Multiple myeloma-molecular pathogenesis
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[[Maf転写因子と疾患、発癌--骨髄腫の発癌因子]]
[[Multiple myeloma - up date]], ~
[[Multiple myeloma--Clinical diagnsosis and Pathology]]
#br
#contents
#br
*多発性骨髄腫:molecular pathogenesis, up dates [#s111cd86]
#br
''多発性骨髄腫''
>%%%''Postgerminal center B-cell'' 由来で形質細胞へ,コミ...
>多発性骨髄腫は単一の疾患とみなされているが, 実際は,&colo...
#br
#br
**骨髄腫発症の分子細胞遺伝学 [#q4aab2cf]
&color(#ba55d3){SIZE(32){■}}; ''Biological genetic classi...
>骨髄腫細胞では, ''増殖サイクルにある細胞は%%%腫瘍細胞全...
>&color(red){多発骨髄腫の染色体異常検出頻度は30-40%にすぎ...
#br
#ref(MM-molecular.jpg,around,right,100%)
>多発性骨髄腫は''2つの大きな遺伝サブグループ''に分類でき...
>&color(red){''1. Hyperdiploid myeloma''};:
>>''染色体数48本以上で, 4N未満'', chromosome ''3, 5, 7, 9...
--chromosome 3, 5, 7, 9, 11, 15, 19, 21のトリソミーやchro...
これらは染色体数48未満のnon-hyperdiploid型とそれ以上で4N(...
//#ref(ch14q32-Ig.jpg,around,right,70%)
>&color(blue){''2. Non-hyperdiploid myeloma''};:
>>''染色体数48本未満'', ''&color(blue){t(4;14), t(14;16),...
>>免疫グロブリン重鎖遺伝子(IgH)転座(14q+)の中でも早期の...
>>免疫グロブリン遺伝子の関連する染色体転座は, ''MGUSの40-...
>>軽鎖遺伝子が関与する頻度は低い. λ鎖遺伝子はMGUSの10%未...
#br
--14q32上の免疫グロブリン重鎖(IgH)遺伝子領域の均衡型転座...
--転座パートナーは主に7つの遺伝子で, これらは3群にわける...
--''CCND群''~
&color(#cd00cd){11q13};の'''BCL1'''('''PRAD/Cyclin D1=CCN...
#br
&color(#cd00cd){12p13};上の'''CCND2'''遺伝子
#br
&color(#cd00cd){6p21};上の'''CCND3'''遺伝子
--''MAF群''~
&color(#cd00cd){8q24.3};上の'''MAFA'''遺伝子
#br
&color(#cd00cd){16q23};上の'''c-MAF'''遺伝子などがある
#br
&color(#cd00cd){21q12};上の'''MAFB'''遺伝子
--''FGFR3/ MMSET群''~
&color(#cd00cd){4p16.3};上の'''FGFR3/ MMSET'''遺伝子
#br
--&color(#cd00cd){6p25};上の'''MUM1/IRF4'''遺伝子
#br
>&color(red){''t(11;14)(q13;q32)''};
-MGUSの15-30%, MMの15-20%に認められる.
-転座によりサイクリンD(cyclinD, '''CCND''')遺伝子の一つで...
-14q32/ '''IGH'''転座にはこれまで, SHMとCSRがその機序と考...
-骨髄内でt(11;14)を獲得すると Mantle cell lymphoma, 胚中...
-
#br
***CCN D1, D2, D3遺伝子と骨髄腫 [#wf0aa2e0]
>多発骨髄腫の, ほぼ全症例に認められる統一的な異常イベント。
--正常B細胞, 形質細胞では%%%cyclinD2やcyclinD3を発現して...
--t(11;14)はMantle lymphomaで解析がすすめられてきた。Mant...
#ref(MMprogress02.jpg,around,right,80%)
>骨髄腫でみられる14q転座は10種類以上が存在し, 強発現する...
>1). ''cyclin D グループ''
-cyclin D グループには t(11;14), t(6;14), t(12;14)が含ま...
#br
-14qに局在するIgH enhancerによりそれぞれ cyclin D1, cycli...
#br
-t(11;14)はMantle lymphomaで解析がすすめられてきた。Mantl...
#br
-MM細胞では&color(red){約20%にt(11;14)(q13;q32)が認められ...
#br
-t(11;14)-positive 多発骨髄腫では, 転座により免疫グロブリ...
#br
-14q32/'''IGH'''転座の機序として, これまでsomatic hypermu...
