juvenile xanthogranuloma
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[[Wikipathologica-KDP]]
[[To End>#piyo]]
*Juvenile xanthogranuloma 若年性黄色肉芽腫[#sabb8ae3]
''1歳 男児. 右鼻孔部腫瘤''
#ref(macro-01.jpg,around,left,30%)
2ヵ月前, 腫瘤のある部位に発赤があったことがスナップ写真で...
かさぶたをとっているうちに次第に隆起してきた.皮膚科や小児...
赤色調の隆起で頂部は陥凹し, びらん状, 痂皮形成があるよう...
#clear
#br
***''腫瘤組織病理所見'' [#f88b147f]
部分生検がおこなわれた.
#gallery(left,nowrap,noadd){{
loupe-up.jpg>loupe像
loupe-low.jpg>loupe 腫瘍深部
HE01.jpg
HE02.jpg
HE-mitosis.jpg>mitosis,10hpfに1-2
}}
loupe像:表面に痂皮形成. 均等な組織像で,壊死や出血はみら...
拡大所見では, 類円形, 卵円形, ねじれた桿状の核, くびれ,勾...
高倍率10視野で 1-2個の核分裂像が数えられた.
樹状細胞性腫瘍, 組織球性腫瘍, histiocytic sarcoma(あまり...
#br
''免疫染色''
#gallery(left,nowrap,noadd){{
CD1a-lpf.jpg>CD1a
S-100-lpf.jpg>S-100
CK(AE1-3)-lpf.jpg>CK(AE1,AE3)
CD123-lpf.jpg>CD123
Langerin-lpf.jpg>Langerin
CD163-lpf.jpg>CD163
FactorXIIIa-lpf.jpg>Factor XIII
MIB-1-lpf.jpg>MIB-1 LI 20-30%
}}
CD20, PAX5, CD3, CD5 リンパ球マーカは陰性. Dendritic cell...
#br
#gallery(left,nowrap,noadd){{
S-100 -hpf.jpg>S100
CD68(KP-1)-mfp.jpg>CD68(KP-1)
FactorXIIIa-mpf.jpg>Factor XIIIa
FactorXIIIa-hpf.jpg>Factor XIIIa
}}
IHCの拡大像. Factor XⅢaの免疫染色画像もここに掲載する.
***''Pathological Diagnosis'' [#ue680506]
愛知医科大学都築先生にconsultation.
-診断の難しい症例. 病理としては邪道であるが, 年齢, 発生場...
-組織所見は矛盾しないが, &color(blue){''多核巨細胞が少な...
-免疫染色では, FactorXⅢa, CD68, CD163がびまん性にそまり, ...
-組織球性肉腫は, &color(#e2041b){''形態的に細胞の多型, 異...
>ご高診ありがとうございました。
2か月ほどの間に隆起した亜急性病変で, 下記 Juvenile xantho...
#br
#br
***''臨床経過'' [#d65ed0e4]
大学病院に紹介され摘出手術がおこなわれた. 手術検体でも非...
手術検体でも、明瞭な泡沫細胞は指摘できませんでしたが、Tut...
全身精査を行ったところ、他に病変は見当たらず、単発性であ...
術後2年, 再発なく元気に遊んでいるようです.
#br
#br
***''Factor XIIIa:'' [#w329409d]
フィブリノリガーゼ、&color(blue){''フィブリン安定化因子''...
#ref(gyohko-cascade01.jpg,around,right,75%)
カルシウム依存性のトランスグルタミナーゼまたはトランスア...
チオール活性中心を持つCa2+依存性トランスグルタミナーゼは...
正常な乳腺間質は、ほとんどのコラーゲン結合組織と同様に、C...
ファクターXIIIaは、正常皮膚と炎症性皮膚における発現が調べ...
&ref(Factor XIIIa_pathology.txt); ---病理組織におけるFact...
#br
皮膚科領域では、Dermatofibroma(DF)とDermatofibrosarcoma p...
-DFとDFSPは通常, HE染色標本で鑑別可能であるが,&color(#e60...
-&color(#e2041b){''DFでは, ほとんどの例で多数のFactor XII...
-&color(#e60033){''DFSPでも病変内にFactor XIIIa陽性細胞が...
||dermatofibroma(DF)|dermatofibrosarcoma protuberans(DFSP)|
|Factor XIII|+++びまん性|±~+|
|CD34|-|++|
&aname(piyo);
**Xanthogranuloma of the neonates/ Juvenile xanthogranulo...
''病理組織所見''
#gallery(left,nowrap,noadd){{
foamy01.jpg>foamy cells
foamy-oligo.jpg>foamy cellが少ない
many-Touton.jpg>多数のTouton giant cells
eosinophils-OK.jpg>好酸球の浸潤
}}
典型的なJXG細胞は大きく, 細胞質は空胞状で,核は円形または...
