MHC; major histocompatibility complex
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開始行:
[[HLA; Human Leukocyte Antigens]]
*MHC; Major histocompatibility complex: 主要組織適合遺伝...
#br
**移植の成否を決定する分子-自己の細胞の旗印となる分子 [#f...
ヒトは人類として共通の遺伝子をもち,その産物のタンパク質か...
人種や家系により少しづつ構造の違うたんぱく質もありますが,...
''「自己」と「非自己」は免疫系により厳格に識別されています.''
この識別は&color(#FF1493){''ひとりひとりの細胞表面に,ほん...
この分子が体のすべての細胞を同じ自分の細胞と標識している...
T細胞(Tリンパ球)は全身を循環して細胞の「旗印」を見張って...
「旗印」の異なる他人の細胞が侵入するとT細胞はそれを攻撃し...
自己/非自己を決める「旗印」となるたんぱく質の一群を&color...
''少なくとも6種類の多型性をもった分子のグループ''が存在す...
&color(#FF1493){''MHC分子の働き; 病原体由来ペプチド断片を...
-この結果, ウイルス感染細胞は殺され, マクロファージは活性...
-MHC分子による抗原提示を逃れられる突然変異を来たした病原...
**主要組織適合抗原の構造 [#r6d7c64c]
-MHC分子にはクラスIとクラスIIの二種類がある
#br
-クラスI抗原は''すべての有核細胞と血小板の細胞膜''に存在...
#br
-クラスII抗原は''B細胞,抗原提示細胞-macrophage, 樹状細胞...
#br
-クラスI・IIともに''2本のポリペプチド鎖''から構成される
#br
-クラスI抗原は分子量450,00の長いH鎖(α鎖)と分子量110,00の...
#br
-クラスII抗原は分子量30000-35000のα鎖とβ鎖二本のポリペプ...
#br
-H鎖,α鎖,β鎖の一部には&color(#FF1493){''何箇所かアミノ酸...
#br
-β2ミクログロブリンは''第15染色体上に遺伝子が存在しアミノ...
**MHCクラスI分子の構造 [#j78e4632]
-糖鎖が付加されたα鎖(45kDa)とそれに非共有結合的に結合した...
#ref(MHCclass1.png,around,right)
#br
-β2ミクログロブリンは''血清中に遊離状態''でも存在する
#br
-α鎖は3つの細胞外ドメイン, N末端の''α1からα2, α3''と膜貫...
#br
-パパイン処理により細胞外ドメインは細胞表面から遊離させる...
#br
-α2とα3ドメインはともに鎖内S-S結合を持ちそれぞれが63およ...
#br
-α3ドメインは免疫グロブリンCドメインと類似している
#br
-約30-40残基の親水性アミノ酸からできた細胞質内ドメインはi...
#br
-β2ミクログロブリンはヒトでは多型性を示さない
--この分子は免疫グロブリンCドメインと類似の構造を持つ
--この分子は多くの,他にクラスI関連構造をもつ分子(たとえば...
--β2ミクログロブリンはすべてのクラスI分子および腸管細胞Fc...
#clear
#ref(groove02.png,around)
''α鎖α1とα2ドメインは抗原結合部位を形成する.''
--α1とα2ドメインは8本の逆平行βストランドにより台状の構造...
立体的には底面と側面をもつ溝の構造をとることがわかってい...
#br
--クラスI分子の多型性に関係するアミノ酸残基は,この溝もし...
#br
--T細胞のエピトープとなるアミノ酸残基の大部分もこの溝ある...
#br
--細胞内で処理された抗原ペプチドは,このα1とα2のαへリック...
#br
--MHC分子上の一定箇所にアミノ酸の入れ換えがおこり多型性に...
#br
--この&color(blue){溝の部分のアミノ酸の変化};は溝にあるタ...
#br
-タンパク質化学ではラセン状にまかれているポリペプチドの構...
#br
#br
#clear
>''Class I分子は&color(#e2041b){内因性ペプチド};をはさん...
#br
-生体内で自己由来のペプチドを挟んでいる場合は免疫反応はお...
#br
-''細胞ががん化したり, ウイルス感染をおこした場合はがん特...
#br
-class Iを介する反応はがんワクチン療法にも応用される。
#br
#br
**MHCクラスII分子の構造 [#a4aa0aa2]
#ref(MHCclass2a.png,around,right)
-クラスII遺伝子産物は''糖鎖をもったα鎖とβ鎖のヘテロ二量体...
#br
-α鎖は30-34kDaでβ鎖は26-29kDaで,各々の分子量はどの遺伝子...
#br
-α鎖とβ鎖は全体として同じ構造をしている
#br
-2つのドメイン(α1とα2, β1とβ2)からできた細胞外部分は短い...