しかし最近, '''IGH'''切断点解析により t(11;14)はDJ再構成...
#br
-[[DJ再構成>Immunoglobulin gene 免疫グロブリン遺伝子#s0d9...
#br
-この転座をもつMMの特徴として, リンパ形質細胞様形態をとる...
#br
-この転座をもつMMの予後に関しては結論はでていない. ¬e{...
#br
-&color(blue){''CCN D3''};は''6p21''に位置し, IgH遺伝子と...
#br
-&color(blue){''CCN D2''};は''12q13''に局在する遺伝子。Ig...
#br
-下記, 2)MMSET, 3)Mafの異常では&color(blue){'''''CCN D2''...
>2). ''MMSET/FGFR3 グループ''
-t(4;14)は骨髄腫症例の15-20%を占め, 切断点は多くの例でヒ...
全長型ないし, alternative splicingにより短縮型のMMSETを発...
#ref(MMSET-FGFR3.jpg,around,right,70%)
>
-強発現したMMSETはH3K36(histon3の36番目のリジン残基)とH3K...
#br
-4p16は染色体末端に近く, 転座の染色体構造変化が微細(crypt...
#br
-MGUSの3-10%, MMの15-20%に検出される. MGUS<MMと頻度に差が...
#br
-IGH再構成により''IGHエンハンサーEμ''が4番染色体に移動, M...
遺伝子産物のMMSETはヒストンメチル化酵素でエピジェネティッ...
#br
-別のエンハンサー3'Eαは, 14番染色体に残り, 移動してきたFG...
#br
-&color(crimson){''この転座の25%は不均衡転座で, 派生14番...
#br
-IgAクラスのMMが多く, 軽鎖ではλ鎖が多い. CCND2発現が亢進...
#br
-&color(blue){''予後不良''};である.
>3). ''MAF グループ''
-t(14;16), t(14;20), t(8;14)が含まれ, それぞれMAF family ...
#br
-標的遺伝子としては&color(red){''cyclin D2''};¬e{Chesi...
#br
-16q23は染色体末端に近くcryptic translocationになるため検...
#br
-MGUSではまれで, MMでは2-10%に認められる. MGUSとMMの間に...
#br
-免疫グロブリンクラス別で多いのはIgAとする報告とIgGとする...
#br
-'''c-MAF'''陽性骨髄腫は陰性骨髄腫に比較して, ''白血球増...
#br
-'''c-MAF'''陽性例では細胞接着因子のCD56(NCAM)が陰性のた...
>4). ''その他''
>''以上 形質細胞腫瘍化の初期にはcyclin Dの発現亢進が共通...
--マイクロアレイによる網羅的解析では, ほぼ全例の骨髄腫でC...
&color(red){''3つのCCN D遺伝子の発現は染色体転座以外の機...
--&color(red){cyclin Dは CDK4/6と複合体を形成しRBタンパク...
--t(11;14)の染色体転座をもたずRNAレベルやタンパクレベルで...
--&color(crimson){''t(4;14)とt(14;16)''};は&color(blue){'...
***高二倍体化では, 奇数番号の染色体 (3, 5, 7, 9, 11, 15, ...
-腫瘍化のメカニズムはまだ十分には解明されていないが, &col...
#br
#br
***多発性骨髄腫の異常な転写因子発現 [#w6350612]
>多発性骨髄腫は前癌病態から多段階発癌過程を経て発症する間...
多発性骨髄腫で注目されている転写因子には~
1.&color(blue){IRF4/MUM1, [[c-Maf, MafB>Maf転写因子と疾患...
2.&color(blue){NF-kB, HIF1/2, XBP-1};など骨髄環境に適応す...
***多発骨髄腫のエピジェネティック異常: t(4;14)転座と多...
>多発骨髄腫のエピジェネティックス異常¬e{:Yasui H, et a...
>1. &color(#ff00ff){''t(4;14)転座による多発骨髄腫SETドメ...
>2. DNAおよびnon-cording RNAのメチル化異常
>3. ヒストン脱アセチル化酵素阻害による抗腫瘍効果
>&color(#66cd00){SIZE(32){■}};'''''MMSET'''''(Official fu...
-&color(#ff1493){''4p16.3''に局在};。この遺伝子は PWWP do...
Wolf-Hirschhorn syndrome (WHS)は第4染色体遠位短腕の欠損(h...
遺伝子のalternative splicingにより複数の転写ヴァリアント...
Some transcript variants are nonsense-mediated mRNA (NMD)...