#ref(Touton GC-OK.jpg,around,right,30%)
''Touton giant cell''(右図中央)として知られる、中心部に核...
JXGの他のvariantとして、早期型と後期型がある.
-&color(#224B8F){''早期型は、古典型にみられる脂質空胞をも...
-後期型は、''泡沫組織球や巨細胞の病巣を伴う紡錘形細胞の渦...
新たに報告された&color(#e60033){''ALK陽性組織球症は''};,...
#clear
***ALK陽性組織球症:WHO2022新分類, Dendritic and histiocy...
-ALK遺伝子転座:&color(#e83929){''最も一般的にはKIF5B::AL...
最近の研究においてその特徴がより明らかになってきた.¬e{...
-多系統の全身型は典型的に幼児に発症し、肝臓、脾臓、骨髄の...
-その他の多臓器型および単臓器型症例は年齢層に関係なく発生...
-ALK陽性組織球症における組織球は、大型卵形細胞、泡沫細胞...
-従って、&color(#e60033){ALK陽性組織球症の可能性を検討す...
#br
***新生児のJXG/ JXG in neonates [#ea3cf850]
JXGの症状は,肌色,黄橙色,褐色,紫色の皮膚斑点や丘疹が多く身...
患者さんにより,孤在性あるいは少数の病変を持つ人もいれば,...
&color(#c9171e){''皮膚以外の他の部位としては,肝臓(22%),...
Kiel Tumor Registryのデータによると,JXGは小児100万人あた...
男女比は1.4:1で,&color(#c9171e){''35%が出生時に病変を有...
原因に関する公表データなし. 今のところ不明.
由来細胞は''マクロファージ系の骨髄前駆細胞に由来する骨髄...
#br
#br
''臨床症状および転帰''
-病変が 1 つまたは数個の患者のほとんどは,自然に治癒する
-Kiel の研究では¬e{Janssen:Janssen D., Harms D.: Juven...
#br
&color(blue){''SIZE(18){■}''};''全身性病変を示すneonatal ...
&color(#e60033){''新生児期の全身病変の発生率は 27%であり...
新生児期のJXG45症例では,全身性のJXG患者のほぼ4分の1は皮膚...
眼球周囲に複数の病変を有する患児の他, 眼球内病変を有する...
JXG は,歯肉,頬粘膜,舌および声門下領域で報告されている.&no...
他臓器への浸潤は--脳,心臓,肝臓,脾臓,腎臓,肺,骨髄,腸,骨な...
-脳病変を有する新生児は,痙攣,脳神経徴候,および/または発達...
-心臓病変は,不整脈またはポンプ能力の低下による心不全を引...
-汎血球減少は,JXGによる骨髄浸潤の乳児に見られる兆候であり...
-肝臓への浸潤は,肝腫大と高ビリルビン血症によって前兆され...
''鑑別診断''
-JXG病変は,アテロームや脂肪腫と間違われることがあるが,LCH...
-NF1とJXGの患者では,若年性骨髄単球性白血病の発症リスクが2...
''診断アプローチ''
&color(green){SIZE(24){●}};皮膚病変がわずかしかなく,全身...
&color(orange){SIZE(24){●}};多発病変および全身症状がある...
-脳と腹部の MRI 検査を受ける必要がある。心機能障害が明ら...
''治療''
-ほとんどの病変は自然に退縮するが,症例によっては単一また...
-脳,脾臓および骨髄に病変を有する患者には,組織球性疾患に用...
''治療症例の報告''
-脳,皮膚,脾臓,肝臓に病変のある患者 1 名は,日本 LCH 研究会...
-肝臓と骨髄に病変のある JXG 患者に対して成功した他の治療...
-胆汁うっ滞と門脈圧亢進症により,1名の小児に肝移植が必要と...
-ALK-組織球症患者は,ALK 阻害剤クリゾチニブによる治療で治...
''臨床的アウトカム''
-JXG病変が数個の新生児のほとんどは,自然に治癒し再発するこ...
-病変が広範囲に及ぶ場合は,積極的な化学療法を行う必要があ...
#br
遺伝子異常¬e{:Durham B.H., et. al. Activating mutatio...
44例の小児JXGの全エキソームまたは標的DNA/RNA配列決定によ...
