, 輸血依存性AA症例の治療''
1.&color(red){''40歳未満で, HLA一致同胞ドナーが得られる...
-HLA一致同胞ドナーが得られる場合,診断後すみやかに骨髄移植...
#br
-免疫抑制療法の既治療例や罹患期間の長い例では移植の成績が...
#br
-AAの骨髄移植治療において&color(red){幹細胞ソースは末梢血...
#br
-末梢血幹細胞を用いるのは, 1)donarの骨髄採取が困難, 2)don...
#br
2.&color(red){最重症型で感染症を合併し, G-CSFの投与でも好...
-前処置はCyA+ATGあるいは, CyA+ATG+フルダラビン. 輸血量が...
-全身照射を行わない場合は妊孕性は保たれる.
#br
-GVHD予防のCyA投与は9ヶ月間持続し, 3ヶ月以上かけて漸減中...
3. &color(red){HLA一致同胞ドナーがえられない場合,あるいは...
-免疫抑制療法の奏功率は60-80%,5年生存率は75-85%である.&no...
#br
-晩期合併症リスクは11年後の時点でMDSあるいはAMLが8%, 発作...
''ATG:antithymocyte globulin.''
-Matheらの骨髄移植にATG単独前処置をおこない自己造血が回復...
-抗リンパ球グロブリンともよばれ, ヒト胎児胸腺細胞や胸部手...
-AAにはCyclosporinA(CyA)との併用が単独投与よりも無イベン...
-日本においては, [[サイモグロブリン:https://e-mr.sanofi.c...
-アレルギー性副作用(投与ごく初期の悪寒, 発熱, 発疹, 血圧...
-cyclosporinAの経口投与は5mg/kg/dayで開始, 血中CyAトラフ...
-ATG投与後3ヶ月で効果が認められない場合, タンパク同化ホル...
#br
>''トラフ値''(トラフ濃度, 定常状態最低血中濃度, trough) ...
>薬物を&color(red){反復投与したときの定常状態における最低...
血中濃度の経時的推移の中で、変動の小さい時点であり、血中...
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