-MMSETには複数の転写産物があり, MMSET typeI, typeII, type...
それぞれがt(4;14)骨髄腫に特異的高発現をする。
-''t(4;14)(p16;q32)''は骨髄腫の''15-20%''にみられ'''MMSET...
>&color(#66cd00){SIZE(32){■}};'''''MMSET'''による[[ヒスト...
-''H3K36me2'': &color(red){転写活性化};¬e{Kuo:Kuo AJ, ...
#br
-''H3K36me3'': 転写抑制¬e{:Nimura K, et al., A histone...
#br
-''H4K20me3'': 転写抑制¬e{:Marango J, et al., The MMSE...
#br
-''H3K27me2'': 転写抑制¬e{:Kim JY, et al., Multiple-my...
#br
-''H4K20me2, me3'': DNA修復¬e{Pei:Pei H, et al., MMSET...
>Kuoら¬e{Kuo:Kuo AJ, et al., NSD2 links dimethylation ...
以上&color(red){''MMSETのヒストンメチル化発がん活性はH3K3...
**Multiple myelomaの発症・進展 [#g7a89479]
***''多発骨髄腫の二次的遺伝子異常'' [#qc2bd4b6]
-MYCの再構成
#br
-NRAS, KRAS, あるいはBRAFの活性化変異
#br
-NFkappaBの活性化
#br
-Copy number abnormality(CNA)
--''17p13 deletion''
#br
--''1q21 gain''
#br
--''13q deletion''
#br
--''1p deletion'' ---1p12の'''''FAM46C''''', 1p32の'''''C...
#br
>MYCの再構成・増幅
--IgH-Myc転座は, MM初診時の10%前後に認められるのに対し, M...
#br
--MyelomaIX解析¬e{:Walker BA, et al. APOBEC family mut...
#br
--転座によらない, '''''Myc'''''増幅が14%みられ, 全体とし...
#br
--MYCタンパク発現は, ''転座症例では増加していたが, 増幅群...
#br
--MYC転座症例, 増幅症例とも, MYC正常症例よりもOSは不良で...
#br
--MycはMyc近傍の変異好発部位(Kataegis)が転座好発部位とな...
#br
--Myc転座は, hyperdiploid群で60%にみとめられるの対して, t...
>''その他''~
>>骨髄腫細胞は染色体転座の有無にかかわらず, &color(red){'...
>>monosomy13はG-band法で10-20%に検出され, FISHによるp53の...
>>従来, 予後不良とされた染色体異常症例においても, BOR(ボ...
#ref(MMprogression.jpg,around,right,90%)
右図:骨髄腫の多段階発がん¬e{:Morgan GJ, et al.The gen...
&color(crimson){''MGUSから骨髄腫への進展''};
定義は ''CD19-/ CD45SUP{SIZE(8){-/low}}''腫瘍性plasma cel...
-MGUSから骨髄腫への進展にはさらにgrowth advantageの獲得が...
-'''''K-ras変異'''''はMGUSでは全く認められないが, 骨髄腫...
-'''''N-ras変異'''''はMGUSでも認められるが, 骨髄腫に進行...
-''c-Mycの強発現''も骨髄腫に進展すると約15%の症例に出現す...
-骨髄腫におけるc-Myc強発現のメカニズムには&color(red){転...
-''CpGアイランドの低メチル化''はMGUS→MM進展にみられる3つ...
#br
''骨髄腫の lineal clonal evolution model.(右, Morgan GJ, ...
>14q転座/ 染色体高二倍体化をドライバー変異として, 形質細...
↓~
さらにstepwiseな付加的遺伝子異常が加わり~
↓~
MUGUS -> くすぶり型骨髄腫 ⇒ 症候性骨髄腫 ⇒ plasma cell le...
進展に伴い病態は複雑化する. 治療抵抗性が増すと考えられて...
#br
***近年のNGSや高感度アレイの分析による骨髄腫クローン進化...
&SIZE(14){&color(#e2041b){''FISHでIgH-FGFR3ないしTP53 del...
すでにMGUSの段階で多様なサブクローンが存在し複雑な階層構...
病態進展の本態は変異の蓄積よりも, クローン構造の変化すな...
MUGUS -> くすぶり型骨髄腫 ⇒ 症候性骨髄腫 ⇒ plasma cell le...
-post germinal center B-cellに14q転座あるいは染色体高二倍...
-骨髄腫幹細胞はMGUSの段階で不均等分裂により3~6個のクロー...