-MAP2K1 6例
-NTRK1融合6例
-双子の兄弟を含むCSF1R 5例
-KRAS 4例,NRAS 3例
-少数のKIT,JAK3,ALK,MET,およびその他の変異。
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*Juvenile xanthogranuloma 若年性黄色肉芽腫[#sabb8ae3]
''1歳 男児. 右鼻孔部腫瘤''
#ref(macro-01.jpg,around,left,30%)
2ヵ月前, 腫瘤のある部位に発赤があったことがスナップ写真で...
かさぶたをとっているうちに次第に隆起してきた.皮膚科や小児...
赤色調の隆起で頂部は陥凹し, びらん状, 痂皮形成があるよう...
#clear
#br
***''腫瘤組織病理所見'' [#f88b147f]
部分生検がおこなわれた.
#gallery(left,nowrap,noadd){{
loupe-up.jpg>loupe像
loupe-low.jpg>loupe 腫瘍深部
HE01.jpg
HE02.jpg
HE-mitosis.jpg>mitosis,10hpfに1-2
}}
loupe像:表面に痂皮形成. 均等な組織像で,壊死や出血はみら...
拡大所見では, 類円形, 卵円形, ねじれた桿状の核, くびれ,勾...
高倍率10視野で 1-2個の核分裂像が数えられた.
樹状細胞性腫瘍, 組織球性腫瘍, histiocytic sarcoma(あまり...
#br
''免疫染色''
#gallery(left,nowrap,noadd){{
CD1a-lpf.jpg>CD1a
S-100-lpf.jpg>S-100
CK(AE1-3)-lpf.jpg>CK(AE1,AE3)
CD123-lpf.jpg>CD123
Langerin-lpf.jpg>Langerin
CD163-lpf.jpg>CD163
FactorXIIIa-lpf.jpg>Factor XIII
MIB-1-lpf.jpg>MIB-1 LI 20-30%
}}
CD20, PAX5, CD3, CD5 リンパ球マーカは陰性. Dendritic cell...
#br
#gallery(left,nowrap,noadd){{
S-100 -hpf.jpg>S100
CD68(KP-1)-mfp.jpg>CD68(KP-1)
FactorXIIIa-mpf.jpg>Factor XIIIa
FactorXIIIa-hpf.jpg>Factor XIIIa
}}
IHCの拡大像. Factor XⅢaの免疫染色画像もここに掲載する.
***''Pathological Diagnosis'' [#ue680506]
愛知医科大学都築先生にconsultation.
-診断の難しい症例. 病理としては邪道であるが, 年齢, 発生場...
-組織所見は矛盾しないが, &color(blue){''多核巨細胞が少な...
-免疫染色では, FactorXⅢa, CD68, CD163がびまん性にそまり, ...
-組織球性肉腫は, &color(#e2041b){''形態的に細胞の多型, 異...
>ご高診ありがとうございました。
2か月ほどの間に隆起した亜急性病変で, 下記 Juvenile xantho...
#br
#br
***''臨床経過'' [#d65ed0e4]
大学病院に紹介され摘出手術がおこなわれた. 手術検体でも非...
手術検体でも、明瞭な泡沫細胞は指摘できませんでしたが、Tut...
全身精査を行ったところ、他に病変は見当たらず、単発性であ...
術後2年, 再発なく元気に遊んでいるようです.
#br
#br
***''Factor XIIIa:'' [#w329409d]
フィブリノリガーゼ、&color(blue){''フィブリン安定化因子''...
#ref(gyohko-cascade01.jpg,around,right,75%)
カルシウム依存性のトランスグルタミナーゼまたはトランスア...
チオール活性中心を持つCa2+依存性トランスグルタミナーゼは...
正常な乳腺間質は、ほとんどのコラーゲン結合組織と同様に、C...
ファクターXIIIaは、正常皮膚と炎症性皮膚における発現が調べ...
&ref(Factor XIIIa_pathology.txt); ---病理組織におけるFact...
#br
皮膚科領域では、Dermatofibroma(DF)とDermatofibrosarcoma p...
-DFとDFSPは通常, HE染色標本で鑑別可能であるが,&color(#e60...
-&color(#e2041b){''DFでは, ほとんどの例で多数のFactor XII...
-&color(#e60033){''DFSPでも病変内にFactor XIIIa陽性細胞が...
||dermatofibroma(DF)|dermatofibrosarcoma protuberans(DFSP)|
|Factor XIII|+++びまん性|±~+|
|CD34|-|++|
&aname(piyo);
**Xanthogranuloma of the neonates/ Juvenile xanthogranulo...
''病理組織所見''
#gallery(left,nowrap,noadd){{
foamy01.jpg>foamy cells
foamy-oligo.jpg>foamy cellが少ない
many-Touton.jpg>多数のTouton giant cells
eosinophils-OK.jpg>好酸球の浸潤
}}
典型的なJXG細胞は大きく, 細胞質は空胞状で,核は円形または...