#br
-α2とβ2ドメインはクラスIのα3ドメインとβ2ミクログロブリン...
#br
-β1ドメインにはS-S結合が存在し64個のアミノ酸残基からでき...
#br
-α,β鎖の分子量の違いはN型糖鎖の付加の違いにより生じる.糖...
#br
-T細胞の補助レセプタ-分子''CD4''はクラスII分子に結合し,...
#br
-CD4とTCR複合体の会合は''p56SUP{SIZE(10){lac}};''をCD4細...
#br
#ref(classII-structure01.jpg,around,left,75%)
#br
-クラスII分子もクラスI分子&color(#e2041b){''同様のペプチ...
#br
-クラスII分子のポケット構造をもつ結合溝はクラスIより広く,...
#br
#br
''Class II分子は &color(crimson){外来性(非自己)ペプチド};...
#br
--class II分子は, ''細胞外に存在するさまざまな非自己由来...
#br
--さらに免疫賦活により非自己に対する抗体等を産生し獲得免...
#br
#br
#br
#clear
**MHC遺伝子の構成 [#je31f55c]
#br
ヒトの主要組織適合遺伝子複合体はHLAと同じ分子であり,この...
#ref(chr6-MHCmap.jpg,around,right,80%)
-''HLA-A, HLA-B, HLA-C locus(座)に存在する遺伝子がクラスI...
#br
--遺伝子座(locus): 遺伝子の存在する場所(位置, 領域)
#br
-''HLA-DP, HLA-DQ, HLA-DRの3つのlocusの遺伝子がクラスII...
#br
-ヒトでは%%%父親由来の6種と母親由来の6種合計12種のHLAタン...
#br
-HLA遺伝子は同じ第6染色体上にならんでいるため''通常は連鎖...
#br
-&color(#e2041b){''クラスII領域の中に抗原プロセッシングに...
このうちの1つは抗原プロセッシング関連トランスポーター(tra...
#br
-クラスII領域にはTAPのほか, ''プロテオソーム''のプロテア...
#br
-&color(red){''クラスIII領域は20以上の遺伝子を含み''};,そ...
#clear
#br
#br
#ref(classI-geneprotein01.jpg,around,right,70%)
''classI 遺伝子''
-ヒト,クラスI遺伝子座には''HLA-A, HLA-B, HLA-Cの3つの遺伝...
#br
-HLA-A, HLA-B, HLA-Cは150万bpにわたるDNAの間に広がって存...
#br
-これらの遺伝子以外にも''HLA-E, F, G遺伝子''が存在しクラ...
#br
-&color(#e2041b){''HLA-G遺伝子産物''};は''胎盤の外絨毛細...
#ref(MHCclass1gene.png)
#br
''classII遺伝子''
-ヒト,クラスII遺伝子はHLA-D領域に位置する
#ref(classIIHLAgene.png,around,right)
#br
-HLA-D領域は,少なくともヒトクラスII分子の6個のα鎖遺伝子と...
#br
-DR,DQおよびDPの遺伝子座はヒトクラスII領域の主要な産物を...
#br
-DRファミリ-は1つのα鎖遺伝子(DRA)と偽遺伝子を含む9個のβ...
#br
-DR遺伝子座内でいくつかの異なった遺伝子組み換えが起こって...
#br
-DQとDPファミリ-はそれぞれ1つのα鎖とβ鎖を発現する遺伝子...
#br
#ref(classII-geneprotein01.jpg,around,right,70%)
-DR,DQ,DPのα鎖は同じ遺伝子座の産物のβ鎖と細胞内で会合する
#br
--DPA1とDPB1遺伝子産物は会合してHLA-DPクラスII分子を形成...
#br
--DQA1とDQB1も同様にHLA-DQ抗原をコードする
#br
-DRB領域の遺伝子構成と長さは,ハプロタイプにより変化し発現...
-DRB1,DRB3,DRB4は通常発現する.DRB2遺伝子は偽遺伝子である
-DPA2,DPB2,DQB3遺伝子は偽遺伝子で発現されない
-DNA, DOB, DQB2およびDQA2遺伝子は機能を有すると考えられて...
''MHCの多型性''
-MHCの多型性はMHC中に均等に存在するわけではなく, ある特定...
#br
-''クラスI抗原でのアミノ酸配列の変異''は&color(crimson){'...
#br
-これらはペプチド収容溝(peptid-binding cleft)を構成するド...
#br
--ヒトクラスII分子ではほとんどの多型がDRβとDQβ鎖にみられる
#br
--DPβ鎖はわずかしか変異が認められない
--DQαは多型性を示すがDRα鎖は事実上不変でありDRα鎖は二つの...
#br
クラスIとクラスII抗原では&color(crimson){''多型性に関与す...