-これらの初期段階 MGUSクローン(ancestral clones)のうちい...
--アミノ酸変異を伴う1塩基変異(non-synonymous single nucle...
-カーネル密度曲線によるクローン構造可視化により&color(cri...
--MGUSで存在する複数のクローンのうち, 増殖の盛んなクロー...
他方消滅するクローンもあり(clonal tide), ''totalのクロー...
#br
&color(blue){''多発性骨髄腫のクローン進化には2種類のパタ...
-MGUSで存在する複数のクローンのうち, 増殖の盛んなクローン...
他方消滅するクローンもあり(clonal tide), totalのクローン...
-SMMから症候性多発性骨髄腫への進展は遺伝子変化の増加では...
#br
--初発時骨髄CD138陽性細胞の網羅的点突然変異解析から, 80%...
#br
--20%の症例においては直線的変異蓄積を示し(R^2>0.98) &colo...
#br
-ダーウィン型進化をする多発性骨髄腫: 骨髄微小環境や免疫細...
#br
--このタイプは''骨髄間質細胞や免疫細胞との相互作用が強く'...
#br
-中立進化型多発性骨髄腫: ドライバー変異を原動力としてクロ...
#br
--予後不良の染色体転座をもち, 進展も早く, IMiDsに加えて, ...
#br
-クローン進化のパターンは, ''総合すると病期・予後不良転座...
#br
#br
&color(blue){''治療抵抗性の原因となる特定の遺伝子変異や染...
&SIZE(14){&color(orangered){''17p deletion''};};;
-初発多発性骨髄腫(NDMM)の''10%に検出''される. 病勢進行と...
#br
-- 欠失範囲は症例により異なり, 短腕全体の欠失から1Mb以下...
#br
-- 共通して約20の遺伝子の発現が低下すると報告されている. ...
#br
-- 17p欠失によりp53発現量が1/2に低下するとhaploinsufficie...
#br
--DNA修復能低下による二次性遺伝子変異誘発がおこる. とくに...
#br
--多発性骨髄腫ではde novo TP53変異は比較的少なく, 17p欠失...
#br
--TP53変異は17p欠失の40-50%に合併するとされる. totalの頻...
-初発多発性骨髄腫 1273例の17p欠失clonalityをcancer clonal...
-CCFは予後と逆相関している. : CCF>0.55の症例ではCCF≦0.55...
-TP53変異はCCF>0.55症例に明らかに多く認められた. (CCF≦0.5...
-CCF>0.55例でもTP53野生型症例では, PFS/OSはCCF≦0.55の例と...
-TP53変異を定量的に解析する代わりに, &color(orangered){''...
-p53機能欠損細胞ではグルコース取り込みが高進するため, PET...
-p53変異をもつ症例では, ''髄外病変が72.7%に認められた''.
初診時に17p欠失をみとめた場合, TP53変異合併を防ぐため, &c...
#br
#br
&SIZE(16){&color(darkgreen){''1q増幅''};}; 比較的最近にな...
-高リスク異常の中でも頻度が最も高く, NDMMの約40%, RRMMで...
#br
-copy数増加は1q21に限局している. 3copy以上の増幅を1q gain...
#br
-copy数と予後は逆相関するため, 1q21に位置する遺伝子発現亢...
#br
-1q増幅は高リスク14q転座による細胞増殖亢進に伴う複製エラ...
#br
--553例のMM症例で, FISHで1q増幅をしらべた201例のサブ解析&...
#br
-治療としては, &color(#e2041b){''VRd療法やdaratummab-base...
#br
#br
***多発性骨髄腫のintratumoral heterogenity [#q1777b8b]
-MMでは病変部位によるサイズ, 増大速度, 治療反応性の違いが...
-部位による, 染色体構造異常の違いは40%の症例に認められた.
-driver変異には部位による多様性がみられない; 14q転座は22...
-17p欠失は2/6(33%)例に, Myc転座は4/16(25%)に部位特異性が...
-遺伝子変異については, 75%の症例に部位による違いが認めら...
--MAP kinase 経路に関与する分子で部位による違いが大きい; ...
--p53変異は 3/9例に部位特異性が認められた.
-FLはsubcloneが局所に定着し, 定着場所との相互作用により進...
--FLにのみ高リスク異常が見られた場合, 腸骨, FLともに高リ...
--FLのサイズと部位による変異多様性は相関している. &color(...
-&color(#e2041b){''PET-CTで2.5cm以上の病変は高リスクと考...