#ref(Touton GC-OK.jpg,around,right,30%)
''Touton giant cell''(右図中央)として知られる、中心部に核...
JXGの他のvariantとして、早期型と後期型がある.
-&color(#224B8F){''早期型は、古典型にみられる脂質空胞をも...
-後期型は、''泡沫組織球や巨細胞の病巣を伴う紡錘形細胞の渦...
新たに報告された&color(#e60033){''ALK陽性組織球症は''};,...
#clear
***ALK陽性組織球症:WHO2022新分類, Dendritic and histiocy...
-ALK遺伝子転座:&color(#e83929){''最も一般的にはKIF5B::AL...
最近の研究においてその特徴がより明らかになってきた.¬e{...
-多系統の全身型は典型的に幼児に発症し、肝臓、脾臓、骨髄の...
-その他の多臓器型および単臓器型症例は年齢層に関係なく発生...
-ALK陽性組織球症における組織球は、大型卵形細胞、泡沫細胞...
-従って、&color(#e60033){ALK陽性組織球症の可能性を検討す...
#br
***新生児のJXG/ JXG in neonates [#ea3cf850]
JXGの症状は,肌色,黄橙色,褐色,紫色の皮膚斑点や丘疹が多く身...
患者さんにより,孤在性あるいは少数の病変を持つ人もいれば,...
&color(#c9171e){''皮膚以外の他の部位としては,肝臓(22%),...
Kiel Tumor Registryのデータによると,JXGは小児100万人あた...
男女比は1.4:1で,&color(#c9171e){''35%が出生時に病変を有...
原因に関する公表データなし. 今のところ不明.
由来細胞は''マクロファージ系の骨髄前駆細胞に由来する骨髄...
#br
#br
''臨床症状および転帰''
-病変が 1 つまたは数個の患者のほとんどは,自然に治癒する
-Kiel の研究では¬e{Janssen:Janssen D., Harms D.: Juven...
#br
&color(blue){''SIZE(18){■}''};''全身性病変を示すneonatal ...
&color(#e60033){''新生児期の全身病変の発生率は 27%であり...
新生児期のJXG45症例では,全身性のJXG患者のほぼ4分の1は皮膚...
眼球周囲に複数の病変を有する患児の他, 眼球内病変を有する...
JXG は,歯肉,頬粘膜,舌および声門下領域で報告されている.&no...
他臓器への浸潤は--脳,心臓,肝臓,脾臓,腎臓,肺,骨髄,腸,骨な...
-脳病変を有する新生児は,痙攣,脳神経徴候,および/または発達...
-心臓病変は,不整脈またはポンプ能力の低下による心不全を引...
-汎血球減少は,JXGによる骨髄浸潤の乳児に見られる兆候であり...
-肝臓への浸潤は,肝腫大と高ビリルビン血症によって前兆され...
''鑑別診断''
-JXG病変は,アテロームや脂肪腫と間違われることがあるが,LCH...
-NF1とJXGの患者では,若年性骨髄単球性白血病の発症リスクが2...
''診断アプローチ''
&color(green){SIZE(24){●}};皮膚病変がわずかしかなく,全身...
&color(orange){SIZE(24){●}};多発病変および全身症状がある...
-脳と腹部の MRI 検査を受ける必要がある。心機能障害が明ら...
''治療''
-ほとんどの病変は自然に退縮するが,症例によっては単一また...
-脳,脾臓および骨髄に病変を有する患者には,組織球性疾患に用...
''治療症例の報告''
-脳,皮膚,脾臓,肝臓に病変のある患者 1 名は,日本 LCH 研究会...
-肝臓と骨髄に病変のある JXG 患者に対して成功した他の治療...
-胆汁うっ滞と門脈圧亢進症により,1名の小児に肝移植が必要と...
-ALK-組織球症患者は,ALK 阻害剤クリゾチニブによる治療で治...
''臨床的アウトカム''
-JXG病変が数個の新生児のほとんどは,自然に治癒し再発するこ...
-病変が広範囲に及ぶ場合は,積極的な化学療法を行う必要があ...
#br
遺伝子異常¬e{:Durham B.H., et. al. Activating mutatio...
44例の小児JXGの全エキソームまたは標的DNA/RNA配列決定によ...
-MAP2K1 6例
-NTRK1融合6例
-双子の兄弟を含むCSF1R 5例
-KRAS 4例,NRAS 3例
-少数のKIT,JAK3,ALK,MET,およびその他の変異。
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