終了行:
[[HLA; Human Leukocyte Antigens]]
*MHC; Major histocompatibility complex: 主要組織適合遺伝...
#br
**移植の成否を決定する分子-自己の細胞の旗印となる分子 [#f...
ヒトは人類として共通の遺伝子をもち,その産物のタンパク質か...
人種や家系により少しづつ構造の違うたんぱく質もありますが,...
''「自己」と「非自己」は免疫系により厳格に識別されています.''
この識別は&color(#FF1493){''ひとりひとりの細胞表面に,ほん...
この分子が体のすべての細胞を同じ自分の細胞と標識している...
T細胞(Tリンパ球)は全身を循環して細胞の「旗印」を見張って...
「旗印」の異なる他人の細胞が侵入するとT細胞はそれを攻撃し...
自己/非自己を決める「旗印」となるたんぱく質の一群を&color...
''少なくとも6種類の多型性をもった分子のグループ''が存在す...
&color(#FF1493){''MHC分子の働き; 病原体由来ペプチド断片を...
-この結果, ウイルス感染細胞は殺され, マクロファージは活性...
-MHC分子による抗原提示を逃れられる突然変異を来たした病原...
**主要組織適合抗原の構造 [#r6d7c64c]
-MHC分子にはクラスIとクラスIIの二種類がある
#br
-クラスI抗原は''すべての有核細胞と血小板の細胞膜''に存在...
#br
-クラスII抗原は''B細胞,抗原提示細胞-macrophage, 樹状細胞...
#br
-クラスI・IIともに''2本のポリペプチド鎖''から構成される
#br
-クラスI抗原は分子量450,00の長いH鎖(α鎖)と分子量110,00の...
#br
-クラスII抗原は分子量30000-35000のα鎖とβ鎖二本のポリペプ...
#br
-H鎖,α鎖,β鎖の一部には&color(#FF1493){''何箇所かアミノ酸...
#br
-β2ミクログロブリンは''第15染色体上に遺伝子が存在しアミノ...
**MHCクラスI分子の構造 [#j78e4632]
-糖鎖が付加されたα鎖(45kDa)とそれに非共有結合的に結合した...
#ref(MHCclass1.png,around,right)
#br
-β2ミクログロブリンは''血清中に遊離状態''でも存在する
#br
-α鎖は3つの細胞外ドメイン, N末端の''α1からα2, α3''と膜貫...
#br
-パパイン処理により細胞外ドメインは細胞表面から遊離させる...
#br
-α2とα3ドメインはともに鎖内S-S結合を持ちそれぞれが63およ...
#br
-α3ドメインは免疫グロブリンCドメインと類似している
#br
-約30-40残基の親水性アミノ酸からできた細胞質内ドメインはi...
#br
-β2ミクログロブリンはヒトでは多型性を示さない
--この分子は免疫グロブリンCドメインと類似の構造を持つ
--この分子は多くの,他にクラスI関連構造をもつ分子(たとえば...
--β2ミクログロブリンはすべてのクラスI分子および腸管細胞Fc...
#clear
#ref(groove02.png,around)
''α鎖α1とα2ドメインは抗原結合部位を形成する.''
--α1とα2ドメインは8本の逆平行βストランドにより台状の構造...
立体的には底面と側面をもつ溝の構造をとることがわかってい...
#br
--クラスI分子の多型性に関係するアミノ酸残基は,この溝もし...
#br
--T細胞のエピトープとなるアミノ酸残基の大部分もこの溝ある...
#br
--細胞内で処理された抗原ペプチドは,このα1とα2のαへリック...
#br
--MHC分子上の一定箇所にアミノ酸の入れ換えがおこり多型性に...
#br
--この&color(blue){溝の部分のアミノ酸の変化};は溝にあるタ...
#br
-タンパク質化学ではラセン状にまかれているポリペプチドの構...
#br
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>''Class I分子は&color(#e2041b){内因性ペプチド};をはさん...
#br
-生体内で自己由来のペプチドを挟んでいる場合は免疫反応はお...
#br
-''細胞ががん化したり, ウイルス感染をおこした場合はがん特...
#br
-class Iを介する反応はがんワクチン療法にも応用される。
#br
#br
**MHCクラスII分子の構造 [#a4aa0aa2]
#ref(MHCclass2a.png,around,right)
-クラスII遺伝子産物は''糖鎖をもったα鎖とβ鎖のヘテロ二量体...
#br
-α鎖は30-34kDaでβ鎖は26-29kDaで,各々の分子量はどの遺伝子...
#br
-α鎖とβ鎖は全体として同じ構造をしている
#br
-2つのドメイン(α1とα2, β1とβ2)からできた細胞外部分は短い...