骨髄腫幹細胞が残存するとクローン進化が再現されるため¬e...
終了行:
[[Maf転写因子と疾患、発癌--骨髄腫の発癌因子]]
[[Multiple myeloma - up date]], ~
[[Multiple myeloma--Clinical diagnsosis and Pathology]]
#br
#contents
#br
*多発性骨髄腫:molecular pathogenesis, up dates [#s111cd86]
#br
''多発性骨髄腫''
>%%%''Postgerminal center B-cell'' 由来で形質細胞へ,コミ...
>多発性骨髄腫は単一の疾患とみなされているが, 実際は,&colo...
#br
#br
**骨髄腫発症の分子細胞遺伝学 [#q4aab2cf]
&color(#ba55d3){SIZE(32){■}}; ''Biological genetic classi...
>骨髄腫細胞では, ''増殖サイクルにある細胞は%%%腫瘍細胞全...
>&color(red){多発骨髄腫の染色体異常検出頻度は30-40%にすぎ...
#br
#ref(MM-molecular.jpg,around,right,100%)
>多発性骨髄腫は''2つの大きな遺伝サブグループ''に分類でき...
>&color(red){''1. Hyperdiploid myeloma''};:
>>''染色体数48本以上で, 4N未満'', chromosome ''3, 5, 7, 9...
--chromosome 3, 5, 7, 9, 11, 15, 19, 21のトリソミーやchro...
これらは染色体数48未満のnon-hyperdiploid型とそれ以上で4N(...
//#ref(ch14q32-Ig.jpg,around,right,70%)
>&color(blue){''2. Non-hyperdiploid myeloma''};:
>>''染色体数48本未満'', ''&color(blue){t(4;14), t(14;16),...
>>免疫グロブリン重鎖遺伝子(IgH)転座(14q+)の中でも早期の...
>>免疫グロブリン遺伝子の関連する染色体転座は, ''MGUSの40-...
>>軽鎖遺伝子が関与する頻度は低い. λ鎖遺伝子はMGUSの10%未...
#br
--14q32上の免疫グロブリン重鎖(IgH)遺伝子領域の均衡型転座...
--転座パートナーは主に7つの遺伝子で, これらは3群にわける...
--''CCND群''~
&color(#cd00cd){11q13};の'''BCL1'''('''PRAD/Cyclin D1=CCN...
#br
&color(#cd00cd){12p13};上の'''CCND2'''遺伝子
#br
&color(#cd00cd){6p21};上の'''CCND3'''遺伝子
--''MAF群''~
&color(#cd00cd){8q24.3};上の'''MAFA'''遺伝子
#br
&color(#cd00cd){16q23};上の'''c-MAF'''遺伝子などがある
#br
&color(#cd00cd){21q12};上の'''MAFB'''遺伝子
--''FGFR3/ MMSET群''~
&color(#cd00cd){4p16.3};上の'''FGFR3/ MMSET'''遺伝子
#br
--&color(#cd00cd){6p25};上の'''MUM1/IRF4'''遺伝子
#br
>&color(red){''t(11;14)(q13;q32)''};
-MGUSの15-30%, MMの15-20%に認められる.
-転座によりサイクリンD(cyclinD, '''CCND''')遺伝子の一つで...
-14q32/ '''IGH'''転座にはこれまで, SHMとCSRがその機序と考...
-骨髄内でt(11;14)を獲得すると Mantle cell lymphoma, 胚中...
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***CCN D1, D2, D3遺伝子と骨髄腫 [#wf0aa2e0]
>多発骨髄腫の, ほぼ全症例に認められる統一的な異常イベント。
--正常B細胞, 形質細胞では%%%cyclinD2やcyclinD3を発現して...
--t(11;14)はMantle lymphomaで解析がすすめられてきた。Mant...
#ref(MMprogress02.jpg,around,right,80%)
>骨髄腫でみられる14q転座は10種類以上が存在し, 強発現する...
>1). ''cyclin D グループ''
-cyclin D グループには t(11;14), t(6;14), t(12;14)が含ま...
#br
-14qに局在するIgH enhancerによりそれぞれ cyclin D1, cycli...
#br
-t(11;14)はMantle lymphomaで解析がすすめられてきた。Mantl...
#br
-MM細胞では&color(red){約20%にt(11;14)(q13;q32)が認められ...
#br
-t(11;14)-positive 多発骨髄腫では, 転座により免疫グロブリ...
#br
-14q32/'''IGH'''転座の機序として, これまでsomatic hypermu...
しかし最近, '''IGH'''切断点解析により t(11;14)はDJ再構成...
#br
-[[DJ再構成>Immunoglobulin gene 免疫グロブリン遺伝子#s0d9...
#br
-この転座をもつMMの特徴として, リンパ形質細胞様形態をとる...
#br
-この転座をもつMMの予後に関しては結論はでていない. ¬e{...
#br
-&color(blue){''CCN D3''};は''6p21''に位置し, IgH遺伝子と...
#br
-&color(blue){''CCN D2''};は''12q13''に局在する遺伝子。Ig...
#br
-下記, 2)MMSET, 3)Mafの異常では&color(blue){'''''CCN D2''...
>2). ''MMSET/FGFR3 グループ''
-t(4;14)は骨髄腫症例の15-20%を占め, 切断点は多くの例でヒ...
全長型ないし, alternative splicingにより短縮型のMMSETを発...
#ref(MMSET-FGFR3.jpg,around,right,70%)
>
-強発現したMMSETはH3K36(histon3の36番目のリジン残基)とH3K...
#br
-4p16は染色体末端に近く, 転座の染色体構造変化が微細(crypt...
#br
-MGUSの3-10%, MMの15-20%に検出される. MGUS<MMと頻度に差が...
#br
-IGH再構成により''IGHエンハンサーEμ''が4番染色体に移動, M...
遺伝子産物のMMSETはヒストンメチル化酵素でエピジェネティッ...
#br
-別のエンハンサー3'Eαは, 14番染色体に残り, 移動してきたFG...
#br
-&color(crimson){''この転座の25%は不均衡転座で, 派生14番...
#br
-IgAクラスのMMが多く, 軽鎖ではλ鎖が多い. CCND2発現が亢進...
#br
-&color(blue){''予後不良''};である.
>3). ''MAF グループ''
-t(14;16), t(14;20), t(8;14)が含まれ, それぞれMAF family ...
#br
-標的遺伝子としては&color(red){''cyclin D2''};¬e{Chesi...
#br
-16q23は染色体末端に近くcryptic translocationになるため検...
#br
-MGUSではまれで, MMでは2-10%に認められる. MGUSとMMの間に...
#br
-免疫グロブリンクラス別で多いのはIgAとする報告とIgGとする...
#br
-'''c-MAF'''陽性骨髄腫は陰性骨髄腫に比較して, ''白血球増...
#br
-'''c-MAF'''陽性例では細胞接着因子のCD56(NCAM)が陰性のた...
>4). ''その他''
>''以上 形質細胞腫瘍化の初期にはcyclin Dの発現亢進が共通...
--マイクロアレイによる網羅的解析では, ほぼ全例の骨髄腫でC...
&color(red){''3つのCCN D遺伝子の発現は染色体転座以外の機...
--&color(red){cyclin Dは CDK4/6と複合体を形成しRBタンパク...
--t(11;14)の染色体転座をもたずRNAレベルやタンパクレベルで...
--&color(crimson){''t(4;14)とt(14;16)''};は&color(blue){'...
***高二倍体化では, 奇数番号の染色体 (3, 5, 7, 9, 11, 15, ...
-腫瘍化のメカニズムはまだ十分には解明されていないが, &col...
#br
#br
***多発性骨髄腫の異常な転写因子発現 [#w6350612]
>多発性骨髄腫は前癌病態から多段階発癌過程を経て発症する間...
多発性骨髄腫で注目されている転写因子には~
1.&color(blue){IRF4/MUM1, [[c-Maf, MafB>Maf転写因子と疾患...
2.&color(blue){NF-kB, HIF1/2, XBP-1};など骨髄環境に適応す...
***多発骨髄腫のエピジェネティック異常: t(4;14)転座と多...
>多発骨髄腫のエピジェネティックス異常¬e{:Yasui H, et a...
>1. &color(#ff00ff){''t(4;14)転座による多発骨髄腫SETドメ...
>2. DNAおよびnon-cording RNAのメチル化異常
>3. ヒストン脱アセチル化酵素阻害による抗腫瘍効果
>&color(#66cd00){SIZE(32){■}};'''''MMSET'''''(Official fu...
-&color(#ff1493){''4p16.3''に局在};。この遺伝子は PWWP do...
Wolf-Hirschhorn syndrome (WHS)は第4染色体遠位短腕の欠損(h...
遺伝子のalternative splicingにより複数の転写ヴァリアント...
Some transcript variants are nonsense-mediated mRNA (NMD)...