#br
-α2とβ2ドメインはクラスIのα3ドメインとβ2ミクログロブリン...
#br
-β1ドメインにはS-S結合が存在し64個のアミノ酸残基からでき...
#br
-α,β鎖の分子量の違いはN型糖鎖の付加の違いにより生じる.糖...
#br
-T細胞の補助レセプタ-分子''CD4''はクラスII分子に結合し,...
#br
-CD4とTCR複合体の会合は''p56SUP{SIZE(10){lac}};''をCD4細...
#br
#ref(classII-structure01.jpg,around,left,75%)
#br
-クラスII分子もクラスI分子&color(#e2041b){''同様のペプチ...
#br
-クラスII分子のポケット構造をもつ結合溝はクラスIより広く,...
#br
#br
''Class II分子は &color(crimson){外来性(非自己)ペプチド};...
#br
--class II分子は, ''細胞外に存在するさまざまな非自己由来...
#br
--さらに免疫賦活により非自己に対する抗体等を産生し獲得免...
#br
#br
#br
#clear
**MHC遺伝子の構成 [#je31f55c]
#br
ヒトの主要組織適合遺伝子複合体はHLAと同じ分子であり,この...
#ref(chr6-MHCmap.jpg,around,right,80%)
-''HLA-A, HLA-B, HLA-C locus(座)に存在する遺伝子がクラスI...
#br
--遺伝子座(locus): 遺伝子の存在する場所(位置, 領域)
#br
-''HLA-DP, HLA-DQ, HLA-DRの3つのlocusの遺伝子がクラスII...
#br
-ヒトでは%%%父親由来の6種と母親由来の6種合計12種のHLAタン...
#br
-HLA遺伝子は同じ第6染色体上にならんでいるため''通常は連鎖...
#br
-&color(#e2041b){''クラスII領域の中に抗原プロセッシングに...
このうちの1つは抗原プロセッシング関連トランスポーター(tra...
#br
-クラスII領域にはTAPのほか, ''プロテオソーム''のプロテア...
#br
-&color(red){''クラスIII領域は20以上の遺伝子を含み''};,そ...
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#ref(classI-geneprotein01.jpg,around,right,70%)
''classI 遺伝子''
-ヒト,クラスI遺伝子座には''HLA-A, HLA-B, HLA-Cの3つの遺伝...
#br
-HLA-A, HLA-B, HLA-Cは150万bpにわたるDNAの間に広がって存...
#br
-これらの遺伝子以外にも''HLA-E, F, G遺伝子''が存在しクラ...
#br
-&color(#e2041b){''HLA-G遺伝子産物''};は''胎盤の外絨毛細...
#ref(MHCclass1gene.png)
#br
''classII遺伝子''
-ヒト,クラスII遺伝子はHLA-D領域に位置する
#ref(classIIHLAgene.png,around,right)
#br
-HLA-D領域は,少なくともヒトクラスII分子の6個のα鎖遺伝子と...
#br
-DR,DQおよびDPの遺伝子座はヒトクラスII領域の主要な産物を...
#br
-DRファミリ-は1つのα鎖遺伝子(DRA)と偽遺伝子を含む9個のβ...
#br
-DR遺伝子座内でいくつかの異なった遺伝子組み換えが起こって...
#br
-DQとDPファミリ-はそれぞれ1つのα鎖とβ鎖を発現する遺伝子...
#br
#ref(classII-geneprotein01.jpg,around,right,70%)
-DR,DQ,DPのα鎖は同じ遺伝子座の産物のβ鎖と細胞内で会合する
#br
--DPA1とDPB1遺伝子産物は会合してHLA-DPクラスII分子を形成...
#br
--DQA1とDQB1も同様にHLA-DQ抗原をコードする
#br
-DRB領域の遺伝子構成と長さは,ハプロタイプにより変化し発現...
-DRB1,DRB3,DRB4は通常発現する.DRB2遺伝子は偽遺伝子である
-DPA2,DPB2,DQB3遺伝子は偽遺伝子で発現されない
-DNA, DOB, DQB2およびDQA2遺伝子は機能を有すると考えられて...
''MHCの多型性''
-MHCの多型性はMHC中に均等に存在するわけではなく, ある特定...
#br
-''クラスI抗原でのアミノ酸配列の変異''は&color(crimson){'...
#br
-これらはペプチド収容溝(peptid-binding cleft)を構成するド...
#br
--ヒトクラスII分子ではほとんどの多型がDRβとDQβ鎖にみられる
#br
--DPβ鎖はわずかしか変異が認められない
--DQαは多型性を示すがDRα鎖は事実上不変でありDRα鎖は二つの...
#br
クラスIとクラスII抗原では&color(crimson){''多型性に関与す...
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