-MMSETには複数の転写産物があり, MMSET typeI, typeII, type...
それぞれがt(4;14)骨髄腫に特異的高発現をする。
-''t(4;14)(p16;q32)''は骨髄腫の''15-20%''にみられ'''MMSET...
>&color(#66cd00){SIZE(32){■}};'''''MMSET'''による[[ヒスト...
-''H3K36me2'': &color(red){転写活性化};¬e{Kuo:Kuo AJ, ...
#br
-''H3K36me3'': 転写抑制¬e{:Nimura K, et al., A histone...
#br
-''H4K20me3'': 転写抑制¬e{:Marango J, et al., The MMSE...
#br
-''H3K27me2'': 転写抑制¬e{:Kim JY, et al., Multiple-my...
#br
-''H4K20me2, me3'': DNA修復¬e{Pei:Pei H, et al., MMSET...
>Kuoら¬e{Kuo:Kuo AJ, et al., NSD2 links dimethylation ...
以上&color(red){''MMSETのヒストンメチル化発がん活性はH3K3...
**Multiple myelomaの発症・進展 [#g7a89479]
***''多発骨髄腫の二次的遺伝子異常'' [#qc2bd4b6]
-MYCの再構成
#br
-NRAS, KRAS, あるいはBRAFの活性化変異
#br
-NFkappaBの活性化
#br
-Copy number abnormality(CNA)
--''17p13 deletion''
#br
--''1q21 gain''
#br
--''13q deletion''
#br
--''1p deletion'' ---1p12の'''''FAM46C''''', 1p32の'''''C...
#br
>MYCの再構成・増幅
--IgH-Myc転座は, MM初診時の10%前後に認められるのに対し, M...
#br
--MyelomaIX解析¬e{:Walker BA, et al. APOBEC family mut...
#br
--転座によらない, '''''Myc'''''増幅が14%みられ, 全体とし...
#br
--MYCタンパク発現は, ''転座症例では増加していたが, 増幅群...
#br
--MYC転座症例, 増幅症例とも, MYC正常症例よりもOSは不良で...
#br
--MycはMyc近傍の変異好発部位(Kataegis)が転座好発部位とな...
#br
--Myc転座は, hyperdiploid群で60%にみとめられるの対して, t...
>''その他''~
>>骨髄腫細胞は染色体転座の有無にかかわらず, &color(red){'...
>>monosomy13はG-band法で10-20%に検出され, FISHによるp53の...
>>従来, 予後不良とされた染色体異常症例においても, BOR(ボ...
#ref(MMprogression.jpg,around,right,90%)
右図:骨髄腫の多段階発がん¬e{:Morgan GJ, et al.The gen...
&color(crimson){''MGUSから骨髄腫への進展''};
定義は ''CD19-/ CD45SUP{SIZE(8){-/low}}''腫瘍性plasma cel...
-MGUSから骨髄腫への進展にはさらにgrowth advantageの獲得が...
-'''''K-ras変異'''''はMGUSでは全く認められないが, 骨髄腫...
-'''''N-ras変異'''''はMGUSでも認められるが, 骨髄腫に進行...
-''c-Mycの強発現''も骨髄腫に進展すると約15%の症例に出現す...
-骨髄腫におけるc-Myc強発現のメカニズムには&color(red){転...
-''CpGアイランドの低メチル化''はMGUS→MM進展にみられる3つ...
#br
''骨髄腫の lineal clonal evolution model.(右, Morgan GJ, ...
>14q転座/ 染色体高二倍体化をドライバー変異として, 形質細...
↓~
さらにstepwiseな付加的遺伝子異常が加わり~
↓~
MUGUS -> くすぶり型骨髄腫 ⇒ 症候性骨髄腫 ⇒ plasma cell le...
進展に伴い病態は複雑化する. 治療抵抗性が増すと考えられて...
#br
***近年のNGSや高感度アレイの分析による骨髄腫クローン進化...
&SIZE(14){&color(#e2041b){''FISHでIgH-FGFR3ないしTP53 del...
すでにMGUSの段階で多様なサブクローンが存在し複雑な階層構...
病態進展の本態は変異の蓄積よりも, クローン構造の変化すな...
MUGUS -> くすぶり型骨髄腫 ⇒ 症候性骨髄腫 ⇒ plasma cell le...
-post germinal center B-cellに14q転座あるいは染色体高二倍...
-骨髄腫幹細胞はMGUSの段階で不均等分裂により3~6個のクロー...
-これらの初期段階 MGUSクローン(ancestral clones)のうちい...
--アミノ酸変異を伴う1塩基変異(non-synonymous single nucle...
-カーネル密度曲線によるクローン構造可視化により&color(cri...
--MGUSで存在する複数のクローンのうち, 増殖の盛んなクロー...
他方消滅するクローンもあり(clonal tide), ''totalのクロー...
#br
&color(blue){''多発性骨髄腫のクローン進化には2種類のパタ...
-MGUSで存在する複数のクローンのうち, 増殖の盛んなクローン...
他方消滅するクローンもあり(clonal tide), totalのクローン...
-SMMから症候性多発性骨髄腫への進展は遺伝子変化の増加では...
#br
--初発時骨髄CD138陽性細胞の網羅的点突然変異解析から, 80%...
#br
--20%の症例においては直線的変異蓄積を示し(R^2>0.98) &colo...
#br
-ダーウィン型進化をする多発性骨髄腫: 骨髄微小環境や免疫細...
#br
--このタイプは''骨髄間質細胞や免疫細胞との相互作用が強く'...
#br
-中立進化型多発性骨髄腫: ドライバー変異を原動力としてクロ...
#br
--予後不良の染色体転座をもち, 進展も早く, IMiDsに加えて, ...
#br
-クローン進化のパターンは, ''総合すると病期・予後不良転座...
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#br
&color(blue){''治療抵抗性の原因となる特定の遺伝子変異や染...
&SIZE(14){&color(orangered){''17p deletion''};};;
-初発多発性骨髄腫(NDMM)の''10%に検出''される. 病勢進行と...
#br
-- 欠失範囲は症例により異なり, 短腕全体の欠失から1Mb以下...
#br
-- 共通して約20の遺伝子の発現が低下すると報告されている. ...
#br
-- 17p欠失によりp53発現量が1/2に低下するとhaploinsufficie...
#br
--DNA修復能低下による二次性遺伝子変異誘発がおこる. とくに...
#br
--多発性骨髄腫ではde novo TP53変異は比較的少なく, 17p欠失...
#br
--TP53変異は17p欠失の40-50%に合併するとされる. totalの頻...
-初発多発性骨髄腫 1273例の17p欠失clonalityをcancer clonal...
-CCFは予後と逆相関している. : CCF>0.55の症例ではCCF≦0.55...
-TP53変異はCCF>0.55症例に明らかに多く認められた. (CCF≦0.5...
-CCF>0.55例でもTP53野生型症例では, PFS/OSはCCF≦0.55の例と...
-TP53変異を定量的に解析する代わりに, &color(orangered){''...
-p53機能欠損細胞ではグルコース取り込みが高進するため, PET...
-p53変異をもつ症例では, ''髄外病変が72.7%に認められた''.
初診時に17p欠失をみとめた場合, TP53変異合併を防ぐため, &c...
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&SIZE(16){&color(darkgreen){''1q増幅''};}; 比較的最近にな...
-高リスク異常の中でも頻度が最も高く, NDMMの約40%, RRMMで...
#br
-copy数増加は1q21に限局している. 3copy以上の増幅を1q gain...
#br
-copy数と予後は逆相関するため, 1q21に位置する遺伝子発現亢...
#br
-1q増幅は高リスク14q転座による細胞増殖亢進に伴う複製エラ...
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--553例のMM症例で, FISHで1q増幅をしらべた201例のサブ解析&...
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-治療としては, &color(#e2041b){''VRd療法やdaratummab-base...
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***多発性骨髄腫のintratumoral heterogenity [#q1777b8b]
-MMでは病変部位によるサイズ, 増大速度, 治療反応性の違いが...
-部位による, 染色体構造異常の違いは40%の症例に認められた.
-driver変異には部位による多様性がみられない; 14q転座は22...
-17p欠失は2/6(33%)例に, Myc転座は4/16(25%)に部位特異性が...
-遺伝子変異については, 75%の症例に部位による違いが認めら...
--MAP kinase 経路に関与する分子で部位による違いが大きい; ...
--p53変異は 3/9例に部位特異性が認められた.
-FLはsubcloneが局所に定着し, 定着場所との相互作用により進...
--FLにのみ高リスク異常が見られた場合, 腸骨, FLともに高リ...
--FLのサイズと部位による変異多様性は相関している. &color(...
-&color(#e2041b){''PET-CTで2.5cm以上の病変は高リスクと考...
骨髄腫幹細胞が残存するとクローン進化が再現されるため¬e...
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